犬の角膜炎!原因や治療法、失明リスクは?

公開日:2025/01/21 / 最終更新日:2025/03/07
犬の角膜炎とは
角膜は
目の中央にある黒目
(瞳孔)の部分を覆う
透明な膜で、
- 「眼球の保護」
- 「水分を保って透明性を維持」
- 「光を屈折させる(ピント機能)」
といった機能を持つ
非常に重要な組織です。
犬の角膜は
4層に分かれ、
外側から
- 「上皮」
- 「実質」
- 「デスメ膜」
- 「内皮」
- と呼びます。
角膜炎は
一般的に上皮の炎症
(非潰瘍性角膜炎)を指し、
実質まで及ぶと
「角膜潰瘍(かいよう)」
(潰瘍性角膜炎)、
デスメ膜や内皮に達するほどの
穴が空くと
「角膜穿孔(せんこう)」と呼びます。
(緊急手術が必要)
角膜は
目の先端にあることから
外からの刺激を受けやすく、
問題が起こりやすい
組織です。
「角膜炎」は病院でも
「結膜炎」と並んで、
診ることの多い
目の病気です。
角膜炎と結膜炎の違い
結膜は白目の部分(強膜)と
上下のまぶたの裏側
(眼瞼結膜)を覆う膜で、
そこに炎症が起こるのが
「結膜炎」です。
結膜炎は
適切な治療をすれば
軽症で済みますが、
角膜炎は
治療に時間がかかると
黒目に白い混濁が残ったり、
重症化すると
視力に障害が出たりします。
最終的に
失明してしまう
可能性もあります。
角膜炎の好発犬種
角膜炎は
どの犬種、年齢、性別でも
起こります。
比較的多いのは
目に被毛が入りやすいシーズー、
鼻が短く
目が出ているパグやフレブル、
ペキニーズなどの短頭種、
目が大きい
チワワなどです。

犬の角膜炎の症状
角膜には
知覚神経が集まっているため、
犬が
痛みを感じやすい組織です。
問題が起こると
以下のような症状が
見られます。
- 目がしょぼしょぼする
- 半目、もしくは目を閉じる
- 気にして何度も掻く
- 触られるのを嫌がる
- 涙や目やにが過剰に出る
- 黒目が白く濁る
- 白目や目のふちが赤くなる
- 黒目に血管が生じる(血管新生)
角膜炎は
放置して傷や
炎症が増えると、
治療が長引いたり
重症化したりします。
愛犬の目に
いつもと違う変化、
違和感がある場合は
様子見をせず、
動物病院へ
行くようにしてください。
犬の角膜炎の原因
角膜炎の原因は
さまざまあり、
大きく「外傷性」と「非外傷性」に
分けることができます。
外傷性の角膜炎
- 事故(交通事故、喧嘩など)
- 異物の混入(ホコリ、砂、被毛、シャンプーなど)
- 草木や家具などへの接触
- まつ毛、まぶた(眼瞼腫瘍、眼瞼内反症など)の異常による刺激
- 痒みで掻いてしまう
非外傷性の角膜炎
- 感染症(細菌、ウイルス、真菌)
- 他の病気による影響(結膜炎、白内障、緑内障など)
- 免疫の異常(アレルギー、慢性表在性角膜炎、点状表層性角膜炎など)
- ドライアイ(乾性角膜炎)
- 神経の異常(麻痺でまばたきできないことによる乾燥)
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慢性表在性角膜炎は
血管新生が見られるのが
特徴で、
ジャーマンシェパードやグレーハウンドに
多く見られます。
点状表層性角膜炎は
白い
まだら状の傷が見られるのが特徴で、
ダックスやシェルティに
多く見られます。

犬の角膜炎の治療法
視診、問診、眼科検査のほか、
傷の有無を確認するため
「フルオレセイン染色」という
染色液を使った
検査を行います。
特殊な光を当てると
傷がある部分の色が
変わって見えます。
必要に応じて
血液検査や神経学検査、CT・MRI検査、
涙の量を調べる「シルマーテスト」なども
行います。
治療では、
感染症がある場合は
抗菌薬、炎症を抑えるステロイド
もしくは
非ステロイドの消炎剤や
免疫免疫抑制剤、
角膜を保護するための保護剤
(ヒアルロン酸)を使用します。
ご家庭でも
保護剤を点眼することで
治癒しやすくなります。
その他に
影響する病気がある場合は
並行して治療を進めます。
傷が治りにくい場合は
コンタクトレンズを入れて
落ちないように
まぶたを仮縫いしたり(眼瞼縫合)、
第三眼瞼(瞬膜)という
目頭にある白い膜で
角膜を覆って固定する
フラップ法を行ったりします。
犬が気にして
掻いてしまう場合は
エリザベスカラーを使用します。
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角膜炎が長引いてしまう場合
点眼を行っても
傷が治らず
長期化する場合は
「再発性上皮びらん」が疑われます。
(SCCEDs、スケッズ)
その場合、
上皮は剥がれたまま
実質に接着しないため、
外科的な処置を
行う必要があります。
全身もしくは
局所麻酔をかけて
機能していない上皮を
すべて剥がし、
わざと実質に傷を付けて
再生した上皮が
接着しやすい環境を作ります。

まとめ
- 角膜炎では、黒目の部分に炎症が起きる
- 深層に進むほど緊急性が増す
- 原因は外傷性と非外傷性にわかれる
- 完治させるためにも早期治療が重要
角膜炎は
何らかの原因で
黒目の部分に
炎症が起きた状態のことで、
犬が自分で掻いて
傷付けてしまったり、
免疫の異常で起きたり
原因は
多岐にわたります。
放置して
重症化すると
傷が治っても白い混濁が
残ってしまったり、
視力が落ちてしまったりする
可能性があります。
愛犬の目に
異変を感じた際は、
すぐに
動物病院へ
行くようにしてください。

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