犬もインフルエンザになるの?人からうつる可能性って?
公開日:2024/11/18 / 最終更新日:2024/11/18
犬だけでなく動物もインフルエンザにかかる
産業動物への感染
インフルエンザは
ヒトだけでなく、
馬や豚、
鳥などの動物にもみられる
感染症です。
鳥や豚などの
多頭飼育されている
産業動物に感染すると
経済的被害が生じ、
ときどきニュースで
報じられることがあるかと思います。
飼育動物への感染
犬のインフルエンザの
流行の話を
あまり聞くことはありませんが、
実際に
犬のインフルエンザの流行は
起きており、
多くの犬が集まる
ドッグレース場での
集団感染例も報告されています。
犬や猫といった
飼育動物での
インフルエンザの流行は、
環境によって左右されます。
犬のインフルエンザ感染に耳馴染みがない理由
現在、
犬は家庭で個別に
飼養されていることが多く、
集団で生活していることは
多くはありません。
そのため
犬から犬へ
次々と伝播する機会が少なく、
この病気の流行の話を
あまり聞かないのでしょう。
しかし、
条件がそろえば、
国内でも
この病気が流行する
可能性が十分あります。
万が一、
国内で流行した場合、
現在は
予防のための
犬用ワクチンがありません。
このような状況下では
多くの犬が
発症する恐れがあり、
最悪の場合、
死亡することもあります。
犬のインフルエンザの型(種類)
インフルエンザウイルスには
- 「A型」
- 「B型」
- 「C型」
- 「D型」
があります。
A型
犬のインフルエンザウイルスは
A型に含まれ、
犬だけでなく、
ヒトや鳥、
豚などの動物も感染します。
A型のインフルエンザウイルスは
変化しやすく、
流行を何度も
繰り返してきています。
ヒトのインフルエンザは、
毎年世界中で
流行がみられますが、
犬の場合は
アジア地域を含む
一部の地域でときどき、
発生していることが
確認されています。
B型・C型
B型とC型は
一般的に
ヒトだけが感染します。
D型
D型は
家畜の牛で
呼吸器症状を示すといわれています。
犬のインフルエンザの歴史
H3N8ウイルスが始まり
初めて
犬のインフルエンザの発生が
報告されたのは米国(2004年1月)の
ドッグレース場での
集団発生例でした。
このときのウイルスは、
馬インフルエンザに
最も類似した「H3N8ウイルス」と
呼ばれるものです。
22匹のグレーハウンドが
呼吸器症状を示し、
14匹が回復しましたが、
残りの8匹が
死亡しました。
その後、
H3N8ウイルスは
米国において
グレーハウンドではない家庭犬でも
数十例の発生が
報告されています。
H3N2ウイルスの流行
アジア地域でも
犬のインフルエンザの発生や
流行がありました。
隣国の韓国では、
2007年に
犬の間での
H3N2ウイルスの流行が
報告がされています。
遺伝子解析の結果、
このウイルスは
ヒトではなく、
鳥由来のウイルスであることが
判明しています。
このウイルスは
中国とタイでも報告されており、
2015年には
米国で
1000匹以上が呼吸器症状を示し、
2018年の初めには
カナダでの発生が
確認されています。
H3N2ウイルス以外にも、
アジアでは
犬からいくつかのインフルエンザウイルスが
確認されていますが、
一般的に
犬のインフルエンザは
流行がみられた「H3N8ウイルス」と
「H3N2ウイルス」の
2種類であると考えられています。
人間のインフルエンザは犬にうつる
国内では
発生がないものの、
飼い主から愛犬へ
インフルエンザが感染する
可能性があると考えられています。
そのため、
飼い主が
インフルエンザにかかったときには、
飼い犬へ伝染しないように
注意する必要があります。
インフルエンザに
かかっていないとしても、
飼い主さんが普段から
帰宅時に十分に手を洗い、
うがいをしてから
管理をすることも
大事なことです。
もちろん、
愛犬が
呼吸器症状を示したときは、
早めに
動物病院へ連れて行きましょう。
犬のインフルエンザの感染経路
犬インフルエンザの潜伏期間は
(H3N8ウイルスとH3N2ウイルス)
2~4日で、
潜伏期間後に発症します。
臨床症状が見られてから
7日間は
ウイルスを排泄することがあり、
さらに、
潜伏期間中にも
ウイルスは
排泄されることがあります。
排泄されたウイルスが
飛沫することや、
ウイルスの付着した唾液や鼻汁に
非感染犬が接触することで、
ウイルスに感染します。
その他、食器や
犬が遊んだおもちゃを介して
ウイルスが
運ばれることも考えられます。
犬のインフルエンザの症状
犬種、年齢に関わらず、
すべての犬が
このウイルスに感受性があり、
感染した犬の80%が
臨床症状を示します。
この
80%という数字は
高い数値であり、
この病気に対する
抗体を持たない犬が多いことから、
このような
高い数値が導き出されています。
症状は軽症型と
重症型に分類され、
幸い発症犬のほとんどが
軽症型の症状を示します。
軽症型
軽症型では
- 「咳」
- 「鼻汁」
- 「くしゃみ」
- 「発熱」
- 「食欲不振」
が認められます。
これらの症状は
ケンネルコフとよく似ており、
インフルエンザと
ケンネルコフの区別は
難しいとされています。
軽症型に
細菌感染を伴った場合には、
膿性鼻汁を
排泄することがあります。
関連記事
犬が咳!原因は!病院にいくべき症状って?
関連記事
犬が鼻水!原因や病気の可能性って?
関連記事
犬がくしゃみ!考えられる原因や病気のリスクって?
関連記事
犬の体温って?平熱や体温の測り方!
関連記事
犬が食欲不振!考えられる原因と病気!
関連記事
犬のケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)!原因や症状って?
重症型
重症型では
「高熱」および「肺炎」の兆候が
認められます。
この肺炎には
インフルエンザウイルスに
起因するものではなく、
二次的に
細菌感染したものも含まれます。
犬のインフルエンザ発症犬が
肺炎を患った場合、
適切な治療をしなければ
死亡率が
50%であるとされ
報告されています。
関連記事
犬の肺炎!症状や、原因、予防法って?
犬のインフルエンザの治療法
抗インフルエンザ薬などの
犬用の
インフルエンザ専門の
治療薬が無いので、
治療法は
対症療法や栄養補給、
補液などを行うことになります。
動物病院で
獣医師に行ってもらいましょう。
また、
細菌感染を伴う場合には、
抗生物質なども
必要になります。
犬のインフルエンザの予防法
犬のインフルエンザは、
日本での発生が
認められておらず、
この病気のワクチン
は国内にはありません。
そのため、
不用な
犬同士の接触を避けることが
予防に繋がります。
発症国では
犬のインフルエンザの流行時に
ドッグランや
ドッグショーなどの
犬の多く集まる場所を避けるように
呼びかけています。
まとめ
犬のインフルエンザ感染症を理解し予防の徹底を
インフルエンザウイルスは
多くの種類の動物に
感染するだけでなく、
変異することにより、
さまざまな国で
病気を引き起こしています。
幸いにも
国内では
犬のインフルエンザが発症した
という報告は無いのですが、
このウイルスがどのように変異し、
国内に侵入してくるのかどうかは
誰にもわかりません。
飼い主さんは、
愛犬が病気にならないよう
予防できる病気は
予防していきましょう。
スポンサーリンク
「犬がお腹を痛がる」カテゴリーの関連記事
「犬がぐったり」カテゴリーの関連記事
「犬がふらつく」カテゴリーの関連記事
「犬が元気ない」カテゴリーの関連記事
「犬が震える」カテゴリーの関連記事
「犬の咳」カテゴリーの関連記事
「犬の腹痛」カテゴリーの関連記事
「犬の貧血」カテゴリーの関連記事