犬コロナウイルス感染症って?
公開日:2024/10/11 / 最終更新日:2024/10/11
コロナウイルスとは
このウイルスの
名前の由来は、
太陽とそれを取り巻く
散乱光のコロナが
ウイルスの形に似ていることから、
その名前がついたそうです。
コロナウイルスは,
ヒト、マウス、ネコ、
豚などに感染します。
感染後、
各動物で呼吸器疾患、消化器疾患、
肝炎、脳炎など
それぞれ異なる疾患を
引き起こします。
ヒトに感染する
コロナウイルスは、
冬の風邪の原因の1つとされており、
2002年までは
研究報告があまりされていない
ウイルスでした。
しかし、
2002年と2012年に
新型のコロナウイルス、
SARSと
(重症急性呼吸器症候群
Severe Acute Respiratory Syndrome)
MERS
(中東呼吸器症候群
Middle East Respiratory Syndrome)
が発見され、
コロナウイルスは
多くの研究者たちから
研究報告をされるようになりました。
コロナウイルスは、
インフルエンザウイルスのように
変異を起こしやすいウイルスなので、
今後も
新型のウイルスが
発見されるかもしれません。
犬コロナウイルス感染症とは
犬コロナウイルスは、
犬に
嘔吐と下痢を起こすウイルスとして、
1970年代から知られてきました。
遺伝子の違いで、
1型と2型とに分類されます。
1型のウイルスの病原性は
明らかになっていません。
2型のウイルスは、
株間で
病原性に違いがあるとされています。
国内の子犬の下痢の半数以上に
これらのウイルスが
関与していると
考えられています。
また、
全身に感染し、
白血球減少症も起こす
変異株(汎親和性)が、
欧州の一部の国でみつかり、
報告されています。
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さらに、
呼吸器で感染を起こす
犬呼吸器コロナウイルスも
(CRCoV:canine respiratory coronavirus)
報告されています。
このウイルスは、
ケンネルコフの病原因子の
1つと考えられており、
世界中でウイルスの存在が
報告されており、
国内でも報告がされています。
犬の
コロナウイルスには、
いくつかのタイプがあります。
そして、
ヒトのウイルスと同様に、
今後も
新しいタイプのウイルスが
発見されるかもしれません。
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犬コロナウイルス感染症の症状
年齢や犬種に関係なく
感染し、
基本的に
消化器症状を引き起こします。
食欲不振、嘔吐、
水溶性の下痢、脱水等がみられ、
多くの場合は
数日~1週間くらい(短期間)で
回復しますが、
症状が長期間(1カ月くらい)
持続することや
再発することもあります。
特に子犬の場合は、
重症化したり、
まれに
死亡したりすることもあります。
犬パルボウイルス2型、犬アデノウイルス1型、
犬ジステンパーウイルス、内部寄生虫等との
混合感染で
死亡する確率が高くなります。
混合感染の場合、
血液を含む下痢便や発熱、
血液検査の
異常値がみられることがあります。
子犬以外の場合、
免疫不全や
腸炎を発症している
成犬や老犬などの
一部の例を除いては、
ほとんどが
軽症ですみます。
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犬コロナウイルス感染症の原因・感染について
イヌ科動物に感染し、
猫にも感染します。
人には感染しません。
潜伏期は5日以内です。
主な感染経路は、
口から感染する経口感染ですが、
経鼻感染もします。
つまり、
感染犬が排泄した
糞便中のウイルスや、
排泄物によって汚染された
食器などを介して、
犬から犬へと
感染が広がっていきます。
感染力の強いウイルスなので、
多頭飼いしている場合、
短期間で
感染が広がることがあります。
犬コロナウイルスの
糞便中への排泄は、
約1カ月くらい
継続することもあります。
ウイルスは、
環境中で早期に失活し、
界面活性剤や熱などによって
不活化します。
環境の整備や掃除、
消毒を行い、
他の犬に
感染させないようにしましょう。
犬コロナウイルス感染症の検査・診断方法
この感染症は、
症状だけから判断したり、
動物病院内の検査機器で
判断したりすることは
難しいです。
そのため、
外部の検査機関に
検査してもらうため、
診断できるまでに
時間がかかります。
検査方法は、
糞便中の
遺伝子を検出する検査や
血液中の
抗体の値を測定する方法を
用います。
犬コロナウイルス感染症の治療方法
ウイルスの
特効薬はありません。
したがって、
下痢、嘔吐、脱水などに対する
対症療法になります。
(輸液療法、制吐薬、栄養剤など)
また、
広域に効く
抗生物質を投与することもあります。
3カ月齢以内の子犬の場合は、
重症化したり、
死亡することがあるため、
動物病院での診察が
必要になります。
子犬の場合、
嘔吐や下痢をするたびに
体温が奪われます。
また、
吐瀉物や下痢便が
身体に付着し濡れれば、
体温は低下します。
なるべく、
感染初期に
診察してもらいましょう。
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犬コロナウイルス感染症の予後
一般的に、
食欲不振、嘔吐、水溶性の下痢、
脱水等がみられ、
多くの場合は
数日~1週間くらい(短期間)で
回復します。
しかし、
症状が長期間(1カ月くらい)持続することや
再発することもあります。
混合感染の場合、
その病原体の引き起こす
症状によっては、
後遺症も
起こるかもしれません。
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犬コロナウイルス感染症の予防
国内では、
不活化ワクチンを含む
混合ワクチンが
販売されています。
年齢や犬種に関係なく
感染しますので、
毎年、ワクチンを注射し、
予防しましょう。
多頭飼育で、
コロナウイルスの感染が
疑われる犬がいる場合は、
環境を整備しましょう。
ウイルスは、
環境中で早期に失活し、
界面活性剤や熱などによって
不活化します。
特に
子犬がいる場合は、
これらの予防対策に加え、
母犬と子犬を一緒にし、
別の犬から
隔離するのも
予防の1つです。
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犬コロナウイルス感染症に良い食事
臨床症状に嘔吐があれば、
しっかりと
ご飯をとることができません。
嘔吐がなくなり、
回復期になったら、
高栄養食、
消化の良いフードなどで
少量の食餌から開始し、
徐々に食餌を
いつも通りのものに
戻していくといいでしょう。
まとめ
犬コロナウイルス感染症は適切なワクチン接種を
犬コロナウイルス感染症は、
特効薬がなく、
子犬が発症すれば、
死亡することもある
恐ろしい伝染病です。
成犬でも、
ウイルスを
排泄することがあります。
感染力があるので、
多頭飼いの場合は
注意が必要です。
国内には、
この病気のワクチンが
販売されています。
適切なワクチン接種を
毎年行い、
愛犬が免疫力を
維持できるように
してあげましょう。
この病気だけでなく、
他の病気も含めて、
病気を理解し、
予防できる病気は
予防しておきましょう。
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