犬がうれしょんをするのはなんで?
公開日:2021/10/15 / 最終更新日:2023/05/30
犬のうれしょんとは
うれしょんとは、犬のテンションが上がったり、
興奮状態になった際、
あるいは、人や他の犬から威圧感を感じた際に、
おしっこを漏らしてしまうことをいいます。
決して「うれしくて排泄している」
わけではありませんので、
うれしょんという表現は
正しくはありませんが、
一般的に「うれしょん」と
呼ばれることが多いため、
「うれしょん」と表記します。
家族が帰ってきたとき、
知らない人に出会ったとき等、
一定のタイミングで
排泄している場合は、
病気の可能性は低いといえますが、
隠れた泌尿器系の疾患がある場合もありますので、
注意しましょう。
犬がうれしょんをする理由
劣位行動の一つ
うれしょんと呼ばれる状態は
- 「家族」
- 「他人」
- 「他の犬」
などとの接触の際に、
犬がおしっこを排泄する
状態を指します。
もともと、そうした他の
個体との接触の際に排泄するのは、
相手への服従心の表れです。
犬やオオカミの群れでは、
狩りから戻った大人の個体に対し、
子どもが大人の口の周りをなめて
胃の中の食べ物の
はき戻しをねだる行動が見られます。
その際に、口の周りをなめるだけでなく、
おなかをみせて
降参のポーズをとったりもします。
口の周りをなめる行動や、
降参のポーズは、
劣位行動といって、
優位な個体(例えば大人の個体)に対して
- 「取り入ろう」
- 「ねだろう」
という行動です。
うれしょんも、
そうした劣位行動の一つと考えられています。
興奮状態が強ければ、
そうした劣位行動の表現の仕方が
強くなることがあります。
そのため興奮状態では、
よりうれしょんが起こりやすくなります。
恐怖
さまざまな動物に共通しますが、
恐怖によっても
排泄することがあります。
人が苦手な犬が、
人と接したときに、
強い恐怖心から排泄してしまっている場合でも
「やだー、うれしょんしちゃった!」と
周りがその恐怖に
気づいてあげらないこともあります。
劣位行動にしろ、
恐怖性の失禁にしろ、
おしっこを漏らすということは、
リラックスした、
穏やかな関係ではないことを表しています。
うれしょんしている状態は、
犬にとってあまり良い状態ではないと
考えた方が良いでしょう。
犬のうれしょんが起こりやすい状況
飼い主が帰って来たとき
飼い主が帰ってきたことによる
興奮状態のなかで、
飼い主が
犬に覆いかぶさるように撫でる際に
発生することがよくあります。
犬と人では
サイズがかなり違うため、
覆いかぶさるように撫でることは、
圧迫感を生じさせます。
また、留守番中に
おしっこをしていなくて、
膀胱に尿がたまっていると、
より排泄しやすくなります。
そうした経験を繰り返すうちに、
飼い主の帰宅と排泄を関連づけ、
飼い主の帰宅時に
うれしょんが多く起こるようになります。
お客さんが遊びに来たとき
来客に対して、
リラックスしていられず、
強く興奮してしまう犬では
良く起こります。
特に興奮しつつ、
知らない人への警戒心がある場合、
来客が手を出した際に
うれしょんが発生することがよくあります。
他人に対して
うれしょんをしている場合、
他人との接触に
自信がない場合が多くあるため、
来客を呼ぶ際は、
直接触れ合わせるのではなく、
ケージに入れて置いたり、
リードをつけて管理する方が
良いでしょう。
いきなり撫でてもらうのではなく、
おやつを与えるなど、
犬が受け入れられるように
対応しましょう。
外で好きな人と会ったとき
うれしょんは、家の中だけ、
家族にのみ起きるわけではありません。
散歩中に
知らない人に会った時に興奮して、
おしっこが漏れることもあります。
犬は知らない人でも、
自分から
近づいていくことがよくありますが、
それは相手のことを好きだからではなく、
相手に取り入るため、
相手から危害を受けないために
やっている場合もあるため
「知らない人に近づく=知らない人が好き」
とは思わないほうが良いでしょう。
特にうれしょんをしている場合は、
何らかの警戒心があり、
他人に対する不安感を抱いている
可能性を考慮に入れましょう。
犬がうれしょんをしやすい時期
うれしょんは、
精神的にも肉体的にも
成長途中である
子犬の時期に多く起こります。
成犬になるにつれて
自然と起こらなくなるケースが多いです。
ただし、服従心の強い犬は、
成犬になっても
うれしょんをすることもあります。
うれしょんをしやすい犬種
うれしょんを引き起こしやすい犬種は、
チワワやミニチュアシュナウザーのような
小型犬が多いといわれています。
その理由は、
人の愛玩目的で創り出されたという
歴史と関係していると考えられています。
犬はオオカミから進化しましたが、
柴犬やシベリアンハスキー等は、
オオカミと遺伝的に近く
「チワワ」「ポメラニアン」
「トイプードル」「シュナウザー」などの、
日本で人気の小型犬や超小型犬は、
オオカミから遺伝的に離れています。
そうした犬種は幼形のまま成熟し、
いつまでも子犬のような
あどけない行動を示す傾向があります。
小型犬が
うれしょんをしやすいのは、
そうした育種の過程で
極端に小型化され、
成犬となっても
「完全な大人」になり切れないということが
大きく影響しているといえます。
「うれしょん」と「おしっこの失敗」との違い
犬の中には、うれしょんの量が多くて
「トイレのしつけの失敗?」と
懸念される飼い主さんもいますが、
うれしょんとおしっこの失敗を区別して、
判断を間違えないように
しないといけません。
おしっこを失敗するときは、
多くの犬は周りのにおいを嗅ぎ、
おしっこをする前の準備行動をとります。
しかしうれしょんの場合には、
興奮や
相手からの圧迫感がきっかけとなるため、
排泄の際に起こる
準備行動はありません。
そのため、
トイレトレーニングをしている時期に
うれしょんをした場合、
状況を見誤らないようにしましょう。
当然、トイレのしつけも、うれしょんも
叱るのは厳禁です。
犬のうれしょんは病気?
子犬の排泄の問題では、
うれしょんだと思っていたら、
先天的な泌尿器の奇形があったという
場合もあります。
うれしょんであれば、
犬を興奮させたり、
犬に圧迫感を与えないような
対応を行えば、
成長と共に頻度は減っていきます。
しかし、そうならない場合、
獣医師に相談し、
身体の病気が関連していないか、
調べるようにしましょう。
犬のうれしょんの治し方
興奮を加速させない
帰宅後すぐに愛犬に触ると、
興奮が高い状態で、
圧迫感のある触り方をすることになり、
うれしょんが引き起こされます。
帰宅した時は、
触るのではなく、
オスワリを指示して
フードを与えるなど、
愛犬を落ち着かせてから、
冷静に接することで、
うれしょんを防ぐことができます。
撫で方を考える
興奮のボルテージを上げない
一つの方法としては、
撫で方を見直すということです。
激しく、ワシャワシャ
顔回りを撫でるというのは
犬を興奮させる方法です。
そういった方法だと、
犬を興奮させ、
うれしょんを起こしやすくなります。
帰宅時に撫でるのではなく
「おすわり」や「待て」などを指示して、
一旦愛犬の興奮を抑えてから、
フードを与えて
褒めるようにしましょう。
この場合も、
興奮を加速させないように、
穏やかに褒めることをオススメします。
まとめ
- うれしょんは、興奮した際や、
相手の関係で圧迫感を感じたときに起こりやすい - 精神的にも肉体的にも未発達な子犬期に見られることが多い
- 愛犬を興奮させるのではなく、
落ち着かせながら関わるとうれしょんを防げる
うれしょんは、
幼い頃の一過性であることが多いです。
そのため、
うれしょんも楽しめるくらい
寛大な気持ちで、愛情を持って
愛犬と向き合うことで、
飼い主さんにとっても
良い思い出となることでしょう。
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