犬の水晶体脱臼!症状や原因、治療法って?

公開日:2025/03/18 / 最終更新日:2025/03/19
犬の水晶体脱臼とは
犬の水晶体脱臼とは、
固定されていた
水晶体が外れ、
前後に移動してしまうことです。
水晶体は
カメラのレンズのような
役割があり、
厚さを変えることで
ピントを調節し、
入ってきた光を正しく
網膜に届けます。
水晶体は通常
「チン小帯」と呼ばれる
靭帯によって支えられ、
チン小帯が
引っ張る力を変えることで
厚さを変化させています。
そのチン小帯が先天的、
もしくは
後天的にゆるくなってしまうと
水晶体が外れ、
正常な位置から
ズレてしまいます。
前にズレると
「前方脱臼」、
後ろにズレると
「後方脱臼」と呼び、
チン小帯から
完全に外れていない場合は
「水晶体亜脱臼」と呼びます。
前方と後方では
前方のほうが重症で、
犬は
強い痛みを感じ、
緑内障を併発したり、
水晶体が角膜を突き破って
飛び出したりします。
後方では
痛みを感じることは
少ないものの、
いずれも放置すれば
失明する
可能性があります。
水晶体脱臼になりやすい犬種
水晶体脱臼は
成犬からシニア犬(老犬)で
多く見られます。
犬種では
- テリア種
- ボーダーコリー
- ミニチュアシュナウザー
- プードル
- ジャーマンシェパード
などで多く見られ、
遺伝性が疑われます。

犬の水晶体脱臼の症状
水晶体の前方脱臼では
以下のような症状が
見られます。
- 目の痛み
- 目を細める・しょぼしょぼする
- 充血
- 角膜の濁り(角膜浮腫)
- 視力の低下
前方脱臼は
変化が分かりやすく、
飼い主さんが
見た目の異変に気づくことが
少なくありません。
角膜を突き破ってしまうと
眼球摘出に
なってしまいますので、
何か変わったことがないか
日頃から愛犬の目を
見るようにしてください。
後方脱臼では
犬が痛がる様子や
見た目の変化が起こりづらく、
「緑内障」や「網膜剥離」
「ぶどう膜炎」など
合併症の症状で
気づくこともあります。

犬の水晶体脱臼の原因
水晶体脱臼は
原発性(先天的な問題)と、
続発性(後天的に何かしらの影響を受けて発症)
に分かれます。
原発性
原発性では、
先天的に「水晶体が小さくチン小帯が支えられない」
もしくは
「チン小帯がゆるく外れやすい」といった原因が
考えられます。
両目で同じ問題が起きている
可能性もあります。
続発性
続発性では、
外傷や薬剤の過剰使用、
目の病気に伴って起きる
可能性があります。
水晶体脱臼の原因になりやすい
主な病気は
以下の通りです。
- 緑内障
- ぶどう膜炎
- 白内障
- 腫瘍

犬の水晶体脱臼の治療法
水晶体脱臼の治療は
前方脱臼と後方脱臼で
方針が異なります。
前方脱臼の治療法
前方脱臼の場合は
犬が痛みを感じやすく、
緑内障を併発したり
角膜を傷つけて
飛び出したりして
失明する可能性があるため
早期に
摘出手術をする必要があります。
摘出手術と聞いて
不安になる
飼い主さんも多いとは思いますが、
水晶体が無くなったとしても
視力が
ゼロになるわけではありません。
以前ほど
はっきり見えなくなるとは
思いますが、
犬は
聴覚や嗅覚が優れているため
人間が思うほど
不便さは感じないでしょう。
放置して悪化すれば
眼球摘出の
リスクもあります。
自然に治るものでは
ありませんので、
できるだけ早く
処置を行うことを
オススメします。
後方脱臼の治療法
後方脱臼の場合は
前方脱臼ほど
痛みを伴わないため、
飼い主さんが
目の充血や腫れ(眼圧の上昇)といった
異変を感じて
動物病院を訪れ、
発覚するケースが少なくありません。
前方脱臼に比べれば
緊急度は低いものの、
放置すれば
緑内障や網膜剥離につながったり
前方脱臼に
移行したりします。
そのため
水晶体が前方に移動しないよう
瞳を小さくする
「縮瞳薬(しゅくどうやく)」を使います。
縮瞳薬の使用は
一時的な処置になりますので、
後方脱臼でも
最終的には
水晶体の摘出手術を行います。
水晶体の摘出手術
眼科に強い動物病院で
水晶体の摘出手術を行っている
場合もありますが、
専門の設備と
技術が求められるため、
基本的には
二次診療を行っている
専門病院での
手術となります。
費用は
病院によって異なりますが、
15~30万円が
目安になるでしょう。

まとめ
- 水晶体脱臼は前方か後方かで緊急性が変わる
- 前方脱臼は早急な摘出手術が必要
- 原因は先天性と病気に起因する場合がある
犬の水晶体脱臼は、
水晶体を支える靭帯に
問題が起きて
水晶体が外れて起こります。
外れた方向が
前方か後方かで
緊急度が変わりますが、
いずれにしても
緑内障や
網膜剥離のリスクがあるため
早めの摘出手術が
必要です。
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