犬の脳梗塞!症状や原因、治療法って?
公開日:2024/08/07 / 最終更新日:2024/08/07
犬の脳梗塞とは
脳梗塞は
脳卒中の一種で、
脳に血液を供給している動脈が
閉塞することによって起こる
脳の病気です。
人間では三大死因
(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)
の一つに数えられる病気ですが、
犬では
多くないと
考えられてきました。
しかし、
獣医画像診断の進歩に伴って
犬の報告例は
増加しています。
脳梗塞と脳卒中の違い
脳卒中は
脳の血管に障害が起こって
体が麻痺したり
意識を失ったりする病気を
総称したもので、
「脳血管障害」とも呼ばれます。
脳卒中は
障害が起きた原因によって、
以下のように
分けられます。
- 脳梗塞
脳の血管が詰まる(狭くなる) - 脳出血
脳の血管が破れる - くも膜下出血
脳の血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破裂する
犬では
脳出血や
くも膜下出血などの
出血性脳卒中より、
血管が詰まって起こる
「虚血性脳卒中」が多いと
されています。
脳梗塞の種類
脳梗塞は
血管が詰まる原因によって
「脳血栓症」と
「脳塞栓(のうそくせん)症」の
2つにわかれます。
脳血栓症は、
血液中の
悪玉コレステロールが増加して
血栓ができる
「動脈硬化」の進行によって
起こります。
脳塞栓症は、
主に心臓でできた血栓が
脳に流れて
詰まることで起こります。
脳梗塞になりやすい犬種
脳梗塞は
年齢や犬種に関係なく、
どの犬でも起こる
可能性がありますが、
シニア犬(老犬)に多く見られる
傾向があります。
甲状腺機能低下症や敗血症、
寄生虫感染などの
基礎疾患によっても
脳梗塞のリスクは上がります。
犬種では遺伝的に
特発性高リポ蛋白血症を起こしやすい
ミニチュアシュナウザー、
僧帽弁閉鎖不全症を起こしやすい
キャバリアは
発症リスクが高いとされています。
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犬の脳梗塞の症状
人間では
言語障害や手足のしびれが
脳梗塞の
特徴的な症状の一つですが、
私たちが
犬の言語障害や手足のしびれを
容易に認識することは
できませんので、
行動の変化が
主な症状となります。
脳梗塞では、
以下のような症状が
急に現れます。
- 歩行障害
- 立てない
- 斜頸
- 眼振(がんしん)
- 元気がない
- 意識がない
- 半身麻痺
- 震え
- 視力の低下
- 味覚の麻痺
- 旋回、まっすぐ歩けない
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これらの症状が
24時間以内に消えた場合は
「一過性脳虚血発作」と呼びますが、
数日から数カ月以内に
脳梗塞を起こすケースは
少なくありません。
なお、
上記の症状は
脳梗塞に限らず
シニア犬(老犬)に多い
特発性前庭疾患や脳炎(髄膜脳炎)、
椎間板ヘルニアなどの病気でも
見られます。
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犬の脳梗塞の原因
犬の脳梗塞の原因は
明確になっていませんが、
以下のような病気が原因
(基礎疾患)となって起こる
可能性があります。
- 敗血症
- 血管炎
- 寄生虫感染(寄生虫の迷入)
- 腫瘍
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 甲状腺機能低下症
- 糖尿病
- 高血圧症
- 腎臓病
- 心臓疾患
- 出血性疾患
- 膵炎
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犬の脳梗塞の治療法
犬の脳梗塞は
MRI検査を行って診断します。
しかし、
犬では数時間で
検査、診断に至ることがないため
虚血性、出血性ともに
ステロイドや利尿剤の投与、
酸素吸入などの対症療法で
自然回復を
待つことになります。
人間の虚血性脳卒中では
数時間以内に
血栓溶解剤を投与することで
閉塞した動脈を
再開通させることができますが、
犬でも血栓溶解剤が
有効かは確認されていません。
犬の脳梗塞は、
原因となった
基礎疾患にもよりますが
数週間程度で自然回復するケースが
少なくありません。
ただし、
麻痺などの後遺症が残る
可能性はあります。
まとめ
- 脳梗塞は脳の動脈が閉塞する病気
- 画像診断の進歩で犬の報告例も増えている
- 対症療法が基本だが自然回復する可能性は高い
脳梗塞は
人間の三大死因の一つで、
犬でも画像診断の進歩によって
報告例が増えています。
治療は
対症療法が基本になりますが、
数週間で
自然回復するケースは
少なくありません。
早期発見・早期治療が
予後を良くしますので、
愛犬の体に異変を感じたら
なるべく早く
動物病院へ
行くようにしてください。
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