犬の貧血!原因や、症状、予後は?
公開日:2024/06/13 / 最終更新日:2024/06/13
犬の貧血とは
貧血とは
「体内において赤血球の総数が減少した状態」
と定義されており、
簡単にいうと、
貧血は
血液内の必要なものが不足し、
薄くなっている
状態のことをいいます。
赤血球は、
肺で取り込んだ酸素を
全身に運搬するという
働きがあります。
赤血球が
少なくなるということは、
全身に酸素を
運搬できなくなり、
全身の臓器が酸素不足で
正常に働けなくなります。
さらに、
場合によっては
命に関わることもありますので、
貧血は
甘くみてはいけません。
犬の貧血の種類と原因
貧血は大きく
- 「再生性貧血」
- 「非再生性貧血」
の2つに
分けられます。
再生性貧血
再生性貧血とは
常に骨髄外の病因から生じ
「溶血」や「失血」から
生じる貧血です。
溶血は
- 「免疫介在性溶血性貧血(IMHA)」
- 「感染症」
- 「中毒」
などによって
赤血球が壊れている状態を
指します。
失血は
体の中で赤血球を
正常に造ってはいるものの、
ケガによる出血などで、
赤血球が身体の外へ出て、
無くなっている状態を
指します。
非再生性貧血
赤血球を造る工場が
- 「白血病」
- 「鉄欠乏」
- 「腫瘍」
- 「内分泌疾患」
- 「慢性腎臓病」
などの病気が原因で
トラブルを起こし、
破壊されている量より、
赤血球を造れなくなっている
状態を指します。
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犬の貧血の症状
- 元気消失
- 食欲不振
- 粘膜蒼白
- 黄疸
- 運動不耐性
- 無気力
- 活動性の低下
貧血になるとまず、
食欲や活動性が低下し、
目や口の粘膜が
蒼白になります。
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次に
体の臓器の細胞が
酸素不足に陥ります。
そして、
心拍数と呼吸数が
増加します。
致死率が高いといわれている
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)は、
臨床症状が明確ではないことが多く、
下痢や嘔吐が
貧血よりも先に
みられることがあります。
そのほかに黄疸、
血色素尿やビリルビン尿
(茶褐色の尿)なども
みられることがあります。
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犬の貧血の治療・予後
治療は原因によってそれぞれ
異なります。
重篤な貧血の場合には、
輸血が
必要となることもありますが、
輸血による
副反応が起こる
場合もあります。
貧血の代表な病気を
以下に記載し、
その治療と
予後について紹介します。
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【再生性貧血】失血性
外傷
治療のゴールは、
失血の原因である外傷を
治療することです。
予後は
外傷の大きさで異なります。
【再生性貧血】溶血性
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
治療のゴールは
免疫反応の抑制、血栓の予防、
さらに
白血球による
赤血球の貪食の阻止です。
免疫抑制のために
ステロイドや免疫抑制剤を使用し、
さらに、
血栓予防のための薬剤を
使用することもあります。
そのほかに
輸血やヒト免疫グロブリンを
使用することがあります。
血栓や血液凝固異常を引き起こし、
致死的な経過をたどることもある
恐ろしい病気です。
重篤な場合の致死率は
70%といわれています。
【再生性貧血】溶血性
ハインツ小体性溶血性貧血(タマネギ中毒)
治療のゴールは、
摂取した
原因物質の排泄促進や、
貧血とそのほかの症状の
対症療法です。
治療法は、
点滴によって、
有害物質の排泄を促進させます。
また、
重症例では
輸血をすることもあります。
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【再生性貧血】溶血性
犬バベシア症
治療のゴールは、
バベシアという原虫を
駆虫することです。
貧血や、発熱、
血尿などの対症療法です。
駆虫薬や抗生剤を用い、
さらに
輸血を行うこともあります。
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【非再生性貧血】
再生不良性貧血
原因疾患があればその治療、
免疫が関わっている場合は、
免疫抑制剤を投与します。
治療反応が悪いことも多く、
予後不良の疾患です。
【非再生性貧血】
鉄欠乏性貧血、慢性疾患に伴う貧血
治療のゴールは、
鉄分の補充です。
その他に、
原因となっている疾患の
治療を行います。
予後は
腫瘍などの
原因となっている疾患によって
異なります。
まとめ
犬の貧血は甘くみてはいけません!
- 貧血は血液内の必要なものが不足し、
薄くなっている状態を指します - 愛犬の目や口の粘膜の色が、
通常より白い場合は貧血の可能性があります - 貧血の原因はさまざま考えられます
- 貧血は重い病気のサインの可能性があるため
甘くみてはいけません
原因は
さまざま考えられるため、
貧血を完全に予防することは
困難です。
そのため、
飼い主さんは
愛犬の異変の
早期発見が重要となってきます。
日頃より愛犬を観察し、
少しでも
異変に気付いたら、
動物病院に
連れて行きましょう。
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