犬の甲状腺機能亢進症!症状や原因、治療法って?

公開日:2024/10/15 / 最終更新日:2025/02/14
犬の甲状腺機能亢進症の甲状腺とは
甲状腺は動物種により
形と位置に違いがあります。
犬の甲状腺は、
のどの真下にあり、
代謝の調節を行う上で
もっとも重要な内分泌器官で、
甲状腺ホルモンを分泌します。
甲状腺ホルモンは、
全身に作用して
代謝を活発にさせる働きがあります。
呼吸やエネルギー産生、
熱産生などの基礎代謝を亢進させ、
心臓の変事、
変力作用の感度を上昇させます。
また、
成長ホルモンの効果を
増強させる機能もあります。

犬の甲状腺機能亢進症とは
甲状腺ホルモンの血中濃度の増加
および
代謝が亢進した結果の病態を
「甲状腺機能亢進症」といいます。
猫では
内分泌疾患の中で
最も多い疾患ですが、
犬では非常にまれな病気です。

犬の甲状腺機能亢進症の症状
犬の甲状腺機能亢進症は
以下の症状を示します。
- 体重減少
- 多食
- 食欲低下
- 行動の変化
(攻撃性が増す、異常に活発になる、
落ち着きがないなど) - 嘔吐
- 下痢
- 多飲多尿
- 元気消失
- 頻脈
猫の甲状腺機能亢進症と
同様な症状を示しますが、
あまり症状を示さない
傾向があります。
関連記事
犬が突然噛む!原因や対処法って?
関連記事
犬が吐く!原因や対処法って?
関連記事
犬の多飲多尿!原因や、対処法は?

犬の甲状腺機能亢進症の原因
この病気の原因は、
甲状腺機能低下症の治療中に、
過剰な投薬や
甲状腺の腫瘍に関連することが
多いです。
甲状腺機能低下症の
治療のために投与した
甲状腺ホルモン剤が
過剰であった場合、
甲状腺中毒を起こし、
甲状腺機能亢進症を
引き起こすことがあります。
また、
治療を受け、
薬を飲んでいる犬と
同居している犬が
食糞をすることで
甲状腺機能亢進症を
発症することもあります。
さらに、
犬の甲状腺機能亢進症は
甲状腺癌の約10~20%で発生し、
まれに
甲状腺腺腫の続発症としても
発生します。
これらの場合に
甲状腺機能亢進症の
症状がみられます。
関連記事
犬の甲状腺機能低下症!症状や、かかりやすい犬種って?

犬の甲状腺機能亢進症の検査
甲状腺機能亢進症を疑う場合は、
猫と同様に、
主に
「触診」と「血液検査」によって
診断します。
触診
のど(気管の両脇)にある
甲状腺が腫大していないかどうかを
手で触って確認します。
腫大していることを確認したときは、
甲状腺以外にも
膿胞、肉芽腫、唾液腺の粘液嚢胞腫
あるいは
リンパ節の腫大などの
可能性があるため、
鑑別診断を行います。
血液検査
一般的な項目に加えて
甲状腺ホルモンを測定します。
甲状腺機能低下症の治療中に
数値が高ければ、
甲状腺中毒を疑います。
その他の検査
猫と同様に
その他の検査を行います。
他の病気がないかどうか、
腫瘍の場合は
転移していないか、
さらに、
甲状腺機能亢進症によって引き起こされる
- 「高血圧」
- 「心筋肥大」
- 「眼の異常(眼底出血、網膜剥離)」
などがないかどうかを
確認するために、
- 「細胞診」
- 「病理組織学的検査」
- 「超音波検査」
- 「X線検査」
- 「尿検査」
- 「眼科検査」
- 「血圧測定」
などを行います。
関連記事
犬の尿検査!検査方法って?

犬の甲状腺機能亢進症の治療法
甲状腺に腫瘍がある場合は、
外科手術、化学療法
または
放射線療法を組み合わせたり、
単独で治療します。
甲状腺機能低下症の治療のために
投与した甲状腺ホルモン剤が過剰で
甲状腺中毒を起こしている場合は、
症状が改善するまで
投薬を中止します。
再開するときに
投与量を調整したり、
投与回数を減らしたりする
必要があります。

犬の甲状腺機能亢進症の予防
犬の甲状腺機能亢進症は
非常にまれな病気です。
しかし、
普段から愛犬の様子を
よく観察することで、
早期発見・早期治療につながります。
この病気だけでなく、
少しでも愛犬の変化や
異常に気がついたら、
速やかに
動物病院へ連絡し、
獣医師と診察方法や
治療方法について
相談しましょう。

まとめ
犬の甲状腺機能亢進症は犬では珍しい病気です
犬の甲状腺亢進症は
とてもまれな症例で、
(犬での発症率は2%以下)
聞いたことがない飼い主さんも
たくさんいると思います。
このような病気があることを
知っていただければ幸いです。

スポンサーリンク



「犬の僧帽弁閉鎖不全症」カテゴリーの関連記事
「犬の副腎皮質機能低下症」カテゴリーの関連記事
「犬の甲状腺機能亢進症」カテゴリーの関連記事
「犬の甲状腺機能低下症」カテゴリーの関連記事
「犬の短頭種気道症候群」カテゴリーの関連記事
「犬の肺動脈狭窄症」カテゴリーの関連記事
「犬の脳腫瘍」カテゴリーの関連記事
「犬の腸閉塞」カテゴリーの関連記事
「犬の腹膜炎」カテゴリーの関連記事
「犬の膀胱炎」カテゴリーの関連記事
「犬の顔や体が腫れている」カテゴリーの関連記事