犬の脂肪腫!しこりの症状や原因、予防法って?
公開日:2024/08/06 / 最終更新日:2024/08/06
犬の脂肪腫とは
脂肪腫は、
成熟した脂肪細胞が
増殖した腫瘍で、
通常は
良性腫瘍に分類されます。
腫瘍のできる場所や
広がり方によって、
以下の3つに分類されます。
- 皮下脂肪腫
- 筋間脂肪腫
- 浸潤性脂肪腫
1、皮下脂肪種
皮膚の下~筋肉の上に
存在するタイプです。
ほとんどの脂肪腫は
このタイプですが、
触診で腫瘍が動かない場合は
底部が筋肉の間に
入り込んでいることもあります。
2、筋間脂肪腫
筋肉の間に
入り込んでいるタイプです。
触ると
張りのある感触があります。
手術では
筋肉の間を切り開いて、
奥まで取り除く必要があります。
3、浸潤性脂肪腫
筋肉の繊維の間に
染み込むように増殖するタイプです。
発生率は高くありませんが、
正常組織との境界がないので、
初回の手術で
しっかり取り除かないと
すぐに再発します。
浸潤性脂肪腫は
良性腫瘍ですが、
局所浸潤性が高く、
肥大した腫瘍が周辺部位に
悪影響を与えることで、
臨床的
悪性腫瘍とされています。
例えば、
脚の筋肉に
広範囲に浸潤している場合には、
脚ごと切除(断脚手術)を
検討しなければならない
場合もあり得ます。
脂肪肉腫
脂肪腫とは異なり、
脂肪細胞の悪性腫瘍です。
脂肪腫と比べて、
やや硬い触り心地で、
急速な増大を
見ることがあります。
細胞診で見分けることが
可能ですが、
誤診を避けるために
病理検査で
確認する必要があります。
非常に
局所浸潤性が高く、
転移することもあります。
治療のためには
できるだけ早期に
拡大切除手術が必要です。
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犬の脂肪腫の症状
初期症状
初期では飼い主さんが
「愛犬の体表に柔らかいしこりができた」
と気付きます。
皮膚の柔らかい犬種や
痩せた犬であれば、
比較的わかりやすいのですが、
肥満の動物では、
皮下脂肪との区別が
難しいことがあります。
脂肪腫は
周囲を圧迫しながら
ゆっくりと大きくなるため、
そのほとんどは無症状です。
筋肉内や
「体の深部」にできた脂肪腫では、
圧迫によって
不快感や
痛みを生じる
可能性があります。
末期症状
発症部位によっては、
大型(5cmを超える)になって
初めて気付くこともあります。
脂肪腫は良性腫瘍のため、
経過を見ることもありますが、
良性であっても
徐々に大きくなります。
皮下脂肪種でも
巨大化すると、
大きさと重さによって
生活上の大きな問題と
なることがあります。
例えば、
- 「脇の下に発生すると前足が閉じなくなる」
- 「胸にできた脂肪腫が床と擦れて出血する」
- 「背骨に沿って巨大化して側弯姿勢になる」
などです。
また、
脂肪腫が
体腔内に発生した場合には
その周辺の
内臓などを圧迫するため、
痛みや不快感、
機能障害が起きる
可能性があります。
犬の脂肪腫の原因
犬の脂肪腫の原因は
明らかになっていませんが、
肥満や体質(犬種・遺伝)によって
発生しやすくなると
考えられています。
若齢でも
発生しますが、
年齢を経るにつれて
発生が多くなります。
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犬の脂肪腫の検査・診断方法
まず愛犬の
全身状態を診るために
身体検査が必要です。
それには
血液検査やレントゲン検査や
針生検(炎症か腫瘍かを調べる検査)が
含まれます。
ほとんどの脂肪腫は
触診と細胞診によって
診断がつくものです。
細い針を用いて
腫瘤から細胞を吸引し、
顕微鏡で観察して
成熟脂肪細胞がみられた場合には、
ほぼ間違いなく
脂肪腫です。
ただし、
細胞診のみでは
「浸潤性脂肪腫」との
区別はできません。
明らかに良性で
小型の場合は
- 「機能障害」
- 「自潰・出血」
- 「急速増大」
がなければ
経過を見ることも多いです。
細胞診で
診断がつかない場合は、
腫瘍の一部
または
全部を切除して
病理学検査に提出します。
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犬の脂肪腫の治療法
脂肪腫は
手術によって
取り除かない限り、
自然になくなることありません。
そのほとんどは良性腫瘍のため、
すべてが手術適応とも
言い切れません。
動物の年齢
体力を考慮しながら、
以下の良性腫瘍の
手術適応基準に基づいて
手術実施を行います。
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手術適応基準
- 機能障害の有無
体の機能に障害が出る場合 - 自壊出血の有無
表面の自壊が起きて、出血している場合 - 急速増大
腫瘍が急速に大きくなる場合 - 飼い主さんの希望
飼い主さんが早期の治療を希望する場合
犬の脂肪腫の予防法
最も確実な予防法は、
犬の体を
良く触ることです。
脂肪腫は
早期に発見すれば、
根治が見込める病気です。
また、
悪性腫瘍であっても
早期治療によって
直せる確率が上がります。
腫瘍が増大する速度は
診断上、
とても重要です。
しこりを見つけたら
早期に
獣医さんを受診し、
その後も
定期観察を続けましょう。
まとめ
犬の脂肪腫はほとんどが良性腫瘍
- 脂肪腫のほとんどが良性腫瘍です
- 脂肪腫は肥満や体質によって発生しやすいと考えられています
- 愛犬の体にしこりを見つけたら動物病院で検査しましょう
脂肪腫には
さまざまなタイプがあります。
まずは、
早期に発見することが
重要のため、
日頃から
愛犬の体を触る習慣をつけましょう。
もし、
しこりを見つけたら
動物病院で検査することを
おすすめします。
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