犬の口腔腫瘍!特徴や予防法って?
公開日:2024/08/13 / 最終更新日:2024/08/13
犬の口腔腫瘍とは
飼い主さまが
愛犬の口の腫瘍に
気付くきっかけには、
口臭やよだれ、
口腔内の出血などがあります。
直接腫瘤を
発見されるケースもあります。
見た目や大きさだけでは
悪性度の判断は困難で、
手術の内容も
腫瘍の種類によって異なります。
例えば
良性の腫瘍で
顎ごと大きく取るような
手術を選択するのは
過剰な手術と言えますし、
逆に悪性腫瘍で
見えているしこりだけ
取るような手術は
再発を招き、
適切な手術とは言えません。
通常は
治療を開始する前に
腫瘤を一部切除し、
顕微鏡で観察して診断する
病理検査を行います。
病理検査を行うためには、
通常麻酔をかける必要がありますが、
治療方針の決定のために
病理検査は
とても重要です。
この検査の結果によって、
手術で治るものなのか、
放射線治療や抗がん剤も
検討する必要があるのかなどの
治療方針を決定します。
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犬の口内にできる主な腫瘍
犬の口にできる
主な腫瘍として、
良性腫瘍の場合は
- 線維腫性エプリス
- 骨形成性エプリス
などが挙げられます。
悪性腫瘍の場合は、
- 悪性黒色腫
- 扁平上皮癌
- 線維肉腫
- 骨肉腫
- 棘細胞性エナメル上皮腫
などが挙げられます。
犬の口腔腫瘍それぞれの特徴
それぞれの
口腔腫瘍について、
詳しく解説します。
線維性エプリス、骨形成性エプリス
エプリスとは
歯肉腫のことで、
線維性エプリスと
骨形成性エプリスは
良性の口腔内腫瘍です。
犬でよく見られる
腫瘍です。
良性腫瘍なので
転移することはありません。
治療は局所治療で、
腫瘍を切除することで
通常は治癒します。
骨浸潤(※)も起こらないため、
通常は
顎ごと切除するような
大掛かりな手術を必要としません。
※骨浸潤(こつしんじゅん)
がん細胞が骨に侵入し、骨を破壊していくこと。
悪性黒色腫(メラノーマ)
犬の口腔内悪性腫瘍で
最も多いのが
悪性黒色腫です。
通常は
中高齢で発生し、
歯肉周辺、口唇、
舌などに発生します。
症状は
- 「口臭」
- 「口からの出血」
- 「食べにくそうにする」
などがあります。
骨浸潤、
遠隔転移を起こすため、
非常に治療が困難な
腫瘍です。
骨を含めた
腫瘍の切除や
放射線治療などを組み合わせて
局所の腫瘍の
治療を行いますが、
転移が出てくる可能性が高いため
局所治療を行った後に、
抗がん剤や免疫療法などの
追加治療が
必要となります。
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扁平上皮癌
扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)は、
犬の口腔内悪性腫瘍で
2番目に多い
腫瘍とされています。
通常は
歯肉組織に発生しますが、
舌や扁桃に
発生することもあります。
症状は
- 「口臭」
- 「口からの出血」
- 「食べにくそうにする」
などです。
骨浸潤を
高確率で起こすため、
治療として
顎を含めた腫瘍の切除、
放射線治療などが
必要になります。
遠隔転移することは多くないため、
局所治療が
非常に重要です。
しかし
扁桃(へんとう)の扁平上皮癌は
高確率で転移を起こすため、
術後も追加治療が
必要となることが多いです。
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線維肉腫
犬の口腔内線維肉腫は、
口腔内悪性腫瘍で
3番目に多い腫瘍とされています。
通常は歯肉から発生して
増大します。
硬口蓋(※)に拡がることも
しばしばあります。
※硬口蓋(こうこうがい)
口の天井部分の前方
3分の2ほどを占める硬い部分のこと。
症状は
- 「口臭」
- 「口からの出血」
- 「食べにくさ」
などです。
骨浸潤が高確率に起こり、
病巣も広範囲になりやすいため
顎を含めた切除と、
放射線を組み合わせて
局所の病巣を抑え込む治療が
必要となることが多いです。
遠隔転移は
初期では少ないですが、
局所治療中に
転移が発見されることもあります。
大型犬で発生することがある
高分化型線維肉腫は
病理検査だけでは
正確な診断ができないことがあり、
飼い主さまの
稟告(りんこく)どんな状態かの申告)、
腫瘍の増殖スピード等を考慮して
総合的に
診断する必要があることがあります。
骨肉腫
口腔内の骨肉腫は
犬の顎骨(がくこつ)で
発生することがあります。
症状は
- 「顎の腫脹」
- 「痛み」
- 「食べにくさ」
などです。
骨破壊が起こり、
転移の可能性もあります。
治療は顎を含めた
腫瘍の切除や放射線、
術後の抗がん剤を組み合わせることが
多いです。
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犬の口腔腫瘍の予防方法
口腔腫瘍は
予防することが困難です。
また
口の中という
限られた場所で腫瘍が大型になり、
浸潤や転移を起こし始めると
治療は
非常に困難になってしまします。
しかし
早期発見し治療することで、
たとえ将来的に
転移が起こる可能性があっても
十分な治療ができれば
できる限り快適に
毎日を送るようにすることは
可能です。
中高齢になったら
全身の健康診断や
口腔内観察など、
早期発見のために
日々のちょっとした習慣が
有効です。
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まとめ
犬の口腔内腫瘍は早期発見・早期治療が大切
犬の口腔内腫瘍の治療は
まず
腫瘤を見つけることから
始まります。
口の中は
なかなか見る機会が少ない場所なので
どうしても発見が遅れ、
発見した時には
転移が起こっていたり、
広範囲に浸潤してしまっていることが
多々あります。
口腔内腫瘍は悪性度が高く、
治療が困難なタイプのものが
多いです。
口臭や出血、
食べにくさなどが気になる時は
早めに
獣医師に相談することを
お勧めします。
治療開始の前には
病理検査、血液検査、時にはCT検査など、
さまざまな検査が
必要となることが多いです。
手術も大掛かりになることが
しばしばあります。
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その上、
手術しても
完全に治る訳ではなく
遠隔転移の可能性があり、
抗がん剤などの治療が
必要となることもあります。
「遠隔転移するなら局所治療はしない」と
おっしゃる飼い主さまも
いらっしゃいますが、
口腔内の腫瘍を放って置くと
壊死した腫瘍に感染が起こり、
出血も重なって
ひどい状態になってしまいます。
口腔内腫瘍と診断されたら
担当獣医師とよく話しあって、
その子と飼い主さまにとって
一番良い治療を
選択していただきたいと思います。
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