犬の問題行動ってなぜ起こるの?
公開日:2021/10/12 / 最終更新日:2024/01/10
犬の問題行動とは
「問題行動」というと
犬が問題と捉えられがちですが
「問題行動」と呼ばれるかどうかは、
人が問題と感じるか
どうかがポイントになります。
犬にとっては
自然な行動であっても、
飼い主さんにとって困る行動であれば、
どんな行動であれ
「問題行動」と呼ばれることになります。
ですから「犬の問題行動」
と言ってしまうのは、
あまりお勧めできません。
より正確には
「人と犬の間で起こる問題行動」
と捉える方が良いでしょう。
「人と犬の間で起こる問題行動」には
以下のような行動があります。
- 甘噛み
- 無駄吠え
- トイレが覚えられない
- 食糞行動
- 飛びつき
犬の気持ちがわかれば問題行動は減る?
問題行動は理由なく
発生するものではありません。
犬としては、
何かのメッセージを
飼い主さんに伝えたくて
その行動をしているのかもしれません。
犬がなぜその行動を
するのかという理由が分かれば、
適切な対策ができるため、
問題となっている行動自体を
減らすことができます。
また、行動の理由を
飼い主さんが理解することで、
飼い主さん自身が納得し、
問題だと思わなくなるという
ことのほうも大きいでしょう。
問題行動の種類と原因
甘噛み
甘噛みの原因は千差万別。
甘噛みだからといって、
不適切な対応をすれば、
より強度の強い咬みつきに
発展することもあります。
まずはどんな原因(理由)で
噛んでいるのか理解しましょう。
【原因1】構ってほしくて
飼い主さんがテレビや
スマホを見ている時に
噛まれているのであれば、
それは、飼い主さんの
関心を引こうとして
噛んでいる可能性が高いです。
無視されて放っておかれたら
犬は退屈を持て余してしまいます。
犬としっかり遊んであげて、
相手にできない時は
ケージに戻すようにしましょう。
【原因2】興奮が強くなりすぎて
ケージから出した後、
走り回って運動会になってしまい、
その興奮のまま
飼い主さんに咬みついてくる
なんてことあると思います。
あるいはロープ遊びで
興奮して噛んでくるということも。
興奮が強くなり、
飼い主さんとの取っ組み合い遊びが
したくなる犬も少なくありません。
興奮は制御できるようにしていく
必要があります。
【原因3】撫でられるのが嫌
飼い主さんが
「お利口さん!」と言いながら、
激しく顔回りを撫でた時に、
咬みついてくるようなら、
それは撫でられるのが嫌な証拠です。
なぜか飼い主さんの中には、
犬の顔回りを激しく
ワシャワシャ撫でて、
ほめようとして
それをやってしまっている人がいます。
しかし、顔回りを
ワシャワシャ激しく触られるのが、
犬にとって心地よいかというと
必ずしもそうではありません。
顔の近くに手をかざして、
歯を当ててくる場合や
顔をそむける場合は要注意です。
【原因4】抱っこやブラシが嫌
ブラシや抱っこをしようとすると
「逃げる」「噛む」
ということもあります。
これはブラシや
抱っこが嫌だという
表現かもしれません。
無理やりブラシをした経験や、
無理やり抱っこしている場合、
その傾向が強くなることも。
ブラシや抱っこは、
おやつを使いながら、
犬自身が受け入れられるように
馴らしていくことが大切です。
【原因5】体罰的なしつけをしている
マズルをつかんで
- 「キャンというまで離さない」
- 「犬を仰向けにひっくり返して叱る」
といったしつけという名の
体罰を行っていると、
飼い主さんや手に対して
恐怖心を関連付け、
手の接近に対して
恐怖や葛藤から
咬みつくようになることはよくあります。
飼い主さんが
体罰的なしつけを行うことは、
百外あって一利なしです。
※マズルとは?
マズルとは、ワンちゃんの顔の先端
口周りか鼻先にかけての部分で、
口吻と呼ばれる口先の部分のことです。
ワンちゃん以外にも、
例えば馬の口先の部分もマズルと呼ばれます。
一方で、猫の口先の部分は
正確にはマズルとは呼ばれません。
吠え
「無駄吠え」なんて言われますが、
犬に取っては無駄な吠えなど
一つもありません。
吠えは犬の意思表示であることを
理解しなければならないでしょう。
しかし、犬がどうして
吠えているのかが分からないと、
間違った対応をして、
吠えを強化してしまう場合もあります。
無駄吠えは、吠えるたびに叱ったり
押さえつけたりするのではなく、
どうして吠えているのかを
理解してあげることが
問題解決の近道です。
トイレが覚えられない
「犬がトイレシートで排せつできない」ということも、
飼い主さんを悩ませる
行動の一つです。
犬はもともと巣穴の中で
生活していた動物です。
寝床としている穴の中で
排せつすることは、
衛生的に良くないことを
知っているため、
必ず外へ出て排せつをします。
母犬が子犬のお尻などを舐めて
排せつを促し、
そのまま食べてしまうことにも
そういった理由があります。
食糞行動
【原因1】トイレが汚い
犬はきれい好きな動物です。
トイレシートが
いつまでも汚れたままだと、
自分で食べて
片付けることがあります。
排せつしたらすぐに
片付けてあげましょう。
【原因2】おいしいにおいがする
フードによっては、
便になっても
おいしい匂いがするから
食べるということがあります。
獣医師に相談して
フードを変えてみましょう。
【原因3】飼い主さんにかまってもらえる
便を食べることで、
飼い主が「ダメ!」などと
反応してかまってくれると
知っているため、
わざと食糞をすることがあります。
それでも食糞をしてしまったときは、
怒ったりせず静かに片付けてあげましょう。
【原因4】お腹が空いている
ごはんの量が足りない場合に、
仕方なく
うんちを食べることもあります。
ごはんの量は最適かどうか、
愛犬の体重から
食事の量を見直してあげましょう。
【原因5】癖になってしまった
食糞をするきっかけを
取り除いてもする場合は、
食糞をすることが
癖になってしまっていることが考えられます。
排せつをしたら
食糞する前に名前を呼び、
おやつをあげて
たくさん褒めてあげましょう。
飛びつき
飼い主さんが帰ってきたときなど、
嬉しくて飛びついてくる行動も
問題となることがあります。
小型犬の場合は
問題だと感じる人は
少ないと思いますが、
中型犬・大型犬となると
飛びつかれただけで
転んでしまうこともあります。
ダックスフンドや
コーギーなどの胴の長い犬種は
ヘルニアなどの病気を引き起こす
可能性がありますし、
プードルでは
飛びついた拍子にバランスを崩して
骨折なんてことも考えられます。
早期に対策をとることをおすすめします。
【原因1】興奮して飛びつく
飼い主さんが帰ってきて
嬉しいときや、
興奮したときに飛びついてきます。
歓迎の意味もあるため、
一概に無視すればいいかというと、
それも切ないですよね。
飛びついてきた時に
構うのではなく、
オスワリを誘導して
おやつを与えるようにして、
適切な行動を誘導していくと
良いでしょう。
【原因2】欲しいものが高い位置にある
机に飛びつくというパターンでは、
おやつやおもちゃなど、
欲しいものが机の上にあるときに
飛びついてきます。
飛びついてほしいものが
得られた経験があると、
繰り返し飛びつくようになっていきます。
何より机の上のものを取らせない、
飛びついてもいいことがない
ということを教えていくことが必要です。
1回でも成功すると、
しつこくやるようになるので、
注意が必要です。
まとめ
- 犬の問題行動には必ず理由があります
- 理由を理解した上で、しつけの方法を考えましょう
いろいろな問題行動がありますが、
犬種や愛犬の性格によっても
行動の理由が変わってきます。
まずは、どういった場面で、
どういった行動をするのか。
どうしたら行動が収まるのかを
よく観察してあげましょう。
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