犬の便秘!考えられる原因や対処法って?
公開日:2024/05/13 / 最終更新日:2024/05/13
犬の便秘は何日以上から?
便秘は
病気ではなく症状です。
排便回数が少なかったり、
排便の姿勢はするものの
うまく出せない
「しぶり」が見られる状態を指します。
犬の排便は
1日に1~2回が一般的ですが、
1日便が出なかった
ら便秘傾向、
3日出なかったら
危険な状態と言えます。
犬の便秘の種類
便秘の原因はさまざまですが、
病気が絡んでいることも
少なくありません。
私たち人間の場合、
便秘は原因別に
大きく4つに分類されます。
- 機能性便秘
大腸や直腸に異常がある - 器質性便秘
物理的に便が通過できない - 症候性便秘
病気の症状として起こる - 薬剤性便秘
薬の副作用で起こる
犬の場合、
食欲の低下により
便が作られていないことも
便秘の原因として考えられます。
食欲低下の原因を探るために
検査を行う必要があります。
慢性的な便秘は
ワンちゃんの生活の質を下げますので、
早めに原因を見つけて
改善してあげましょう。
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犬の便秘の症状
便秘の犬では
排便回数や
うんちの量が少なくなります。
しぶりや、
トイレを何度も行き来する
といった行動が
見られることもあります。
慢性的になると
体重や食欲の減少、
元気がなくなる
といった変化も起こります。
- 排便回数の減少
- 便量の減少
- しぶり
- トイレを行き来する
- 体重減少
- 食欲減少
- 元気消失
- 鳴く
- 血便
- 下痢
便秘と下痢を
繰り返すこともあります。
下痢に注目してしまうと
便秘に気付かないことがありますので
注意が必要です。
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緊急性の高い便秘
便秘は
さまざまな原因から
起こるものですので、
放置していると
原因そのものの悪化によって
危険な状態になる場合があります。
嘔吐や震え、
ぐったりしている
といった様子が見られる場合は
すぐに動物病院へ
行くようにしてください。
便がいつまでも体に留まると、
排出されるはずだった細菌や
老廃物などの毒素が
体内に
取り込まれてしまいます。
敗血症と言って
全身で臓器不全が起こり、
最悪の場合は
死に至りますので、
「便秘なんて大したことない」と
油断しないようにしてください。
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犬が便秘になる原因
便秘の原因は大きく
- 「食事」
- 「生活環境」
- 「病気」
- 「その他」
の4つに分けることができます。
1、食事が原因の便秘
食事が原因の便秘として
以下の4点が挙げられます。
- ローフード中心の食生活
- カルシウムの過剰摂取
- 食物繊維の過剰摂取
- 水分不足による脱水症
1-1、ローフード中心の食生活
ローフード(生食)と呼ばれる
生肉を中心とした
食事をしている犬は、
食物繊維が不足することで
便秘になりやすくなります。
野生下の肉食動物は、
草食動物の内臓を食べることで
間接的に
食物繊維を摂取していると
言われています。
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1-2、カルシウムの過剰摂取
マグネシウムには
水分を吸収して
便を柔らかくする
効果がありますが、
カルシウムを摂りすぎると
マグネシウムの量が減り
便秘の原因になります。
サプリメントによる過剰摂取や
牛の骨などの
おやつを与えている場合に
注意が必要です。
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1-3、食物繊維の過剰摂取
食物繊維は
便通を良くしてくれますが、
摂りすぎると
便秘の原因になる
場合があります。
不溶性食物繊維は
水分を含んで
便をかさ増ししますが、
腸の動き
(蠕動運動)が弱っているときは
かさ増しした便をうまく排出できず、
便秘を悪化させてしまいます。
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1-4、水分不足による脱水症
脱水は
水分不足で起こり、
便の水分量も少なくなることから
便秘の原因となります。
水分摂取が苦手な子には
- 「水が飲める場所を増やす」
- 「ウェットフードを与える」
- 「ドライフードにお水を混ぜる」
といった工夫が有効です。
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2、生活環境が原因の便秘
生活環境が原因の便秘として
以下の3点が挙げられます。
- 運動不足
- 筋力の衰え(老化)
- ストレス
2-1、運動不足
運動不足が
便秘の原因になる
場合があります。
散歩のときに排便することが
習慣化している犬は
散歩に行けないことが
便秘につながる
可能性がありますし、
慢性的な運動不足による
腹筋の衰えが
原因になる場合もあります。
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2-2、筋力の衰え(老化)
特にシニア犬(老犬)は
踏ん張りが効かなくなったり、
排便姿勢が
取れなくなったりしてきます。
関節の負担に注意するなど
無理のない範囲で、
筋力が衰えないように
運動させてあげることが大切です。
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2-3、ストレス
ストレスが溜まると
自律神経が乱れ、
腸のぜん動運動が
悪くなることもあります。
散歩は単に
運動のためだけではなく、
いろいろな刺激に触れることで
ストレス発散になります。
毎日の散歩は
欠かさないようにしましょう。
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3、病気が原因の便秘
大腸や直腸の異常だけでなく、
全身の病気が原因で
便秘になる場合もあります。
原因になっている病気を
治療することで解消します。
- 消化管腫瘍
- 前立腺肥大
- 肛門周囲の病気
- 神経疾患
- 巨大結腸症
- 骨盤骨折後の不正癒合
3-1、消化管腫瘍
大腸や小腸、結腸などに
腫瘍や腫れが起こると
閉塞を引き起こし、
便の通り道をふさぐことで
便秘になることがあります。
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3-2、前立腺肥大
前立腺肥大で
腸管が圧迫され、
便の通り道をふさいで
便秘になることがあります。
肛門から出て
会陰ヘルニアを伴う場合もあります。
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3-3、肛門周囲の病気
前立腺に限らず、
直腸や膀胱が
肛門横から出てしまう「会陰ヘルニア」、
肛門の周囲に病的な穴が出来てしまう「肛門周囲瘻」、
肛門嚢が炎症を起こす「肛門嚢炎」
などが原因で
便の通り道の異常により、
便秘になることがあります。
なお、
ジャーマンシェパードは
肛門周囲瘻(ろう)の好発犬種として
知られています。
※肛門周囲瘻(ろう)は、
肛門の周辺の皮膚に
瘻孔(ろうこう)と呼ばれる
病的な穴(トンネル)を形成する病気です。
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3-4、神経疾患
腰仙椎(ようせんつい)にある
馬尾(ばび)神経が圧迫されて起きる
「馬尾症候群」(変性性腰仙椎狭窄症)や
「糖尿病」「甲状腺機能低下症」などの
自律神経障害によって
腸のぜん動運動がうまく働かないと
便秘になることがあります。
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3-5、巨大結腸症
結腸が過剰に拡張して
機能不全を起こす病気で、
便秘につながります。
猫に多く見られますが、
犬ではまれです。
3-6、骨盤骨折後の不正癒合
交通事故などで骨盤骨折となり、
正しくない形で
骨が付いてしまうことを
「不正癒合」と言います。
大腸が圧迫されて
慢性的な便秘になり、
巨大結腸症につながる場合もあります。
この場合は
外科的な治療が必要です。
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4、便秘を起こすその他の原因
食事や生活環境、
病気の他に「薬の副作用」や
「異物誤飲」でも便秘が起こります。
- 薬の副作用
- 異物誤飲
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4-1、薬の副作用
- 利尿剤
- 抗ヒスタミン薬
- 抗コリン薬
- 抗がん剤
- 鎮痛剤
などの副作用により、
水分が排出されて
便が硬くなったり、
腸のぜん動運動が抑えられたりして
便秘になることがあります。
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4-2、異物誤飲
砂利やおもちゃの誤飲、
過度のグルーミングで
飲み込んだ被毛が
腸閉塞につながり
便秘が起こることがあります。
自然排出が難しく
緊急性が高い
可能性もありますので、
誤飲がわかった際は
すぐ動物病院へ
行くようにしてください。
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犬の便秘改善の対処法
病気や薬の副作用、
異物誤飲が原因の場合は
動物病院での治療が
必要になりますが、
緊急性の低い便秘であれば
食事で改善させることができます。
その上で、
腸内マッサージも効果的です。
- 水分摂取
- 食物繊維
- ビオフェルミン
- ヨーグルト
- オリーブオイル
1、水分摂取
水分が足りていない場合は
- 「水が飲める場所を増やす」
- 「ウェットフードを与える」
- 「ドライフードにお水を入れる」
などを試してみてください。
鶏のササミを煮出したスープを
水代わりにしたり、
ごはんにトッピングしたりするのも
いいでしょう。
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2、食物繊維
軽度の便秘であれば
食物繊維の摂取が有効です。
カボチャやサツマイモ、
炊いたお米などを
いつものごはんに
トッピングしてあげると
いいでしょう。
重度の便秘では
逆効果になりますので、
高消化性の療法食を
与えるようにしてください。
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3、ビオフェルミン
腸内環境が悪くなると
便秘につながりますし、
便秘になると
悪玉菌が増えて
腸内環境が悪くなります。
犬用の乳酸菌製剤が販売されていますので、
それを整腸剤として
飲ませるといいでしょう。
人間用のものであれば
ビオフェルミンR(耐性乳酸菌整腸剤)、
ビオフェルミンSを
1日2回飲ませても大丈夫です。
1回あたり
小型犬なら1/4錠、
中型犬は1/2錠、
大型犬は1錠を目安にしてください。
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4、ヨーグルト
ヨーグルトにも
乳酸菌が含まれますが、
効果は
限定されるかもしれません。
正常なときに
予防や健康維持を目的として
与えるのがいいでしょう。
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5、オリーブオイル
オリーブオイルに含まれる
オレイン酸は、
腸のぜん動運動を
促進してくれます。
また、
潤滑油として
便の流れを良くする効果も
期待できます。
普段のごはんに
トッピングしてあげるといいでしょう。
綿棒の使用は要注意
生後1~2週間の子犬であれば
濡らした綿棒で
肛門を軽くつつくことで、
排便を促すことができます。
ただし、
肛門の中まで入れるのは
おやめください。
それ以上の年齢の犬にも
オススメできません。
まとめ
- 便秘の原因は食事、生活環境、病気などがある
- 3日出ない場合は緊急性が高い
- 誤飲の際は様子見をせずに動物病院へ
- 軽度の便秘であれば食事療法が効果的
便秘の原因はさまざまです。
緊急性の高い便秘だった場合、
重症化して
食欲不振や元気消失に陥ってから
気づくのでは
手遅れになる場合もあります。
便の回数や状態は
健康のバロメーターになります。
よく観察して、
早期発見・早期治療を
心がけましょう。
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