犬のアレルギー!症状や原因って?

公開日:2024/07/31 / 最終更新日:2025/02/05
犬のアレルギーって?
アレルギーとは
本来ウイルスや細菌、
がん細胞などを排除する
免疫反応が、
花粉、ほこり、ハウスダスト
あるいは
食事など通常無害な物に対して
過剰反応を起こし、
体に有害な炎症反応を
引き起こすことを言います。
このアレルギーの原因となるものを
「アレルゲン」と呼び、
代表的な病気としては
アトピー性皮膚炎、
食物アレルギー、
花粉症などがあります。

アレルギーになりやすい犬種・年代
アレルギー性皮膚炎の発症には
遺伝的要因が
関係していると考えられています。
好発犬種には
- 柴犬
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- シーズー
- ゴールデンレトリーバー
- ヨークシャーテリア
- ビーグル
- ラブラドールレトリーバー
- シェルティ(シェットランドシープドッグ)
- マルチーズ
などが挙げられます。
発症年齢は
比較的若齢期で、
約70%が
3歳以下、
約85%が
5歳以下と言われています。

犬のアレルギーの原因、アレルゲン
犬のアレルギー性皮膚炎には、
- 「ノミアレルギー性皮膚炎」
- 「食物有害反応(食物アレルギー)」
- 「犬アトピー性皮膚炎」
があります。
これらはアレルゲン
(痒みの原因になる異物)によって
病名が変わります。
ノミアレルギー
ノミアレルギーは、
ノミの唾液に対して
過敏反応を起こすため、
1匹にでも刺されると
異常な痒みを
引き起こすことがあります。
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食物アレルギー
食物アレルギーは、
どんな食材であっても
過敏反応を引き起こす
可能性はありますが、
主に
タンパク質に対して
反応が起きやすいと
言われています。
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アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、
よく耳にす
る病気だと思いますが、
これは
ハウスダストやホコリ、
花粉など
空気中に含まれる
環境アレルゲンに対して
過敏反応を起こす
皮膚炎のことを言います。
以上のように
アレルゲンと言って
もさまざまな種類があります。
さまざまな要因があるため、
アレルゲンの特定していく事は
非常に難しく、
時間と根気が必要です。

犬のアレルギー性皮膚炎の症状
アレルギー性皮膚炎の症状は
主に
痒みです。
逆に言うと
痒みのないアレルギー性皮膚炎は
ありません。
好発部位は目の周り、
口の周り、耳、脇の下、
内股、肛門の周り、
手足の先が
主に痒くなります。
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例外として
ノミアレルギーは
背中や尻尾を中心に
痒くなることが多いです。
掻く行動によって
引っ掻き傷ができたり、
湿疹が出てきたりすることは
あります。
また、
慢性的になると
苔癬化(たいせんか)と言って
皮膚が分厚くなったり、
色素沈着と言って
皮膚が黒くなってきたりします。
アレルギー性皮膚炎は
まずは痒みから始まりますので、
湿疹などがないのに
何となく
掻く頻度が増えてきたら、
それは
アレルギー性皮膚炎の
前兆かもしれません。

犬のアレルギーの検査・診断
痒みを引き起こす皮膚病は
アレルギー性皮膚炎だけでは
ありません。
そのため、
アレルギー性皮膚炎の診断には
除外診断を行っていくことが
重要です。
アレルギー性皮膚炎の
診断手順は
四つあります。
寄生虫
診断手順の一つ目は、
寄生虫疾患の除外です。
ノミ、マダニあるいは
疥癬虫(かいせんちゅう)や
毛包虫(もうほうちゅう)といった
外部寄生虫が
皮膚に寄生していないか
チェックします。
ノミやダニは
皮膚の表面にいるので
視診やノミ取りぐしなどを使って
確認します。
疥癬虫や毛包虫は
皮膚の深い所にいるので、
皮膚掻爬(そうは)検査
(スクレーピング)と言って
皮膚を引っ掻く検査をしたり、
被毛を抜く検査を
行ったりします。
ノミダニ予防を
しているのも
重要なポイントですし、
さらには
どのような種類の
予防薬を使っているのも
大事になってきます。
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感染性疾患
診断手順の二つ目は、
感染性疾患の除外です。
これは主に
細菌であるブドウ球菌や
カビであるマラセチアに
感染していないかを
チェックします。
検査は
皮膚押捺(おうなつ)検査といって、
セロハンテープなどを使用して
皮膚の表面を
スタンプします。
染色液で染めて
顕微鏡で見ると
ブドウ球菌やマラセチアの存在が
確認できます。
もし、
ここまで検査して
寄生虫や病原菌が存在しないのに
痒みがある場合は、
アレルギー性皮膚炎の
可能性が高くなります。
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食事アレルギー
そして三つ目に
除外する項目が食事です。
食事アレルギーであるかどうかを
診断するためには
除去食試験というものを行います。
どのような試験かというと、
低アレルゲンフードと水だけを
2カ月間与え、
終了時に
痒みの評価を
行うというものです。
低アレルゲンフードには
2種類あり、
一つは
新奇タンパク食で、
今までに食べたことのない
食材を使用したフード。
もう一つは
アミノ酸食で、
加水分解という
特殊な処理を行い
タンパク質の分子量を
小さくしたフードが
療法食としてあります。
以上
三つの除外を行っても
まだ痒みが残っている場合は、
アトピー性皮膚炎の可能性が
高くなります。
アトピー性皮膚炎の
ガイドラインによる診断基準では、
- 3歳以下で発症
- 室内飼育
- グルココルチコイド製剤(ステロイド)に反応する痒み
- 慢性・再発性のマラセチア感染症
- 前肢に症状がある
- 耳介外側に症状がある
- 耳介辺縁に症状がない
- 背部や腰部に症状がない
以上8項目で
五つ基準を満たした場合は
犬アトピー性皮膚炎の
可能性が高いとされます。
以上のように、
アレルギー性皮膚炎の診断には
時間と手間がかかります。
焦らずに
じっくりと
皮膚の状態を見ていくことが、
正確な診断への近道です。
なお、
アレルギー検査
(アレルゲン特異的IgE検査)
というものがありますが、
この検査は
アレルギー性皮膚炎を
診断するものではなく、
アレルゲンが何であるかを
推測するための検査と
認識する必要があります。
そのため、
アレルギー検査で
陽性の食材全てが
食べられないと
考えるべきではありません。
愛犬の健康のためにも
きちんと何が
食べられないのかを
試験して選んであげましょう。
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犬のアレルギーの治療法・薬の種類
アレルギー性皮膚炎の治療は
多方向からのアプローチが
重要になり、
重要なポイントは
四つあります。
痒みのコントロール
治療の一つ目は、
痒みのコントロールです。
アレルギー性皮膚炎の症状は
痒みですので、
とにかく痒みから
解放してあげることが
重要です。
ワンちゃんは
痒みを感じると当然、
引っ掻きます。
これが炎症反応を引き起こし
さらに痒みを悪化させます。
いったん痒みが生じると、
このような
痒みサイクルが
動き出してしまうのです。
痒みを抑える治療法として、
飲み薬と塗り薬があり、
時には
組み合わせて使用します。
現在痒みを抑える飲み薬は、
- 抗ヒスタミン剤
- 糖質コルチコイド製剤(ステロイド剤)
- シクロスポリン(免疫抑制剤)
- オクラシチニブ(抗掻痒剤)
があります。
塗り薬には
ステロイド系外用剤
(スプレー、ローション、クリーム、軟膏)や
タクロリムス軟膏があります。
これらのお薬は
長期的に使用していく事も
多いので、
効果効能や副作用を
しっかり把握しながら
使用していくことが
重要です。
インターフェロン療法や
減感作療法といっ
た体質改善が
期待できる免疫療法もあります。
二次感染の対策
治療の二つ目は、
二次感染対策です。
アレルギー性皮膚炎の症例は
皮膚のバリア機能が
弱いと言われています。
これにより
皮膚に常在している
ブドウ球菌やマラセチアが
増殖してしまうケースも
少なくありません。
二次感染が起こると
痒みの悪化を招きますので、
シャンプー療法や消毒剤、
場合によっては
抗生物質や
抗真菌剤を投与します。
また、
皮膚のバリア機能を
強化するために
日常的な保湿による
スキンケアも大切です。
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生活環境の改善
治療の三つ目は
生活環境の改善です。
ノミ・ダニの予防はもちろんのこと、
散歩コースの見直しなども
必要になってくるかもしれません。
ハウスダストマイトや
花粉のアレルギーを持っているなら、
空気清浄機を設置することも
アレルゲンを減らす
助けになります。
現在は、
ハウスダストマイトを中和する
スプレーなどもあります。
生活環境を見直すことで、
大切なワンちゃんたちを
少しでも
アレルゲンから遠ざけることが
できるかもしれません。
栄養管理
治療の四つ目は
食事を含む栄養管理です。
人でも不摂生すれば
肌荒れなどするように、
適切な食生活は
皮膚の健康を守るのに
非常に重要です。
アレルギー性皮膚炎に
効果があると言われている
オメガ脂肪酸や、
抗酸化作用のある
ビタミンCやEなどが含まれていると
なお良いでしょう。
以上のように、
アレルギー性皮膚炎の治療は
多方面から
考えていくことが大切です。
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犬のアレルギーの対策・予防法
アレルギー性皮膚炎は
遺伝的な背景がありますので、
発症を予防することは
できません。
しかし、
病気を理解することで
対策することはできます。
例えば、
- 「ノミダニ予防をする」
- 「定期的なシャンプーでスキンケアをする」
- 「添加物の入ったおやつを与えない」
といったことが重要です。
アレルギー性皮膚炎は
季節や天候によっても
症状が左右されることも多いです。
毎日皮膚の状態を観察し、
悪化する前に対策していきましょう。

まとめ
愛犬のアレルギーはそれぞれに合った治療法を
アレルギー性皮膚炎は、
人でも完治することはできない
病気ですので、
生涯に渡って
治療が続いていきます。
ワンちゃんたちは
自分でケアする事ができないため、
飼い主さんが
ケアしてあげるしかないのです。
そのためには
病気のことや
治療方法のことを
しっかり理解していくことが
大切です。
ワンちゃんの性格や
生活している環境、
飼い主さんのライフスタイルは
さまざまですので、
治療方法も
状況に合わていくことが大事です。
獣医さんとよく相談し、
ワンちゃんも飼い主さんも
快適に生活できるように
オーダーメイドの治療法を
見つけていくと良いでしょう。

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