犬の低血糖!症状や対処法って?
公開日:2024/05/13 / 最終更新日:2024/05/13
犬の低血糖とは
低血糖症は
血液中のブドウ糖
(グルコース)が減少して
血糖値が低下した状態のことで、
臨床では
珍しくない症状です。
ブドウ糖が減少すると
神経症状が起こってしまうため
注意が必要です。
脳は
ブドウ糖を作ることも
貯めることもできず、
常に必要としています。
心臓も
ブドウ糖を多く
必要とするため、
ブドウ糖が不足した状態を
放置してしまうと
死に至る可能性もあります。
特に
生後3カ月までの子犬は
ブドウ糖を
体内に貯蔵する機能が
不十分なため、
低血糖になりやすく
注意が必要です。
犬が低血糖のときの症状
低血糖は
緊急性が高いことが多いです。
「少し元気がないかな」程度の
小さな変化以外は、
緊急性が高いと
考えた方が良いでしょう。
むしろ
元気がなくなることで
気づくことは少なく、
ぐったりしてしまうまでの時間は
数分です。
血糖値が
低くなればなるほど、
症状が悪化していくので
注意しましょう。
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犬の低血糖の原因
犬の低血糖の原因は
年齢ごとに異なりますが、
子犬に症状が出ることが
多いです。
低血糖の主な原因として、
以下が挙げられます。
- キシリトールの摂取(エリスリトールは安全)
- 空腹
- 感染症(寄生虫、バベシアなど)
- 糖尿病の犬へのインスリンの過剰投与
- 栄養吸収障害(消化器疾患、高齢、幼犬などの年齢によるもの)
インスリンなど薬剤は
年齢に関係なく
原因になることが多いので
気をつけましょう。
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子犬の低血糖
低血糖は
生後3カ月までの子犬で
起こりやすいと
言われていますが、
体が小さい子は
1歳くらいまでは
気をつけてみてあげる
必要があります。
子犬の低血糖は
体内に蓄えている糖分量が
少ないこと、
糖新生が未発達なことが
原因とされ、
特にトイプードルや
チワワなどの小型犬は
脂肪が少ないため
注意が必要です。
子犬の低血糖で
特に気をつけるべきことは
空腹です。
成長期の
ごはん不足に
気をつけましょう。
子犬期は
2週に1度は
体重を量るようにして、
しっかり増えていることを
確認してください。
低血糖の症状は
最後の食事から
2~3時間で
出る可能性がありますので、
量は変えずに
回数を増やして
空腹の時間を減らすのも
いいでしょう。
そのほか
- 「先天性の肝疾患」
- 「寄生虫による吸収不全」
- 「先天性門脈体循環シャント(※)」
などが
原因になることがあります。
体の冷えによる
低体温が起こることで、
元気がなくなり
より低血糖の症状が出やすくなることも
ありますので、
体温チェックや
室温管理にも
気をつけましょう。
※先天性門脈体循環シャント
通常、
犬の体内で作られた毒素は
門脈と呼ばれる血管を通って
肝臓に運ばれ、
無毒化された血液が
全身を巡ります(体循環)。
しかし
異常血管(シャント)が存在すると
毒素が肝臓を通らずに
全身を巡り、
さまざまな問題が
起こってしまいます。
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成犬の低血糖
成犬の低血糖で
考えられる原因として、
以下が挙げられます。
極度の運動(狩猟犬など)
運動量の過多、
空腹時の運動が
低血糖の原因になる場合も
あります。
もちろん
犬の健康にとって
運動は不可欠ですが、
犬の体力や
食事の状況を踏まえて
注意深くみてあげましょう。
腫瘍(肝臓、膵臓)
肝臓や脾臓にできる
腫瘍によって
インスリンが分泌されすぎてしまい、
低血糖になってしまうことも
あります。
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副腎皮質機能低下症による
ホルモンバランスの崩れ
副腎皮質機能低下症は
副腎のホルモンが足りなくなる
病気です。
特に
グルココルチコイドというホルモンが
足りていない場合、
低血糖の症状が
起こります。
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慢性腎不全
腎臓は
不要なものを
排出するだけでなく、
必要な水分や
ブドウ糖などを
体内に戻す臓器です。
腎機能が低下することは
低血糖の原因になります。
シニア犬(老犬)が
かかりやすい病気です。
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敗血症
敗血症は
細菌感染などによって
体内で細菌が増殖して起こる
症状です。
悪化して
多臓器不全を起こしてしまうと
低血糖の症状が
現れる場合もあります。
小型犬種
トイプードルやチワワなど
小型で脂肪が少ない犬種の場合は
成犬であっても
低血糖になりやすいです。
日頃から
食事の量や
体温の変化など
しっかりみてあげることが
大切です。
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肝疾患
肝臓は
必要な栄養素を貯蔵する
器官です。
その中には
ブドウ糖も含まれており、
肝臓に疾患がある場合、
必要なブドウ糖を
蓄えることができなくなって
低血糖になってしまう
場合があります。
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下垂体機能不全
下垂体とは、
脳の中にある
あらゆるホルモンを分泌する
器官です。
下垂体の機能に
不全が起こることによって
ホルモンバランスが崩れ、
低血糖の原因になります。
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多血症
多血症は、
血液中の赤血球の割合が
異常に高くなってしまう
病気です。
犬が低血糖のときの対処法
犬に
低血糖の症状が出たときは
すぐに動物病院へいきましょう。
病院では
ブドウ糖を静脈注射で
投与する
治療をおこないます。
家庭でできる応急処置
すぐに病院にいけない時は
家庭でも
砂糖水を与えるなどの
一時的処置ができます。
砂糖水は
砂糖と水の割合を
1:4で混ぜて作りましょう。
他にも
ガムシロップや
はちみつで代用する方法もあります。
(子犬はボツリヌス菌のリスクがあるため
与えてはいけません)
飲まない場合は
口の中に
すりつけるように与えましょう。
その際は
誤嚥に注意が必要です。
体が冷えているときは
温めたり
部屋の温度を上げたりしてください。
処置によって
一時的に良くなっても、
必ず病院に行くようにしましょう。
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まとめ
- 低血糖はブドウ糖の減少で起こる症状
- 低血糖の原因は年齢によって異なる
- 子犬やトイプードルなどの小型犬種は特に注意が必要
- 老犬の場合は腫瘍や疾患が原因の場合がある
- 家庭で砂糖水を作るなどの応急処置もできますが必ず病院へ
犬の低血糖は、
特に
子犬で注意が必要です。
原因は
年齢によってさまざまで、
脂肪の少ない
小型の犬種、
トイプードルやチワワなども
体内にブドウ糖を蓄えにくいため
注意が必要ですが、
どんな犬にも
起こり得る症状です。
シニア犬(老犬)にも起こりやすく、
腫瘍や
臓器の疾患の可能性も
あります。
初期症状は
気づきにくい場合があり、
日頃から愛犬の行動や
体温など
細やかにみてあげることが
大切です。
緊急の場合、
家庭でも砂糖水を作って
与えるなどの
応急処置もできますが、
一時的に回復しても
安心せずに、
必ず病院でみてもらいましょう。
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