犬の肝性脳症!症状や、原因って?
公開日:2024/09/27 / 最終更新日:2024/09/27
犬の肝性脳症とは
肝性脳症は、
肝炎や肝硬変などの肝障害、
門脈シャントなどによって起こる
(異常血管)
神経症状です。
長期的な肝臓の異常や
急性肝炎などで見られますが、
よく見られる症状ではありません。
犬がごはんを食べると
タンパク質が消化酵素によって
アミノ酸などに分解され、
血液によって
全身に運ばれます。
分解の際に
アンモニアなどの有害物質も
できてしまいますが、
通常は
肝臓で解毒され、
尿として
排泄されるため
問題になりません。
しかし
肝臓の機能が低下したり、
肝臓をう回する
血液の流れができたりすると
(シャント)
有害物質が
血液に流れ出して
全身に運ばれ、
脳神経に
深刻なダメージを
与えてしまいます。
これにより
犬では
異常行動が見られるようになるのが
肝性脳症です。
犬の肝性脳症になりやすい犬種
肝性脳症は
年齢や犬種に関係なく、
どの犬でも
起こる可能性があります。
肝炎や
門脈シャントが原因となることから、
それらの好発犬種は
肝性脳症になりやすい犬種とも
言えます。
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犬の肝性脳症の症状
犬の肝性脳症では、
異常行動が
見られるようになります。
具体的には
以下のような症状が現れる
可能性があります。
- 異常行動(壁に頭を押し付ける)
- 歩行障害(ふらつく・立てない)
- 性格の変化(攻撃的になる)
- よだれ
- 口臭(アンモニア臭)
- 異常な吠え
- 元気がない・震え
- 意識がない・昏睡
- 失明
- 食欲不振
- 体重減少
- 黄疸
- 腹水
- 多飲多尿
- 嘔吐
- 下痢
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これらの症状は
肝性脳症の際にだけ
見られるものではないため
注意が必要です。
ただし、
肝性脳症の特徴として、
症状は
食事後に悪化するという点があります。
これは
食事後に
血中の有害物質が増えるためと
考えられています。
犬の肝性脳症の原因
犬の肝性脳症は
アンモニア、メルカプタン、
短鎖脂肪酸などの有害物質が
血液に流れ出して
脳神経にダメージを与えることで
起こります。
有害物質が
血液に流れ出す原因は
主に
肝臓病か門脈シャントで、
肝臓病は肝炎(急性・慢性)や
肝硬変、肝がんなどがあります。
猫では
肝リピドーシスも
(脂肪肝)
多く見られますが、
犬ではまれです。
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肝臓病
肝臓病の原因は
感染症や中毒、外傷のほか、
低カリウム血症や糖尿病、
クッシング症候群などの
(副腎皮質機能亢進症)
影響も考えられます。
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急性肝炎では
レプトスピラ症、犬アデノウイルス1型
などの感染症、
ぶどう(レーズン)やキシリトール
などの犬が食べてはいけない
食材の誤飲・誤食、
融雪剤や殺虫剤、洗剤
などの誤飲・誤食が考えられます。
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慢性肝炎は
原因不明であることが多く、
急性肝炎の原因に加えて
薬物の過剰摂取や
長期使用も考えられます。
ベドリントンテリアは
遺伝性の銅蓄積による
慢性肝炎の可能性も
考慮する必要があります。
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門脈シャント(門脈体循環シャント)
門脈シャントは
肝臓に向かう血管に
迂回路ができてしまう病気で、
遺伝性が高いと
考えられています。
肝臓でろ過されるはずだった有害物質が
肝臓を通らずに
全身へ運ばれてしまうため、
肝性脳症を引き起こす
原因となります。
犬の肝性脳症の治療法
肝性脳症は
肝臓の問題によって
起きていますので、
治療は
肝性脳症への対症療法と並行して
根本的な原因の解決を
目指します。
門脈シャント(異常血管)が
原因になっている場合は
血液が正しく流れるように
外科手術を行います。
根本的な原因となる
各病気の治療法は
以下をご覧ください。
- 肝硬変
- 肝臓腫瘍
- レプトスピラ症
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肝性脳症で使用する薬
便秘があると
有害物質が増えますので便秘薬、
血中アンモニア濃度が高い場合は
アンモニアの産生を抑えるラクツロース、
アンモニア産生菌を抑える
抗生剤の投与を行うことがあります。
肝性脳症の食事療法
アンモニアは
タンパク質の分解によって
起こりますので、
肝性脳症では
炭水化物を増やして
タンパク質を減らす食事療法が
有効です。
ただし、
タンパク質は
犬にとって欠かせない
栄養でもありますので、
療法食は
獣医師の指示に従って
与えるようにしてください。
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肝性脳症の予後
肝性脳症の予後は
原因となっている問題を
治療できるかによって変わります。
急性肝炎では
肝性脳症の症状も急に現れ、
数日で
重症化していきます。
門脈シャント(異常血管)など
定期検診で気付ける
病気もありますので、
早期発見・早期治療が
予後を良くします。
まとめ
- 肝性脳症は肝臓や血管の問題で起こる
- 肝臓病は急性と慢性に分かれる
- 急性では緊急性が高く早期治療が重要
犬の肝性脳症は、
肝臓や血管の問題で起こる
神経症状です。
緊急性が高く、
適切な処置を行わないと
死に至る
可能性があります。
慢性肝炎や門脈シャント(異常血管)は
早期に発見できる
可能性もあります。
定期検診を
欠かさないようにしましょう。
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