犬の鍼灸治療!注意点や、効果は?

公開日:2025/01/07 / 最終更新日:2025/03/05
犬の鍼灸治療とは
「鍼灸」と一般に呼ばれる
この治療、
正確には
「鍼(はり)」と「灸(きゅう)」の
二つの治療を合わせた
言葉です。
鍼はその字の通り、
体の必要な箇所に
鍼を刺し、
その刺激で
不調の改善や
治療として利用します。
一方、
灸は「もぐさ」といわれる
ヨモギを原材料としたものを
体に置き、
これに火をつけて
熱による体の変化を
治療や養生に利用します。
これらの歴史は
非常に古く、
2000年以上前から
中国で使用されてきました。
実際に
鍼灸が行われた記録は、
中国の戦国時代の書物に
記されています。
その後日本には
6世紀ごろ、
朝鮮半島を経由して
伝来しました。
以後
明治時代に
西洋医学が普及するまでは
鍼灸や漢方による治療が
主流となり、
松尾芭蕉の
『奥の細道』では
足三里のというツボに
お灸をすえて
旅の疲れを癒やす文面が
記されています。
動物の鍼灸治療
動物に対する鍼灸も
実は
かなり古い歴史があります。
軍馬や農耕に使用する
牛や馬といった大動物に
治療を施した記録があり、
現代の
犬や猫に行う鍼灸は
この大動物の治療論が
応用されています。
日本をはじめ、
本場中国や
欧米でも
鍼灸が用いられています。
ただ、
日本の獣医系大学では
鍼灸をはじめとした東洋医学は
必須科目ではないため、
これらの分野を学ぶ機会は
限られています。
多くの場合は独学
あるいは獣医鍼灸を
個人的に勉強して
習得しているのが現状です。
国内外いくつか獣医学として
鍼灸治療を学べる場が
提供されています。
なお、
鍼灸治療は
動物に鍼を刺すことから
獣医療行為であるため、
施術できるのは
原則
獣医師のみとなっています。

犬の鍼灸治療の効果
鍼灸治療は
基本的に
東洋医学にのっとった方法で
治療することが多いため
「弁証論治 といわれる
(べんしょうろんち)」
東洋医学独特の診断
および
治療手段を用います。
個々の体質や
体の状態を表した
「証(しょう)」の状態を判断し、
それに合わせて
適切なツボを選びます。
ツボに鍼を打つほか、
お灸を据えます。
鉄道に例えますと、
体の中に張り巡らされた
「経絡(けいらく)」が
線路に当たります。
「ツボ」は
その線路上のあちこちにある
駅のようなものです。
「気」や「血(けつ)」が
線路を走る鉄道車両で、
鉄道が大事なものを
津々浦々まで運ぶのと一緒です。
この気や血を
滞りなく運行できている状態が
健康な状態であり、
気や血の流れが悪くなった場合は
ツボを通じて
さまざまな刺激を加えることで
改善に導きます。
つまり鍼灸治療は
体を
「ニュートラルな状態」にすることを得意とする
療法といえるのかもしれません。

犬の鍼灸治療で効果が期待できる病気
鍼灸治療は、
犬のあらゆる疾患に対して
何らかの形で
応用可能ですが、
得意不得意が存在します。
鍼は
鎮痛作用があることが
確認されていますので、
痛みを取り除くのが
得意です。
筋肉や関節の痛みに対して
鍼灸が利用されるのは
犬でも同じです。
経絡やツボは
神経が分布している部分と
似た場所にあることが多いため、
神経系の機能低下にも
よく応用されます。
具体的には
犬の椎間板ヘルニアが
挙げられます。
椎間板ヘルニアは、
犬の背骨と背骨の間にある
椎間板が変形して、
脊髄という
重要な神経を圧迫して
下半身の機能が低下する病気です。
変形した椎間板が
鍼で
元に戻ることはありませんが、
病変部周辺の神経組織や
血流を改善することで、
歩けなかった犬が
歩けるようになるケースが
多くみられます。
また、
鍼には
血流を改善させる
効果もありますので、
アンチエイジングや
健康増進にも寄与します。
一方で、
鍼の施術そのものが
困難な場合、
例えば
極度に興奮している場合は
安全に
施術を行うことができないため
不向きといえます。
また
腫瘍が存在する場合は、
近くに鍼を刺すと
腫瘍への血流を促進し
拡大してしまうことがあるため
適さない条件となります。

犬の鍼灸治療のやり方、手順、流れ
犬の
鍼灸の施術の方法は、
術者によって
かなり異なるようです。
従いまして
一般的な例で
説明しましょう。
鍼灸治療を行う上で
最も重要なのは、
施術よりも
犬の体の状態を
しっかりと診ることです。
東洋医学の
「四診(ししん)」という
診断方法で、
問題点を確認して
適切な部分に
鍼を刺していきます。
鍼は
刺して
そのままにしておく方法以外に、
適度な
刺激を与えることを目的に、
- 「捻る」
- 「回転する」
- 「鍼にもぐさをつけてお灸を併用する」
- 「鍼を通じて電気を流す」
といった方法を
とることがあります。
1回の施術時間は
20分~60分が平均で、
これを週に数回から
1カ月に1回のペースで行います。
特に治療初期は
施術の間隔を短くし、
効果的な治療を行います。
例えば
椎間板ヘルニアの場合、
病院によっては、
特に治療初期は
入院して集中的に
施術を行う場合もあります。
犬の鍼灸治療の場合、
症状が改善しても
「養生」を必要とするケースが
多くあります。
改善後も
定期的な鍼灸治療を行うことで
再発予防につながります。

犬の鍼灸治療の料金
鍼灸治療に関連する料金は
なかなか
わかりづらいところがありますよね。
これも
病院によってさまざまです。
1回の施術に対する料金は
3000~1万円と幅広いです。
施術に要する時間や
施術範囲、
使用する
鍼の本数などによって
細かく
料金が異なる場合があります。
鍼灸治療は
アニコム損害保険や
アイペット損害保険といった
一部の会社で
保険対象となっていますが、
条件として
病気やケガの治療を
目的とするものに限ります。
治療内容や
診療施設によって
料金に大きな差がありますので、
まず
動物病院に
ご相談されるとよいでしょう。
また、
鍼灸治療は
予約制となっているところが
多くありますので、
そちらも併せて
お問い合わせください。

犬の鍼灸治療と併用される治療法
鍼灸治療と
既存の治療方法との
相性が悪いということはありません。
実際に
鍼灸と合わせて抗生物質や
循環器の薬を
処方することがありますし、
漢方薬を
併用することもあります。
既存の
西洋医療と東洋医療は
水と油の関係のように
思われることがありますが、
実際は
そうではありません。
それぞれの
長所を際立たせ、
また
短所を補い合うことが
可能です。
一般に鎮痛剤(痛み止め)は
消化器に
負担がかかります。
飲み薬や
注射以外に
鍼灸を用いることによって
鎮痛剤を使う期間を
短縮したり、
用量を
減らすことも期待できます。

犬の鍼灸治療のよくある質問
Q、鍼灸を行う上で副作用はありますか?
A、大きな副作用はありませんが、
施術後に血流が変化することによって
疲労感が出る場合があります。
Q、病気以外の場合、鍼灸は有効ですか?
A、東洋医学では「未病」という、
何となく調子が冴えない状態にも
効果を示します。
ただし、その場合は保険診療対象外となります。
Q、かかりつけの病院と鍼灸治療は併用できますか?
A、原則併用は可能ですが、
主治医の先生の方針や考え方もありますので、
かかりつけの先生に
ご相談されるのがよいと思います。
Q、鍼灸治療は、症状が改善しても続けるべきなのでしょうか?
A、椎間板ヘルニアの治療で改善した後、
鍼灸治療を継続した例と
そうでない例とでは
再発率に差が生じた例がありました。
養生の意味を含めて健康維持のために
鍼灸を活用していただくとよいと思います。

まとめ
犬の鍼灸は病気の治療だけでなく健康維持にも
犬の鍼灸治療は
一般の方にとって
まだまだわからないことが多く
不安に感じることが
あるかと思います。
また、
東洋医療に
比較的よくみられるケースですが、
施術者によって
その内容が
大きく異なりますので、
金額や治療期間に
開きが生じてしまいがちです。
ただ、
鍼灸治療の効果は
人間や
大動物に行った歴史を含めると
非常に長く、
実績に基づいた
治療であるといえます。
不調に対する
治療だけでなく、
健康維持や
病気になる前の対策として、
あるいは
現在治療中の病気や
ケガの補助として、
鍼灸治療の可能性は
まだまだ大きなものを
秘めているのではないでしょうか。
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