犬の火傷の症状や応急処置!
公開日:2022/12/15 / 最終更新日:2024/04/02
犬の火傷(やけど)とは
犬の火傷(やけど)の定義
以前は「火傷」といわれていましたが、
現在は「熱傷」といい、
熱によるもの全般による
皮膚へのダメージと
定義されています。
犬の低温やけどとは
熱傷の一つである
低温やけど。
短時間であれば
問題ない程度の熱が、
長時間の持続した
皮膚への接触によって
引き起こされます。
一般的には「低温やけど」
と呼んでいる方もいますが、
火傷同様、「熱」による
皮膚へのダメージとして
「低温熱傷」と表記するほうが
正しいでしょう。
低温熱傷は
犬自身はもちろん、
飼い主さんも
気づかないうちに
なっていることが多いです。
犬の火傷(やけど)で気をつけたい年齢
熱傷はどの年齢でも
起こり得ますが、
子犬、老犬は
特に注意が必要です。
子犬の場合、
コンセントをかじって
感電と同時に、
口の中に熱傷を負ったり、
老犬の場合だと、
感覚が鈍感なため
長時間、熱にあたって
低温熱傷になったりする
可能性があります。
犬の火傷(やけど)の原因
犬の火傷(やけど)は
以下のように、
身近なところに潜んでいます。
- 真夏のアスファルトの熱
- 熱いものを誤飲
- コンセントをかじる
- お風呂やシャワーの温度
- 日光を浴びすぎる
どれも飼い主さんの
心がけ一つで
予防できるものです。
犬の火傷(やけど)の実例紹介
実例1
皮膚の低温熱傷
<原因>
コタツが原因で、
低温熱傷になりかけた犬がいました。
最初の主訴は
「背中の毛が抜けて剥げてきた」でしたが、
飼い主さんに詳しく聞くと、
ずっとコタツの
一番いい場所を陣取って
寝ているとのことでした。
<症状>
背中の皮膚が赤みを帯び、
毛が薄く、
乾燥が見受けられました。
低温熱傷は44~50℃程度の
熱源に長時間接触することにより
起こる熱傷です。
初期は
赤くなっているだけですが、
7~10日くらいから
かさぶたができ、
ひどくなると水疱、
潰瘍へと皮膚症状が出てきます。
<対応>
原因であるコタツを
一旦片付けてもらい、
脱毛は改善されました。
実例2
感電による口内の火傷
<原因>
コンセントをかじって
感電したことにより、
硬口蓋の奥に穴が開いた
犬がいました。
<症状>
感電すると、
口の中に水疱や
びらんを起こすことがあります。
今回の犬の場合、
最初は赤くなっていただけですが、
次第にその部分が白っぽくなり、
硬口蓋の組織が
落ちてしまったのです。
そうなったことによって、
食べたものが
鼻に直結する状態になりました。
<対応>
穴が大きい場合は、
手術したり、
マウスピースのようなものを
作ってはめておくということが
必要になってきます。
実例3
感電による肺の火傷
<原因>
コンセントをかじって
感電したことにより、
口の中の熱傷以上に、
肺へのダメージが
深刻になったことがありました。
<症状>
電流により、
肺の細い血管が障害を受け、
肺胞という
酸素と二酸化炭素を
交換するところに
水が溜まることがあります。
こうなると
酸素交換もうまくいかず、
半分水の中におぼれているような
息苦しさを感じ、
最悪の場合は死に至ります。
<対応>
感電して肺水腫になった犬は、
幸い肺へのダメージは軽く、
点滴やステロイドなどの投与で
改善されました。
もし感電しているのを見かけて、
すぐに助けようとしたら
飼い主さん自身も
感電する恐れがあるため、
ブレーカーを落としたり、
ゴム手袋をしたりして、
感電している犬に
直接触らないようにしてください。
実例4
日光による熱傷
<原因>
被毛の色の薄い犬が
日光に当たりすぎると
- 「日光弾力繊維症」
- 「日光性皮膚炎」
などと呼ばれる
皮膚病になることがあります。
<症状>
日光に当たりすぎたために、
皮膚の細胞が損傷し
皮膚炎になるのですが、
ただの皮膚炎と
あなどってはいけません。
熱傷にはグレードがあり、
日光による皮膚炎は
グレードⅡ度に値します。
熱傷のグレード
皮膚のどこまでのダメージか
- Ⅰ度 表皮まで 皮膚が赤くなる
- Ⅱ度 真皮まで 水疱ができる
- Ⅲ度 皮膚全層 一見普通の皮膚だが
痛みを感じない。皮膚移植が必要
皮膚が赤くなったり、
かさぶたができたりするくらいであれば、
短期的に見ると
たいした影響はないように思われます。
しかし、
皮膚の細胞への
損傷が重なることで、
皮膚に癌が発生する
恐れがあります。
犬の火傷(やけど)の応急処置
もし熱湯などで
皮膚に熱傷を負った場合は、
すぐに患部を
冷やしてください。
患部が口の中の場合は
冷やすことができないので、
かかりつけの病院へ
行きましょう。
まとめ
- 熱傷は身近なところに潜んでいます
- 子犬・老犬は特に注意しましょう
- 愛犬が熱傷を負った場合は患部を冷やすか、すぐに病院へ
- 犬の熱傷は飼い主さん次第で予防できます
予期せぬことは
あるかと思いますが、
犬の熱傷は
飼い主さんが少し気を配るだけで
予防できることです。
愛犬のために、
予防できることは予防し、
気になることがあれば
早急に動物病院に
連れて行きましょう。
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