犬の関節リウマチ!症状や原因、治療法って?
公開日:2025/01/07 / 最終更新日:2025/01/07
犬の関節リウマチ(免疫介在性多発性関節炎)とは
関節リウマチとは、
関節に炎症が起こって
足を引きずったり(跛行)、
関節が曲げられなくなったりする
病気です。
炎症は
体の自分自身を攻撃してしまう
自己免疫の異常によって
起こることから、
「免疫介在性多発性関節炎」とも
呼ばれます。
免疫介在性多発性関節炎は
軟骨や骨が破壊される
「びらん性」と、
破壊がほとんど見られない
「非びらん性」に分けられます。
関節リウマチは
びらん性の
免疫介在性多発性関節炎で、
非びらん性では
全身性エリテマトーデスや
(全身性紅斑性狼瘡、SLE)
特発性多発性関節炎、
多発性関節炎・筋炎症候群などがあります。
いずれも
継続的な痛みや
発熱を伴うため
犬の生活の質が低下しますが、
抗炎症薬を用いた治療が
適切に行えれば
予後は悪くありません。
関節リウマチは
(免疫介在性多発性関節炎)
犬では
まれな病気とされていますが、
小型犬が多く発症することから
日本では
よく見られる病気になっています。
関節リウマチ(免疫介在性多発性関節炎)の好発犬種
- トイプードル
- ダックスフンド
- マルチーズ
- ポメラニアン
- シーズー
などの小型犬でよく見られ、
シェルティーやグレーハウンドも
発症しやすい犬種です。
特定の犬種に
多く見られることから、
遺伝性が疑われています。
年齢は
4~6歳の若~中齢犬で
多く見られます。
人間の場合は
男性より
女性が多く発症する病気とされ、
犬でも
メスの症例が
多く見られる傾向はありますが
明確なエビデンスはありません。
犬の関節リウマチ(免疫介在性多発性関節炎)の症状
関節リウマチの
主な症状として、
- 「動くのを嫌がる
散歩に行きたがらない(運動不耐)」 - 「足を引きずる(跛行)」
- 「足を痛がる」
- 「発熱」
が挙げられます。
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その他に
- 「食欲不振」
- 「貧血」
- 「元気がなくなる」
- 「関節の腫れ、変形」
- 「リンパ節の腫れ」
なども見られます。
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なお、
人間では
関節リウマチで
リウマチ性心疾患を伴うことが
多くありますが、
犬ではまれです(※)。
犬の関節リウマチ(免疫介在性多発性関節炎)の原因
関節リウマチは
免疫機能の異常で起こりますが、
なぜ異常になるのかは
人間と同様、
明らかになっていません。
「遺伝」や「消化器疾患」「腫瘍」
「ジステンパーウイルス」などが
要因になっていると
考えられています。
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犬の関節リウマチ(免疫介在性多発性関節炎)の治療
関節リウマチは、
以下のような検査結果を
総合的に見て
診断します。
CRPは
C反応性タンパクのことで、
炎症があると
このタンパクの血中濃度が
急上昇します。
- 血液検査(貧血やCRP上昇、クームス試験、
抗核抗体(ANA)、RA因子(リウマチ因子)の総合評価) - 関節液検査(好中球増加の有無)
- レントゲン検査(骨や関節の破壊の有無)
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関節リウマチの治療・予後
関節リウマチは
原因不明であり、
明確な治療法はありません。
しかし、
免疫抑制剤を
(ステロイドやシクロスポリン、
ミコフェノール酸モフェチルなど)
長期間服用することによって
症状を軽減し、
犬の負担を
軽くすることが可能です。
痛みや関節の変形で
動けない場合は、
サポーターを使うことで
楽になります。
適切な
投薬治療が行われれば
予後は良好で、
状態を見ながら
投薬量を
減らすこともできますが、
痛みや
関節の変形が酷く
改善が見込めない程度に
重症化している場合は
断脚手術の検討が
必要になります。
関節リウマチの食事療法
抗炎症作用のある
栄養素として、
オメガ3脂肪酸の一種である
「EPA」や
ポリフェノールの一種
「リコピン」などが挙げられます。
EPAは魚油、
リコピンはトマトに
多く含まれます。
投薬治療を前提として、
サプリメントや、
魚油やトマトを含むドッグフード、
おやつを与えるのは
有効です。
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クリルオイルのEPA・DHAは吸収率が良く、
リン脂質結合型オメガ3脂肪酸のなので、
血液脳関門を通り抜けられます。
リン脂質は乳化剤(石鹸のような働き)として
オイルの吸収を促すため
体内への吸収率が良いのです。
※一般のEPA・DHAはトリグリセリド
(中性脂肪)という形で存在しています。
犬 猫 は亜麻仁油やエゴマ油など
αリノレン酸の分解酵素がなく
吸収が苦手と考えられていますが
クリルオイルは
ダイレクトにEPA・DHAを補給できるので
短期間で違いを
実感いただけることが多いようです。
<クリルオイル30粒>
関節リウマチのマッサージ療法
関節リウマチで
痛みを感じている犬に
マッサージを行うことは
推奨しません。
犬も
触られることを
嫌がるはずです。
痛みが落ち着いていれば
筋肉をほぐすマッサージが
有効な場合もありますが、
間違ったマッサージは
状態を悪化させる
リスクがあります。
飼い主さんの判断では
行わず、
ドッグマッサージに知見のある
獣医師に任せることを
お薦めします。
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まとめ
- リウマチは自己免疫の異常によって起こる関節炎の一種
- 小型犬に多いため日本ではよく見られる病気
- 重症化していなければ免疫抑制剤を用いた治療が有効
- 抗炎症作用のあるサプリや食材も一定の効果が見込める
犬の関節リウマチは
自己免疫の異常によって起こる
免疫介在性多発性関節炎の一種です。
小型犬で多く見られ、
痛みや
関節の変形が起こり、
犬が動けなくなったり
発熱したりします。
重症化すると
切断も選択肢になりますが、
早期に
投薬治療を始めることができれば
予後は良好です。
定期検診を欠かさず、
日頃から愛犬を
よく観察するようにしましょう。
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