犬の熱中症の症状とは?
公開日:2021/06/10 / 最終更新日:2023/11/07
犬の熱中症予防の必要性
犬と猫の熱中症に関する調査を行った結果、
「ペットも熱中症にかかることがあることを知っている飼い主さんは約8割いる」ものの、
「約2匹に1匹は熱中症の症状が疑われたことがある」という結果が出ています。
つまり、犬も熱中症になることを知っているにも関わらず、
予防しきれていないのが現状です。
犬の熱中症の場合、
緊急的に病院を訪れる約5割が死亡していると報告されています。
「うちの子は大丈夫」と思っても加齢に伴い、
体力もなくなっていくため、
改めて熱中症予防というものを考えていきましょう。
犬の熱中症予防のための基礎知識
・人と犬の体感温度の違い
アスファルトなどの地面に近づくほど温度は高くなるため、
犬は私たちが体で感じている温度の5~17℃も
高い温度の中で歩いています。
散歩する際は
「陽が出ていない時間帯に散歩をする」
「なるべく日陰を歩かせてあげる」
「こまめに水分補給をさせる」
などといった対策をしましょう。
・犬の体温調節方法
犬は暑いとき、舌を出しながら
「ハァハァ」とすることがあります。
これを「パンティング」と呼びます。
犬は、舌を出して呼吸を浅く速くし、
唾液を蒸発させて熱を逃すことで体温を下げているのです。
愛犬がパンティングをしていれば
「暑がっている」状態です。
唾液を蒸発しすぎると水分が足りなくなるため、
同時に水分補給をすることが大切です。
・熱中症になりやすい時期は7月~8月
犬が熱中症になりやすいのは7月~8月です。
夏真っ盛りの時期はもちろん、
梅雨明けで急激に暑くなり、
体の準備が整っていないときに
熱中症になるということも起こり得ます。
7月~8月以外でも犬は
熱中症にならないとは断言できないため、
愛犬がハアハアとパンティングをしていれば
室温調整や除湿などをこまめに行ってあげてください。
・実は家の中のほうが要注意
「熱中症」と聞くと、外出時に気をつければいいと思いがちですが、
実は家の中で熱中症を起こす割合は全体の7割で、
外の散歩時よりも多いデータが出ています。
飼い主さんが自宅にいる場合は
愛犬の様子を見ながら室温調整できますが、
お留守番をさせる場合は家の中では
「クーラーで室温調節をする」
「風通しの良い日陰の場所を用意してあげる」
など、熱中症対策を心がけましょう。
万が一のことを考え、
室温が見れる場所に見守りカメラの設置をしているとなお安心です。
犬の熱中症の症状
軽度~中程度の症状
- 呼吸が荒くなる
- 流涎(よだれを流す)
- 立ちすくみ、ボーッとしている
- ふらつく
- ぐったりして元気がない
重度の症状
- 嘔吐
- 下痢
- チアノーゼ(歯茎が白くなり、舌や粘膜が青紫になる)
- 痙攣
- 失神・昏睡状態
重度の症状が現われるると、
死亡に至る可能性があります。
体温が40~43℃になると非常に危険な状態です。
犬が熱中症になった場合の応急処置
・意識がある場合
体温が39℃になるまで流水をかけてください。
氷水をあげる飼い主の方がいますが、
氷水は逆効果になるため、気をつけましょう。
・意識がない場合
すぐに動物病院に連れて行きましょう。
その際に、可能であれば気道をふさがないように
舌は外に出した状態で運んであげてください。
同時に
「首」「脇の下」「股」など、
太い血管がある部位にタオルなどで包んだ保冷剤をあて、
冷やすようにしてください。
このとき、体温が38℃以下になるほど冷やすと
逆効果になるため、
冷やし過ぎないように注意しましょう。
動物病院に連れていく前に、
動物病院へ連絡を入れると救命率がさらに上がります。
犬の熱中症予防・対策方法
・日常の熱中症予防・対策
こまめな水分補給、
いつでも水が飲めるような環境をつくりましょう。
また、体を冷やしたりできる暑さ対策グッズを利用しましょう。
・散歩時
まず前提として、
陽が出ていない時間帯を選びましょう。
もし陽が出ている場合はコンクリートを手で触り、
歩ける状態かを確かめましょう。
ヤケドをしてしまう危険もあります。
そのため、できる限り、日陰を歩かせましょう。
また、車でお出かけ時は、
絶対に車で留守番させることは避けましょう。
・在宅時
室内の温度は
愛犬が呼吸状態が安静を保てる温度
(23~26℃)に保ちましょう。
また、湿度は45~65%を保ちましょう。
エアコンがない場所では
風通しの良い日陰の場所をつくり、
常に愛犬の様子が伺えるような場所で、
留守番時も見守りカメラなどを設置してあげましょう。
犬の熱中症まとめ
- 熱中症は重篤化すると死に至ります
- 散歩は陽が出ていない時間帯に
- 室内でも熱中症になる恐れがあります
- 室温は23~26℃、湿度は45~65%を心がけましょう
「予防に勝る医療はない」というほど、
予防は何よりも大事です。
暑い季節だけが危険だとは限りませんので、
きちんと知識を持って犬と楽しい夏を過ごしてください!
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