犬の糖尿病!症状や、かかりやすい犬種って?
公開日:2024/06/03 / 最終更新日:2024/06/03
犬の糖尿病とは
犬の糖尿病とは、インスリン(※)が
※血液中の糖(グルコース)を
細胞に取り込むために必要なホルモン。
膵臓から分泌される。
身体の中で分泌される量が
少なくなったり、
その作用が
低下したりすることで、
血糖値が
高い状態が続く病気です。
犬が糖尿病になると、
身体は糖(グルコース)を
エネルギーとして
利用できなくなるため、
タンパク質や脂肪を
エネルギーとして
利用しようとします。
正常な身体の犬では、
糖(グルコース)は
腎臓で
ほぼ100%再吸収されますが、
糖尿病になると
血液中に糖(グルコース)が
あり余り、
尿中に糖が排泄されます。
このような身体の変化によって、
糖尿病は
さまざまな症状を現します。
糖尿病にかかりやすい犬の特徴
年齢
糖尿病は、
中年齢以降に発症が増えます。
性差
男の子より
女の子のほうが
2~3倍かかりやすい
といわれています。
女性ホルモンが、
インスリンの効きに
関与していると
考えられているためです。
犬種
糖尿病が
良くみられる犬種としては
- 「トイプードル」
- 「ミニチュア・ダックスフンド」
が挙げられます。
犬の糖尿病の症状
初期症状
・多飲多尿
飲水量が
体重1kgあたり
100ml以上飲んでいる場合、
多飲多尿になっている
可能性があります。
体重が5kgの犬が
500mlのペットボトルを
1日で飲んでいたら
怪しいと思ってください。
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・食欲過剰
身体の細胞に十分に
糖(グルコース)が取り込まれなくなるため、
身体はエネルギー不足となり、
それを補うために
食べ物から懸命に糖(グルコース)を
摂取しようと
食欲が過剰になります。
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・体重減少
糖(グルコース)が十分に
エネルギーとして使用できないため、
糖(グルコース)の代わりに
タンパク質や脂肪が
エネルギー源として
使われるようになります。
これを「異化」といいます。
タンパク質の異化により、
筋肉量が減少し、
食欲が過剰なのに
体重が減少していきます。
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・頻尿
糖尿病で
多飲多尿になるため、
トイレの回数が増えます。
また、
糖尿病になると
感染症にかかりやすくなります。
よくみられる併発疾患は
細菌性の膀胱炎です。
糖尿病の場合、
定期的な尿検査が必要です。
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・肥満気味になる
発情に関わる二つのホルモン
「エストロジェン」
(発情前期~発情期に関与する)と
「プロジェステロン」
(発情休止期:発情出血が終わった後、約2カ月ほど)は、
血糖値を上昇させる
作用を持ちます。
このホルモンの影響で
発情期~発情休止期に
糖尿病の症状が強く現れたり、
この時期に
糖尿病のコントロールが
不良になったりします。
避妊手術を行っていない
女の子の犬が、
この時期に太り気味になる場合、
糖尿病の
可能性があるので注意しましょう。
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末期症状
・ケトアシドーシス
糖尿病により
高血糖状態が長期間続くと、
エネルギー源として
脂肪が利用されるようになります。
その過程で
「ケトン体」が産生されます。
ケトン体が
過剰に産生されると、
身体は酸性化し
「ケトアシドーシス」という
状態になります。
ケトアシドーシスになった場合
- 「元気消失」
- 「食欲不振」
- 「嘔吐」
- 「下痢」
の症状を呈し、
すぐに治療しないと
命に関わります。
ケトアシドーシスは
糖尿病である限り、
いつでもなる
恐れがあるので、
愛犬が糖尿病に罹患したら、
常に
様子を見れる環境を
つくる必要があります。
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・クッシング症候群
糖尿病に罹患すると、
クッシング症候群を
(副腎皮質機能亢進症)
併発する恐れがあります。
クッシング症候群とは、
身体の中の
コルチゾールというホルモンが
過剰になることで
引き起こされる病気です。
症状としては
- 「多飲多尿」
- 「腹囲膨満(お腹がぽてっとする)」
- 「多食」
- 「脱毛」
などがあります。
クッシング症候群は
糖尿病の
併発疾患として重要で、
この病気を併発していると
インスリン抵抗性が
(インスリンの効きが悪くなる)
出てきます。
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・甲状腺機能低下症
糖尿病に罹患すると、
甲状腺機能低下症も
併発する恐れがあります。
甲状腺機能低下症とは、
身体の中の
甲状腺ホルモンの分泌が
低下する病気です。
症状としては
- 「脱毛」
- 「活動性の低下」
- 「肥満」
などがあります。
甲状腺機能低下症は、
糖尿病の併発疾患として
クッシング症候群同様に重要で、
インスリン抵抗性を示します。
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犬の糖尿病の原因
人の糖尿病は、
- 「1型糖尿病」
- 「2型糖尿病」
- 「妊娠糖尿病」
- 「その他特定の機序・疾患による糖尿病」
の四つに分けられますが、
犬の糖尿病の原因は
明確には分かっていません。
人の分類でいえば
「1型糖尿病」に近いと
言われています。
しかし、
中年齢での発症が多いことから、
「2型糖尿病」に
近いのではないかという説もあります。
犬の糖尿病の治療法
インスリン療法
治療の中心は
インスリン療法です。
インスリンを打つことで
効率的にグルコースを
細胞に取り込むことが
できるようになります。
インスリンは
人工的につくられたもので、
犬の皮下に打ちます。
毎日打つ必要がありますので、
自宅で
飼い主さん自身が
打つことになります。
食事療法
食後の血糖値が
緩やかに上昇するような
食事が推奨されています。
一般的には、
低エネルギー・高繊維の
「減量食型」の食事です。
糖尿病のペット向け
療法食が
さまざまな会社から出ていますので、
かかりつけ獣医師と
相談しましょう。
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体重管理・運動療法
肥満は
インスリンの
抵抗因子の一つです。
肥満の場合は、
適正体重になるように
減量していきます。
食事制限とともに、
運動療法も
合わせて行うと
効率的に
減量を行うことができます。
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併発疾患の治療
「クッシング症候群」や
「甲状腺機能低下症」が
併発疾患としてある場合、
これらの病気の治療も
同時に行うことで、
糖尿病のコントロールが
安定化することがあります。
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避妊手術
避妊手術をしていない
女の子に関しては、
手術をすることで
インスリンの効きが
良くなる可能性があります。
女性ホルモンが
インスリンの効きを
悪くするといわれていますので、
避妊手術がまだの場合は
検討しましょう。
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犬の糖尿病の予防法
犬の糖尿病は、
肥満などの生活習慣が
関わっているともいわれています。
適正な体重に
管理することが
予防につながります。
そのために、
適切なごはん量を与え、
適切な運動を行いましょう。
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まとめ
犬の糖尿病は食事管理が大切
- 犬も糖尿病になります
- 糖尿病に罹患したら、
一生涯にわたって付き合う必要があります - 中年齢以降の女の子は要注意
- 適切なごはん量と運動で予防しましょう
糖尿病は、
一生涯治療が必要になる病気です。
少しでも
気になる症状があれば、
動物病院に行って、
しっかり診てもらいましょう。
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