狂犬病予防接種っていつから?
公開日:2023/03/06 / 最終更新日:2023/05/27
狂犬病とは
狂犬病は
狂犬病ウイルスを病原体とする
感染症で、
犬だけでなく
すべての哺乳類が感染する
人獣共通感染症です。
発症すると
水を恐れるようになる
症状が出ることから
「恐水病」と呼ばれることもあります。
日本では1957年以降、
人への感染が
報告されていないことから
狂犬病の「清浄国」となっていますが、
世界中では
毎年約6万人の死者が出ています。
狂犬病予防接種は飼い主の義務
日本では
清浄国を維持するため、
狂犬病予防法によって年1回、
4月~6月の間に
狂犬病の予防接種をすることが
義務付けられています。
狂犬病予防接種のお知らせや
申請書は
「畜犬登録」に基づいて送られます。
畜犬登録と鑑札
畜犬登録は
飼い主の義務です。
狂犬病予防接種のお知らせが
届いていない方は、
必ず登録するようにしてください。
登録には3000円かかりますが、
生涯に1度です。
登録すると
「鑑札」と呼ばれるプレートが発行され、
必ず常時
装着しなければなりません。
引っ越した場合は
住所変更の手続きが必要です。
注射済票
もう一つ忘れてはいけないのが
「済票(注射済票)」という
狂犬病予防注射を接種した証として
首輪につける札です。
ドッグランや
宿泊施設などでは、
この済票や鑑札が必須の場所が
多くあります。
必ず交付してもらいましょう。
地域ごと
に狂犬病予防週間(集合注射)が
決められており、
その期間に
決められた会場もしくは
対応する病院で接種すれば、
その場で済票を
受け取ることができます。
畜犬登録と違って、
注射済票は
毎年更新する必要があります。
期間外に接種した場合は、
病院から発行される
狂犬病ワクチンの
接種証明書を持って、
保健所など
所定の窓口で申請すれば、
済票を発行してもらえます。
畜犬登録と同時に
手続きすることもできます。
狂犬病予防接種の時期
狂犬病の予防接種は、
原則として年1回、
4月~6月の間に
受けなければいけません。
ただし、
体調が悪かったり
病気の治療中だったりして、
獣医師が
狂犬病予防注射の接種が
望ましくない状態だと判断したときは
「予防注射猶予証明書」というものが
発行されます。
予防注射猶予証明書は、
あくまで「本日は接種をおすすめできない」
という診断書のため、
状態が改善され次第、
接種時期を過ぎたとしても
獣医師と相談の上で
接種するようにしてください。
「今年は打たなくていい」という
証明書ではありません。
狂犬病予防接種の費用
注射の費用は
各都道府県によって
定められていますので、
お住まいの地域で確認してください。
例えば
東京都目黒区では、
狂犬病予防週間の期間内に
対応病院で接種した場合は
3100円(非課税)で、
済票の発行手数料は
550円(非課税)です。
期間外の注射料金は
病院によって
自由に設定することができます。
よくある質問
予防接種にリスクはある?
狂犬病の予防接種は、
ワクチンアレルギーを起こす
可能性があります。
帰宅してから
アレルギー反応で、
顔がパンパンに腫れたり(ムーンフェイス)、
下痢や嘔吐、
発熱などの症状が出ることもあります。
これらの症状は基本的に
命に関わることはありませんので、
慌てずに
接種した病院に相談してください。
時には
アナフィラキシーショックといって
命に係わる症状を
引き起こすこともありますが、
非常にまれです。
アナフィラキシーショックは
接種後
直ちに起こりますので、
院内で異常が認められて
適切な処置を施せば
最悪の事態は
免れることができます。
症状が夜中に起きないよう、
午前中の接種を
おすすめしています。
接種後の散歩は?
当日は
長距離の散歩や激しい運動、
遊びは控えてください。
基本的には
接種した獣医師の
指示に従ってください。
狂犬病の予防接種を忘れたら?
狂犬病予防週間を過ぎても
動物病院で
1年中接種は可能です。
気付いたらすぐに接種し、
済票の発行を済ませてください。
前回の接種から
1年経っていなくとも、
次回の接種は可能です。
毎年同じ時期に
打つ必要はありませんが、
忘れることがないよう、
狂犬病予防週間に打つようにしましょう。
狂犬病予防接種はどこで受ける?
<集団接種>
各市区町村が実施している
集団接種で受けることができます
(実施していない自治体もあります)。
集団接種は
平日に行われることが多く、
ほかの犬がいる中で
受けることになります。
<動物病院>
動物病院でも受けることができます。
料金自体は
予防週間の期間内であれば
変わりませんが、
動物病院の場合は
初診料などがかかる場合があります。
飼い主さんが
平日は難しいという場合や、
犬見知り・怖がりの犬の場合は
動物病院がおすすめです
(ただし期間中の動物病院は非常に混雑します)。
まとめ
- 狂犬病はすべての哺乳類が感染する
人獣共通感染症です - 毎年4月~6月の間に狂犬病予防接種が
義務付けられています - 接種時期を過ぎたとしても
獣医師と相談の上で接種が可能です
狂犬病はすべての哺乳類に感染し、
発症した場合は
ほぼ100%助かりません。
幸い日本は
島国の清浄国なので、
今のところ
発生のリスクは低いですが、
グローバル化で
ヒト・モノの行き来が進む中、
狂犬病の汚染リスクも
年々上がっていると思います。
法律を守り、
全員で日本を守るという意識を
大切にしてほしいと思います。
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