犬の骨肉腫!症状や治療法!予防法って?
公開日:2024/08/09 / 最終更新日:2024/08/09
犬の骨肉腫とは
骨肉腫とは骨を作る細胞
(骨芽細胞という細胞)が
腫瘍化してしまった状態を指します。
骨にできる腫瘍の中でも
一番多く、
骨の腫瘍の
80%以上が骨肉腫です。
また、
他の腫瘍同様に
中齢~高齢のワンちゃん
(6~10歳)に多く発生します。
40Kg以上にワンちゃんで
この腫瘍が
多く見られるようになる
という報告もありますが、
どの種類のわんちゃんにも
発生します(ネコちゃんにも)。
骨肉腫の好発犬種
日本において
骨肉腫が多いのは
ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、
ドーベルマン、ボクサー、
そしてイングリッシュセッターや
アイリッシュセッターなどのセッター系です。
犬の骨肉腫の症状
骨の腫瘍なので、
もちろん
骨から発生するものが多いです。
特に
前肢・後肢での発生が多く、
全体の67%、
頭蓋骨と肋骨等で
28.5%です。
非常にまれですが、
筋肉や内臓
(肝臓、脾臓など)からの発生もあります。
前肢にできた骨肉腫よりも、
後肢にできたものの方が
転移率が多いとも
言われています。
骨にできる悪性腫瘍なので、
歩き方がおかしくなったり、
痛がったりすることが
症状として一番多いです。
また、
骨肉腫の80%は肺転移で
最終的に
亡くなると言われています。
肺転移が起こり時間がたつと
食欲が無くなったり、
元気が無くなったり、
呼吸が荒くなったり
体重が減少します。
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犬の骨肉腫の検査
骨肉腫は
骨にできる腫瘍なので、
レントゲン検査が重要です。
また、
骨肉腫の場合は
高確率で
肺転移を起こしますので、
肺のレントゲン検査も
同時に必要です。
CT検査ができる病院であれば、
より初期の肺転移を
見つけることが可能です。
骨肉腫と診断された時には、
50%のワンちゃんで
すでに肺に転移が認められている
というデータもあります。
レントゲン検査にて
骨の異常がわかった場合、
次に細胞の検査を行います。
これには
2種類の検査があり、
細胞診検査および骨組織検査です。
骨肉腫以外の骨の腫瘍
(軟骨肉腫、滑膜肉腫、血管肉腫等)は
細胞診検査では
診断できませんが、
骨肉腫のみ
細胞診検査で骨肉腫だと疑えます。
細胞診検査は、
レントゲンで異常が認められた部位に
採血の時に使うくらいの
細い針を使用して細胞を採取し、
顕微鏡で観察します。
無鎮静あるいは
軽い鎮静で行うことができ、
一般の病院でも
診断できることもあります。
しかし
確定診断ではありませんので、
断脚等の手術を行う場合は
きっちりとした診断に基いて
行うべきで、骨
組織検査が必須になると
考えています。
骨組織検査は、
比較的太い針を使用しますので
深い鎮静
あるいは麻酔が必要になります。
こちらは外の
病理検査機関で
診断してもらいます。
どちらでも診断は可能ですので、
かかりつけの先生と相談して
実施していただきます。
細胞診検査
あるいは骨組織検査を行うことで
腫瘍が
骨肉腫であることが
診断できます。
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犬の骨肉腫の治療法
犬の骨肉腫の治療法として、
外科手術、抗がん剤、
放射線治療での
治療が多く報告されています。
悪性の腫瘍であるので
通常は外科手術が
第一選択になることが多いです。
つまり、
肢に発生する腫瘍なので
断脚が最も広く行われている方法です。
断脚手術
手術後の歩行に心配があれば、
負担を減らすために
義肢で補助してあげることが
選択肢の
一つになるかもしれません。
腫瘍化してしまった骨のみを切除し
肢を温存する方法もありますが、
手術自体が非常に難しいこと、
特殊な器具が必要なこと、
感染を起こしてしまう
可能性があるので、
この方法は
慎重に行なわなければなりません。
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前足は動くが
後ろ足の力が弱いワンちゃんは
二輪タイプを選びましょう。
特にこのようなワンちゃんにピッタリです!
- 後ろ足だけケガや病気をしてしまった
- 椎間板ヘルニア、変性性脊髄症、 股関節脱臼などにより
後ろ足が 不自由になった - 両足動くが加齢と共に足腰が弱ったシニア犬
抗がん剤理治療
骨肉腫への抗がん剤治療は、
基本的に
外科手術に組み合わされて
使用されます。
転移や再発を抑えるのが目的です。
どちらかというと
腫瘍を取り除くことを目的とした
使われ方はせず、
あくまでも
外科手術の補助として使われます。
例えば、
同じ骨肉腫の子に
外科手術単独で治療した場合と
外科手術と抗がん剤を併用した場合では、
寿命を
2.2~2.4倍程度に伸ばすことができる
といわれています。
ある報告では、
外科手術のみの場合は
中央生存期間(平均の生存期間)
138日に対して、
抗がん剤を併用することで
307~366日に伸びるとしています。
放射線治療
放射線治療も
骨肉腫に対して
有効であるといわれています。
こちらも
抗がん剤同様に
外科手術の補助として
使用されることが多いです。
放射線治療でも
中央生存期間(手術後の平均の生存期間)を
伸ばすことができると
報告されていますが、
放射線治療を行える施設に
限りがありますので、
全ての飼い主さまが
利用できるというわけではありません。
上記の
三つ以外の代替療法も
報告されていますが、
代替療法には
有効な治療法が無いのが現状です。
こちらの分野は、
今後さらに
研究が進んでいくと思います。
犬の骨肉腫の予防法
骨肉腫は
予防することができないので、
ワンちゃんの異変を感じたら
すぐに動物病院での診察を
受けていただくことが
必要だと思います。
早期発見・早期治療が
ワンちゃんの寿命を伸ばすことに
つながることは
言うまでもありません。
日頃から
ワンちゃんの健康のために
マッサージをしてあげるなど、
体に触る機会を作っておくことも
おすすめです。
いつもと違う違和感を覚えたら、
かかりつけの先生に
診てもらうようにしてください。
特に
骨肉腫の場合は、
転移してしまう前に
治療を始められるかどうかが
重要になってきます。
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まとめ
犬の骨肉腫は悪性度の高い腫瘍。
早期発見・早期治療を
悪性度の高い腫瘍なので、
特に肺転移している場合には
完治は難しいことが多いです。
手術・抗がん剤・放射線治療と、
どの治療を選択するかは
かかりつけの先生と
よく相談していかないといけない
腫瘍です。
飼い主さまには
治療のみでなく、
いかにワンちゃんが
ストレスなく幸せに生きていけるかを
考えていただければと思います。
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