犬の健康管理にドッグマッサージ!
公開日:2022/10/21 / 最終更新日:2024/04/02
ドッグマッサージで期待できること
幸せホルモンの分泌
ご自宅で飼い主さんが
愛犬にマッサージを行う場合、
マッサージを通してスキンシップをとることができます。
これにより幸せホルモンこと
「セロトニン」の分泌が促進されます。
不調の早期発見
マッサージによって副交感神経が刺激されると、
緊張の緩和や心拍数の安定が図れます。
獣医学的に心身のバランスを整えることができるほか、
体をまんべんなく触ることによって、
犬の身体的な変化に気づきやすくなります。
ドッグマッサージの種類
ドッグマッサージは手法や
ルーツなどによって
多くの種類や団体が存在します。
世界的に統一された手法があるわけではなく、
例えるなら「流派」がたくさんあるようなイメージです。
スウェーデン式
最も古くから存在するのが
「スウェーデン式」と呼ばれるドッグマッサージです。
スウェーデン式ドッグマッサージは、
大動物に対して行っていた
理学療法がルーツになっています。
統括団体として
「ドッグケア インターナショナル マッサージスクール」があります。
膝蓋骨脱臼や股関節炎をはじめとした
整形外科的なケア
(痛みの緩和や関節の動きの改善)をはじめとした
健康管理に強みがあります。
さらに、筋肉の緊張緩和や
血行促進を行うことで
皮膚や毛並みの改善にもつなげていきます。
東洋医学が基礎
東洋医学的な理論から
ドッグマッサージを行っている団体として、
「日本ペットマッサージ協会」もあります。
人間の東洋医学ではなじみ深い
ツボや経絡を用いて、
この中を流れている気や血といわれる
生命に必要な要素の流れを
適切な状態にすること目的としています。
ドッグマッサージのやり方
ドッグマッサージの方法は
主催団体によってそれぞれ異なる部分がありますが、
一例として
日本ペットマッサージ協会が行っている
基本手技を紹介している動画が公開されています。
その他、各団体あるいは
個人で動画サイトに多数手技が紹介されています。
気持ち良さそうな犬の様子がとても印象的です。
マッサージを始める前に
まずは愛犬に優しく触れて、
お互いの呼吸を整えましょう。
「呼吸を整える」だけでなく
愛犬に「マッサージを始める合図」として、
以下のようなスキンシップがおすすめです。
- 頭から尻尾まで、肩から前肢のつま先に向かって優しく撫でる
- 両側を数回行う
- 肩から後肢のつま先まで優しく撫でる
- 頭から尻尾に向かって優しく撫でる
やり方
- 左の肩甲骨全円を上下に優しくさすり、
リンパの最終出口を開く - 口から耳に向かって優しく撫でる
- 首をもみもみして優しくもみほぐし、
肩甲骨の上を円マッサージ - 脇の下に親指を軽く入れて上下に優しくさする
- 肩からつま先に向かって円マッサージを行い、
肘のそばにある肩こりに有効なツボ「曲池」を刺激する - 両側を数回行う
- 背中の経絡「膀胱経」に沿って、もみもみする
- もものつけ根の内側に沿って優しく押す
- 腰から太もも、つま先に向かって円マッサージを行う
- 両側を数回行う
- 後肢足裏にある元気アップのツボ
「湧泉」をつま先に向かって優しく指圧する - 両側を数回行う
- みぞおちからおへそに向かって撫でおろし、
「みぞおちとおへその真ん中」の周りを円マッサージする - 頭をツボにそって縦と横方法に優しくピックアップする
- 眉頭から眉尻に向かって優しく撫でる
- 耳の付け根から耳先に向かって優しく撫でる
- 顔のピックアップを行い、笑っているような顔にする
- 背中をピックアップマッサージする
マッサージ終了の合図を行う
始める際と同様の動きを
「マッサージ終了の合図」として行って、終了となります。
- 頭から尻尾まで、肩から前肢のつま先に向かって優しく撫でる
- 両側を数回行う
- 肩から後肢のつま先まで優しく撫でる
- 頭から尻尾に向かって優しく撫でる
※1日1回、およそ10分間のマッサージにしましょう。
やり過ぎは禁物です。
ドッグマッサージを行う上での注意点
マッサージは健康増進に有効で
リラックスが得られるものであっても、
マッサージを行うにあたって
重要な注意点を怠ると、
逆に健康を損なうことがある恐れがあります。
健康状態によってマッサージはNG
マッサージを受ける犬に
- 「激しい痛みを伴う場合」
- 「著しい衰弱がある場合」
- 「心臓病やケガといった運動が制限されている場合」
- 「腫瘍あるいはがんがある場合」
は、マッサージが適さないことがあります。
かかりつけの獣医師に相談し、
マッサージが可能と判断された場合は
無理をせずに行いましょう。
空腹時やご飯直後は控える
「極端な空腹時」や「食後すぐ」
といった状況も
マッサージには好ましくない場合があります。
どちらのタイミングでもないときに
ドッグマッサージを行うことをおすすめします。
施術者が体調不良のときは控える
マッサージを行う側、
つまり私たち人間の方の体調が悪い場合も
無理して施術するのは控えましょう。
気を抜いては強い刺激を一度にかける恐れがあります。
手は清潔に保つ
愛犬をすみずみまで触るため、
不衛生な手では
万が一のことが起こるかもしれません。
そのため、手は清潔に保ちましょう。
ドッグマッサージを受けられる場所
ドッグマッサージが受けられる場所は
それなりにありますが、
実際に探すとなるとその多くは
インターネットで検索する方法になることが多いでしょう。
「ドッグマッサージ」や「ペットマッサージ」といった
キーワードで検索すると
候補となるところが見つかると思います。
ペットサロンや動物病院といった
施設がメインとなりますが、
近年は動物専用の癒やしサロンも
大都市圏で見られるようになっています。
飼い主さんが愛犬に直接マッサージすることに
多くのメリットがあることは
説明した通りですが、
技術や知識に精通した
専門のセラピストによる
マッサージもまた格別なものがあります。
ドッグマッサージに関する資格
大前提として、
ドッグマッサージは医療行為ではありません。
医療行為として行う
マッサージは獣医療資格者が施術を行う必要があります。
そのため、何か病気やケガに対して
治療目的で行うというよりも
「リラックスによる心身の安定」や
「健康促進」「病気になりにくい体にする」といった
メンテナンスの意味合いが強くなります。
ドッグマッサージに関して、
現在日本で国家資格は存在しません。
そのため資格は
ドッグマッサージを推奨・啓発している
いくつかの団体から
セラピスト認定を受けるような形となります。
これらは民間資格にあたり、
座学や実習などを行いますが、
内容はそれぞれ異なります。
まとめ
- ドッグマッサージは嬉しい効果が期待できます
- ドッグマッサージを行う際には注意点があります
- ドッグマッサージを行ってくれる施設もあります
- ドッグマッサージは医療行為ではありません
犬へのマッサージは動物特有の
骨格や筋肉の付き具合といった特徴を踏まえて、
施術する側、される側の
コンディションが良好であることといった
基本的なポイントをしっかり守って行えば、
身体的にも精神的に健やかに
生活することができる
素晴らしいコミュニケーションツールです。
愛犬との幸せな生活を
さらに良いものとする手段として、
ぜひドッグマッサージをご活用ください。
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