犬の肥満細胞腫!症状や原因、生存率って?
公開日:2024/08/09 / 最終更新日:2024/08/09
犬の肥満細胞腫とは
肥満細胞腫は
皮膚がんで
一番多く認められるもので、
犬では
皮膚腫瘍全体の16~21%、
猫では
リンパ腫について
2番目に多く
20%ほどとなっています。
四国動物医療センターなどの調査によると、
全国の
1次診療初診(犬、1万9870匹、猫、6008匹)で
悪性腫瘍が認められた症例のうち、
犬で最も多かったのが
「肥満細胞腫(15.5%)」で、
「リンパ腫(14.6%)」
「悪性黒色腫(7.7%)」
「悪性乳腺腫瘍(6.0%)」
「扁平上皮癌(5.2%)」と続きます。
ちなみに猫の場合は、
認められた症例数としては
肥満細胞腫が
リンパ腫に続いて
2番目に多かったものの、
そのほとんどは良性の
「皮膚肥満細胞腫」でした。
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犬と猫に多く認められた
悪性腫瘍と良性腫瘍の種類
悪性腫瘍 犬
- 肥満細胞腫 54例(15.5%)
- リンパ腫 51例(14.6%)
- 悪性黒色腫 27例(7.7%)
- 悪性乳腺腫瘍 21例(6.0%)
- 扁平上皮癌 18例(5.2%)
悪性腫瘍 猫
- リンパ腫 44例(44.4%)
- 悪性乳腺腫瘍 11例(11.1%)
- 扁平上皮癌 9例(9.0%)
- 骨肉腫 6例(6.1%)
良性腫瘍 犬
- 良性乳腺腫瘍 80例(19.7%)
- 脂肪腫 60例(14.8%)
- 皮膚組織球腫 18例(4.4%)
- 肛門周囲腺腫 14例(3.4%)
- 毛包上皮腫 8例(2.0%)
良性腫瘍 猫
- 皮膚肥満細胞腫 18例(41.9%)
- 毛芽腫 7例(7.1%)
- 耳垢腺腫 2例(4.7%)
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肥満細胞腫にかかりやすい犬種・年代
犬種別の発生率を見ると、
高いのがボクサー、ボストンテリア、
ラブラドールレトリーバー、ビーグル、
シュナウザーと言われています。
パグなどの短頭種犬では、
比較的
悪性度の低い多発生肥満細胞種が
認められます。
犬の平均発症年齢は9歳で、
3週齢~19歳までの
報告があります。
何が原因で肥満細胞種が
発生するのか
まだはっきりしていないところが
多いのですが、
まれな要因として、
「慢性炎症」や「皮膚刺激性物質の塗布」と
関連しているのではないかと
言われています。
犬の肥満細胞腫の生存率
肥満細胞腫の悪性度
(グレード)を決定するには
病理組織検査が必要になり、
その結果によって
ある程度の予後が
推測できますす。
グレードは1~3まであり、
グレード別での
初期症状はありません。
グレード1は
予後が比較的長期間望め、
グレード3になると
局所の増大や
転移が早く
予後は短い傾向にあります。
1984年に発表された
肥満細胞腫の
生存期間を示した論文
(Patnaikのグレード分類)によると、
各グレードで
48カ月生存する確率は、
- グレード1 83%
- グレード2 44%
- グレード3 6%
と報告されています。
この他に
2011年に発表された論文
(Kiupelの2段階分類)では、
HighグレードとLowグレードに分けられ、
Lowグレードの生存期間は長く
2年以上とされており、
Highグレードは短く
4カ月以下と
報告されています。
犬の肥満細胞腫の症状・原因
犬の場合、
皮膚の肥満細胞腫の大部分は
孤立性の結節病変で、
11~14%で
多発性を示すと言われています。
腫瘍の形は
グレードにもより、
グレードの低いものは
比較的ゆっくりと増大していき
弾力性があります。
グレードの高いものは
急速に増大していき
潰瘍化して
出血などを引き起こします。
皮膚の肥満細胞種は
真皮や皮下組織に発生し、
細胞質内に
ヒスタミンやヘパリンなどの
生理活性物質を含むため、
まわりの組織に
炎症や浮腫を起こします。
胴体によく見られ、
手足にも25%ぐらいの確率で
認められます。
他に発生する部位としては
- 眼の結膜
- 唾液腺
- 鼻咽頭
- 喉頭
- 口腔
- 胃腸
- 尿管
- 脊椎
があります。
転移の多くが
領域リンパ節、肝臓、脾臓です。
犬の肥満細胞腫の予防法
予防法は
特にありません。
犬の肥満細胞腫の検査・診断方法
診断の多くは
細針吸引細胞診断
(細い針を刺して注射器で吸引し、
顕微鏡で検査する方法)が行われます。
グレードが高いと
細胞質内顆粒が
乏しいものもあるため、
組織検査が
必要になる場合もあります。
局所の腫瘍だけで判断せず、
近くの
リンパ節が腫れていたら
細針吸引細胞診断検査を行って
リンパ節に
肥満細胞が広がっていないかの確認や、
レントゲン・超音波による
画像診断検査で
遠隔転移がないかの
確認をする必要があります。
そして
血液検査をして
全身状態を把握することが
治療する面でも
非常に重要です。
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犬の肥満細胞腫の治療法・手術費用
治療法は
外科的切除や
抗がん剤による
治療となります。
外科的切除は
腫瘤と正常組織を含めた
拡大切除になります。
治療や手術費用は
それぞれの病院により
さまざまで、
入院の目安は
1週間ぐらいです。
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犬の肥満細胞腫に効く食べ物・食事
がんに効く食べ物等は
ありません。
まとめ
皮膚がんの中で一番多い肥満細胞腫は早期発見が大切!
犬の肥満細胞腫は
皮膚がんの中でも
一番多いがんです。
ボクサー、ボストンテリア、ビーグル、
ラブラドールレトリーバー、シュナウザーなどに
多いとされていますが、
何が原因で
肥満細胞種が発生するのか
まだはっきりしていません。
グレード3になると
局所の増大や転移が早く
予後は短い傾向にありますので、
定期的な健康診断を忘れず、
早期発見・早期治療を
心掛けてください。
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