犬の捻挫!足をかばっているときは要注意!
公開日:2025/01/08 / 最終更新日:2025/01/08
犬の捻挫とは
犬の捻挫の定義
捻挫の定義は
資料によって微妙に
定義が異なっていますが、
「骨と骨をつないでいる靭帯のケガ」
を捻挫として、
お話します。
犬の靭帯とは
靭帯は
骨と骨をつないでいる
強力な線維です。
コラーゲン線維で
構成されていて
関節の安定性に関係しています。
この靭帯のおかげで
関節を構成している骨同士は
バラバラにならないで
済んでいます。
靭帯は
線維と同じ向きの力に対して
耐える能力が高いです。
しかし、
靭帯に急に
大きな力がかかったり、
ねじれたり、
伸ばされ過ぎたりするとケガ、
いわゆる
損傷の原因になります。
犬の捻挫のグレード分類
靭帯の損傷程度により、
捻挫は
3つのグレードに分類されます。
- グレード1(軽度)
コラーゲン線維の数本が損傷した状態、
患部の出血や腫れは最小限です。
靭帯の機能障害はほとんどありません。 - グレード2(中度)
損傷したコラーゲン線維が多く、
広範囲な血腫や関節が少しグラグラします。
靭帯の機能はまだ残っています。 - グレード3(重度)
靭帯の部分または完全断裂と、
靭帯がくっついている骨の剥離骨折を起こしています。
靭帯の機能はありません。
関節のぐらつきまたは脱臼が認められます。
犬の捻挫の症状
痛めた関節の足を
かばいながら歩きます。
捻挫が軽度なら
接地して歩くか、
少しかばう程度です。
靭帯損傷が重度なら
足は上げっぱなしになります。
捻挫を起こした関節は
腫れて、
触ると痛がります。
捻挫に似た整形外科疾患
捻挫は
他の関節疾患と
判別が難しいこともあります。
足をかばいながら歩く
その他の
代表的な整形外科疾患は、
以下が挙げられます。
- 骨折
- 膝蓋骨脱臼
- 股関節形成不全
- 肘異形成
- 肩関節不安定症
- 椎間板ヘルニア
- 変性性腰仙椎狭窄症
その他にも
さまざまな原因で
足をかばうことがありますので、
愛犬の歩き方が「おかしい」
と思ったら
整形外科に精通している
動物病院で
受診することをおすすめします。
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犬の捻挫の検査・診断方法
犬の捻挫の診断には
レントゲンが
有効なことが多いです。
捻挫は
靭帯の損傷ですので、
多くは
受傷した靭帯の名称が入った
診断名となります。
診断名が「捻挫」となる場合は、
グレードが1などで受傷した靭帯が
はっきりとわからないときなどです。
犬の捻挫の治療法
軽度な場合
軽い捻挫なら
安静にすることで
自然治癒することが多いです。
- 「患部を冷やす」
- 「痛み止めの服用」
も有効です。
重度な場合
重度な捻挫、
つまり靭帯断裂や
剥離骨折の場合は
手術が必要なことが多いです。
「手術するべきか」もしくは
「サポーターなどで治療するべきか」は
獣医師の判断となります。
整形外科症例の経験豊富な
獣医師の受診を
お勧めします。
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軽い捻挫の冷やし方
用意するもの
- ジップロックなどの保存袋
- 保冷剤(氷で代替可)
方法
1、氷のうを作る
ジップロックに水を入れて、
氷のうを作成してください。
2、患部に当てる
氷のうを患部に当てます。
挟み込める関節なら、
全周を覆うように当てましょう。
注意点
1箇所、10分までを
1日2~3回実施してください。
10分以上の冷やしすぎは
逆効果になる恐れがあります。
犬の捻挫の治療薬
一時的な痛みの緩和には
痛み止めを使用します。
代表的なものは
非ステロイド性消炎鎮痛剤です。
必ず犬用の薬を
使用してください。
まれに
人間用の痛み止めを
服用させる方がいますが、
動物には
有害のため、
絶対に
与えないようにしましょう。
軽度な靭帯損傷は
安静にしていれば
改善が見込めるので、
その期間の痛みを抑えることが
目的です。
残念ながら
靭帯そのものを治す薬は
ありません。
まとめ
- 捻挫とは、靭帯の損傷のことをいいます
- 靭帯の損傷程度によって、捻挫は3つのグレードに分類されます
- 犬が捻挫した場合、足をかばうような歩行になります
- 捻挫が軽度な場合は安静に、
重度な場合は獣医師と治療を相談しましょう
犬の捻挫は
注意してれば
予防できることも多いです。
もし愛犬が
捻挫してしまった場合は、
捻挫が軽度か重度かは
獣医師が判断するので、
飼い主さんの
自己判断はせずに、
愛犬の
歩行の様子がおかしかったら
動物病院で
受診することをおすすめします。
事故やケガに注意して、
楽しい
愛犬との時間をお過ごしください!
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