犬の皮膚糸状菌症!感染経路や症状、治療法って?
公開日:2024/11/15 / 最終更新日:2024/11/15
犬の皮膚糸状菌とは
皮膚糸状菌を引き起こす菌種
皮膚糸状菌症を引き起こす菌種は
- 「土壌生息菌」
- 「動物寄生菌」
- 「ヒト寄生菌」
の3つに分類されます。
犬における
皮膚糸状菌感染の約9割が
「動物寄生菌」によるものであり、
残りの1割が
「土壌生息菌」によるものとされています。
「動物寄生菌」による
皮膚糸状菌症は、
飼育頭数が
過密状態の場所で飼われている犬や、
皮膚の抵抗力の弱い
幼犬時に感染することが多いです。
犬の皮膚糸状菌の主な感染経路
既に感染している犬との接触が
主な感染経路です。
繁殖場で蔓延している場合、
出身の子犬たちが
既に感染しており、
その子犬たちが
ペットショップに入ることで、
他の繁殖場から来た子犬も
感染を起こす事例が多くあります。
また、
土壌生息菌による
皮膚糸状菌症は
屋外でかかることが多いので、
足先や尻尾など
土と触れ合うところに
症状が出ることが多いです。
犬の皮膚糸状菌症の症状
犬の皮膚糸状菌の初期症状
菌は皮膚の表面に
病変を引き起こします。
皮膚表面では
白いフケが出てきます
(あまり気がつかないことが多いです)が、
菌が毛の根元の
毛根に入り込んだり、
被毛に感染し始めると
被毛は弱くなり、
折れたりちぎれたりすることによって
脱毛が認められます。
この段階でも
フケの状態が変わらないこともあるので、
気がつかない場合があります。
しかし
感染を伴う皮膚では、
脱毛が円形状に認められ、
皮膚は赤くなります。
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さらに感染が慢性化すると
他の場所に
同じような円形状脱毛が増え、
全身に広がって
円形状でなく
地図状脱毛と呼ばれる
状態になっていきます。
赤かったところが、
皮膚を掻くために
黒く色素沈着してくることもあります。
毛包に感染した
糸状菌から二次感染を起こすと、
(異なる細菌の感染)
化膿し赤く腫れ、
ひどくなると
膿が出てくるということになります。
感染が奥深くまで浸潤すると、
完治までの道のりは
遙か遠くなります。
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犬の皮膚糸状菌と症状の似た病気
脱毛やフケといった症状から、
細菌による
- 「膿皮症(皮膚にいるさまざまな菌の感染症)」
- 「ニキビダニ症」
- 「疥癬」
などに症状は似ています。
膿皮症やニキビダニ症は
いろいろなパターンがあるので、
見た目だけで判断するのは
難しいです。
皮膚に異常が現れたら
動物病院に連れて行きましょう。
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犬の皮膚糸状菌症の治療法
毛刈りをして、
感染している毛を
なるべく少なくすることが
大事になってきます。
毛が切れたり、
抜けたら、
生活空間の中に
感染した毛が
舞い散ることになります。
それは新たな感染源となり、
人にも
感染することがあるからです。
感染している犬には
抗真菌作用のある
シャンプーを使用し、
清潔に保ってあげる必要があります。
皮膚の表面にいる菌の数を
減らすことはとても大事です。
同時に
抗真菌薬を内服し身体の中から、
シャンプーで外から
治療してあげると
効果的に治療できることが
多いです。
外見上、
治ったように見えても
しつこく治療することで
完治が達成できます。
舐められない
耳の先や顔にできた場合は
抗真菌薬を塗布する
という方法が取られます。
人の場合は
これが治療の第一選択ですが、
動物の場合は
- 「毎日シャンプーするのが難しい」
- 「毛が生えていて薬が塗りにくい」
- 「塗った場所を舐めてしまう」
といったことが考えられるので、
内服が治療の
第一選択になることが多いです。
ただ顔周りは
シャンプーしにくい代わりに、
毛も薄く
舐められないので、
内服と外用薬で
治療していくこともあります。
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犬の皮膚糸状菌は感染予防が大切
健康な動物が
皮膚糸状菌にかかった場合、
多くは無治療でも
10~12週間ほどで
良くなるといわれています。
しかし
同居動物や
人が感染する可能性があるので、
その感染を予防しながら
早期に治療するべきです。
洗濯・消毒
部屋を掃除し、
感染している犬がよく使っている
マットなどの物を捨てるか
洗濯・消毒することは、
有効な感染予防策となります。
消毒は
キッチンハイターを
10~100倍希釈して、
霧吹きなどで吹き付け
10分放置してから拭き取りましょう。
毛刈り
「毛刈り」をするということも
他の動物に
感染しないようにするための
予防の一つです。
もちろん
毛刈りをした後は
ハサミやバリカンの消毒は
忘れずに行ってください。
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足裏のカットだけであれば、
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抗真菌シャンプー
同居動物がいる場合は、
抗真菌シャンプーで
1度は洗うことが推奨されています。
毛についたかもしれない
糸状菌を落とすことが
大事になるからです。
まとめ
犬の皮膚糸状菌の理解をすることが大切
- 皮膚糸状菌症は人畜共通感染症
- 感染している犬との接触が主な感染経路
- 痒みや円形状の脱毛、皮膚の赤みといった症状を引き起こします
皮膚糸状菌症は
環境中にも
菌がまき散らされるため
- 「毛刈り」
- 「洗浄」
- 「内服」
- 「飼育環境の清掃」
を行っても、
感染の終息に長い時間がかかる
厄介な病気です。
皮膚糸状菌にかかりにくい、
清潔な環境を保つことが
1番の
予防策と言えるでしょう。
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