生肉ベースのペットフード!細菌にご用心!

公開日:2024/12/06 / 最終更新日:2025/03/01
近年、
犬や猫などのペットに
生肉を与えることが
健康に良いと
一部の飼い主さんの間で
ムーブメントになっています。
英語では
「Raw Meat Based Diets(RMBDs)」
などと呼ばれています。
生肉ベースのフードは
牛、豚、家禽(鶏など)、馬、
狩猟対象動物、魚の肉、脂肪、内臓、
軟骨、骨など、
動物由来の原料を
加工しない
あるいは
加工を控えたフードのことです。

カンピロバクター、サルモネラ、エルシニアとは
もしかしたら
皆さんの中には
食中毒のニュースなどで
- 「カンピロバクター症」
- 「サルモネラ症」
- 「エルシニア症」
などの名前を
聞いたことがある方が
いらっしゃるかもしれません。
人に胃腸炎を中心とした症状を
起こす菌として
有名ですが、
実は
生の鶏肉や豚肉の表面に
存在していることがあります。
よく
「肉を食べる時はよく火を通して」と
言われるのは、
これら食中毒の原因になる菌を
やっつけましょう
ということなのですね。
さらに、
「カンピロバクター」と言っても
実は
1種類の細菌を指すのではなく、
いろいろな種類があります。
例えば
人に胃腸炎を起こす
原因として有名な
「カンピロバクター・ジェジュニ」や
「カンピロバクター・コリ」という
菌種がいます。
犬や猫によく存在し、
人に対し
あまり悪さをしないと言われている
「カンピロバクター・ウプサリエンシス」という
菌種もいます。
ヘルシンキ大学の研究では、
まず
大きな仲間として
カンピロバクター属の菌が
いるかどうかの検査をし、
当てはまったものに関して
人に病原性がある
「ジェジュニ」や「コリ」について
追加検査をしています。

生肉ベースのフードで多かった原料は?
生肉ベースのフードの原料として
多く使用されていたのは
- 牛肉(43%)
- 鶏などの家禽の肉(41%)
- 豚肉(27%)
でした。
88製品のうち、
21製品は
1種類以上の肉を
使用していました。
どの部分が使用されたかは
記載がありませんでした。
カンピロバクターやサルモネラ、
エルシニアなどの
胃腸炎を起こすことが多い細菌は、
12の製造元から作られた
28%の製品で検出されました。
検出された最近の中で
最も多く見られたのが
カンピロバクター属の
細菌でしたが、
人の食中毒で有名な
カンピロバクター・ジェジュニや
カンピロバクター・コリなどは
検出されませんでした。
生きている細菌がいるかどうか
検査する
培養検査では、
全ての製品が陰性でした。
これは
冷凍という厳しい条件に
一定期間さらされたためであると
考えられます。

生肉ベースのフードから検出された菌はどれくらい?
細菌の遺伝子検査は
生肉ベースのフードを与えられていた
犬29匹の糞便と、
ドライフードを与えられていた
21匹の犬の糞便で
行われました。
どの犬たちも
下痢などの症状はありませんでしたが、
生肉ベースのフードを与えられていた
犬の55%、
ドライフードを与えられていた
犬の33%から
カンピロバクター属の菌が
検出されました。
統計学的には
「どちらの群でも検出率に違いはない」
ということですが、
カンピロバクターの多くは
犬や猫で一般的で、
人に対して病原性は低いと
考えられている
カンピロバクター・ウプサリエンシスでしたが、
生肉ベースのフードを与えられていた
犬2匹(6.8%)でのみ
人に
病原性のあることが知られている
カンピロバクター・ジェジュニが
検出されました。
また
生肉ベースのフードを
与えられていた犬では
サルモネラと
エルシニア・エンテロコリティカが
検出されました。
カンピロバクターは
犬と猫両方で
下痢などを出さずに
存在すると考えられますが、
人に対して
病原性のある
カンピロバクター・ジェジュニは
生肉ベースのフードを
与えられている犬のみで
みられたので、
それが原因だった
可能性があります。
猫では
生肉ベースのフードを
与えられていた
完全室内飼いの猫2匹から採取した
75サンプルの便について
遺伝子検査が実施され、
両方の猫で
90%以上
カンピロバクター・ヘルベティカという
猫の腸からよく分離される菌で、
人に病原性は低いと言われている
種類のものが検出されました。
エルシニア・エンテロコリティカは
同じ猫から
2回だけ検出されました。
サルモネラは
2頭の猫から1回ずつ、
同じ日に検出されています。
エルシニア・エンテロコリティカは
人では
生の豚肉が感染源になることから、
生肉ベースのフードが
感染源となったのではないかと
考えられます。
1回だけ検出された
サルモネラも
同じ日に
2匹から検出されていたので、
サルモネラが付いた
生肉ベースのフードを食べたことで
検出されたと思われます。
細菌検出率には国による差も。
原料の生産国にも注意
フィンランドの小売店での
鶏肉を調査したところ、
カンピロバクター属や
サルモネラの検出率が
カナダやアメリカよりも
低かったという報告があります。
理由の一つに、
フィンランドの農場では
サルモネラを持っている動物が
1%未満と
非常に低いためではないかと
考えられます。

まとめ
飼い主さんは保管方法と糞便の片付けに注意
生肉ベースの
フードを与えられている犬と
そうでない犬に比べて、
カンピロバクター属の検出率に
統計的な差はないという
結果でしたが、
人に胃腸炎などの食中毒を起こす
病原性のある細菌として知られる
カンピロバクター・ジェジュニが、
少ないとはいえ
生肉ベースのフードから
検出されました。
これは
人が
生肉ベースのフードを与える過程で
触るなどして
感染源となる可能性があります。
実際に
そういった報告はまだありませんが、
生肉ベースのフードでは
「病原性のある菌がついている可能性がある」
ということですので、
与える時は
直前まで冷凍するなど
気を付けて扱いましょう。
複数の製品や動物で
対象の菌の仲間たちが検出されましたが、
症状を出していた動物は
いなかったことから、
「検出される=必ず症状を出すもの」ではなく、
また
必ず同じ空間で過ごしている人に
移るものではありません。
動物やフード、
糞便の片付けをしたあとは
手洗いをするなど
一般的なことに気を付けていれば、
十分予防できるでしょう。
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