犬の鼠径(そけい)ヘルニア!症状や原因、治療法って?
公開日:2024/04/06 / 最終更新日:2024/04/06
犬の鼠径ヘルニアとは
ヘルニアとは、
体内にあるべき臓器や
脂肪組織が
本来の位置から
脱出してしまった状態を指します。
鼠径部と呼ばれる
足の付け根で起こることを
鼠径ヘルニアと呼びます。
ヘルニアは
脱出した場所によって
以下のように
呼び方が異なります。
- おへそ
臍(さい・へそ)ヘルニア - 肛門
会陰(えいん)ヘルニア - 椎間板
椎間板(ついかんばん)ヘルニア - 横隔膜
食道裂孔(れっこう)ヘルニア - 足の付け根
鼠径(そけい)ヘルニア
大腿(だいたい)ヘルニア
鼠径ヘルニアでは、
鼠径輪と呼ばれる穴から
脂肪や腸などの臓器が
皮膚の下に出てしまいます。
脱出と言っても
本来あるべき場所から
出てしまうということで、
体の外に出てしまうわけでは
ありません。
脱出が起こった穴
(ヘルニア孔)が小さく、
脂肪の脱出だけであれば
無症状で
経過観察になることもあります。
しかし、
穴が大きく腸が脱出して
腸閉塞を起こしたり、
睾丸や膀胱、前立腺、
子宮などの臓器が
脱出したりした場合は
元に戻す手術が必要になります。
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鼠径ヘルニアになりやすい犬種
鼠径ヘルニアは
先天性と後天性があり、
先天性では
若齢のオス犬、
後天性では
ホルモンの影響から
避妊していない
中年齢のメス犬
(特にトイプードル)で
多く見られます。
犬に珍しい病気ではなく、
どの犬種、
年齢でも起こる
可能性があります。
先天性が疑われる犬種として、
- ダックスフンド
- プードル
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ペキニーズコッカースパニエル
- ミニチュアピンシャー
- ウェストハイランドホワイトテリア
などが挙げられます。
犬の鼠径ヘルニアの症状
鼠径ヘルニアでは
足の付け根に触ると
柔らかいしこりができますが、
穴が小さく
脱出したものが
脂肪だけであれば
無症状の場合が少なくありません。
穴が大きく腸や膀胱、
子宮などの臓器が脱出してしまうと
お腹が大きく膨れ上がり、
以下のような症状が見られます。
- 嘔吐
- 下痢
- 便秘
- 痛み
- 出血
- 排尿障害
- 食欲不振
- 歩き方がおかしい・ガニ股歩き
- 元気がない・動こうとしない
- 腹部を触られるのを嫌がる
脱出した臓器は
押すと
元の場所に戻ることもありますが、
「嵌頓(かんとん)ヘルニア」と言って
戻らない場合もあります。
締め付けられた状態が続くと
組織が壊死し、
放置すると
死に至るため
緊急手術が必要です。
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犬の鼠径ヘルニアの原因
原因は先天性と
後天性にわけられます。
先天性は
遺伝が関係していると
考えられていますが
正確な原因はわかっていません。
後天性では、
事故などによって
一時的に腹圧が高まると
穴が大きくなり
臓器が脱出する
可能性があります。
食べ過ぎや、肥満、
妊娠、吠え、興奮による
腹圧の上昇も
穴が拡大する要因になります。
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犬の鼠径ヘルニアの治療
しこりや
鼠径ヘルニアで見られる症状は
リンパ節の腫れや、乳腺炎、
乳腺腫瘍、脂肪腫などでも起こるため、
鼠径ヘルニアが疑われる場合は
触診や超音波(エコー)検査、
CT、MRIなどの
画像診断で状態を確認します。
穴が小さく、
無症状の軽度であれば
経過観察になることもあります。
特に子犬は
成長とともに
穴が自然とふさがって
治ることもありますし、
不妊去勢手術の際に
一緒に閉じてしまうこともあります。
緊急性が高い場合は
開腹して
脱出した臓器を
元の場所に戻して
穴を閉じる手術を行います。
脱出した臓器が
元の場所に戻らない
嵌頓(かんとん)状態で
組織が壊死している場合は
切除し、
壊死していない両端を
つなぎあわせる
吻合(ふんごう)手術を行います。
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まとめ
- 鼠径ヘルニアは足の付け根で起こったヘルニア
- 臓器や脂肪組織が本来の場所から脱出して起こる
- 緊急手術をしないと命に関わるケースも
犬の鼠径ヘルニアは、
先天性もしくは
事故など後天的な要因によって
鼠径部(足の付け根)で
臓器や脂肪組織が
脱出してしまった状態のことで、
犬では珍しくありません。
穴が小さければ
無症状の場合もありますが、
大きな穴から脱出し、
臓器が
壊死ししてしまうと
緊急手術が必要になります。
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