犬の会陰(えいん)ヘルニア!原因や初期症状、手術方法って?

公開日:2024/04/06 / 最終更新日:2025/01/24
犬の会陰ヘルニアとは
ヘルニアとは、
体内にあるべき臓器が
本来の位置から
脱出してしまった状態を指します。
会陰(えいん)とは
肛門の周囲を指し、
そこから臓器が脱出するのが
「会陰ヘルニア」です。
脱出した場所によって
以下のように呼び方が異なります。
- おへそ
臍(さい・へそ)ヘルニア - 肛門
会陰(えいん)ヘルニア - 椎間板
椎間板(ついかんばん)ヘルニア - 横隔膜
食道裂孔(れっこう)ヘルニア - 足の付け根
鼠径(そけい)ヘルニア、
大腿(だいたい)ヘルニア
会陰ヘルニアでは、
肛門周囲の筋肉のすき間
(ヘルニア孔)から
脂肪や腸、膀胱、前立腺などの
臓器が出てしまいます。

会陰ヘルニアになりやすい犬種
会陰ヘルニアは
未去勢で
中年齢以降の
オス犬で多く見られます。

犬の会陰ヘルニアの症状
会陰ヘルニアの初期症状は
排便障害です。
排便のポーズを取っているのに
出ない症状が
見られるようになったり
トイレを失敗したりします。
ただし、
重度の便秘や
前立腺肥大症、
肛門嚢炎などの可能性もあり、
病院で検査が必要です。
肛門の周囲が
大きく腫れたように膨らんだり、
肛門の位置が
ズレたように見えたりする
場合もあります。
進行すると
膀胱も脱出してしまうことがあり、
その際は
排尿障害が見られます。
腸が脱出したことで
腸閉塞が起こると
以下のような症状が見られます。
- 嘔吐
- 下痢
- 便秘
- 痛み
- 食欲不振
- 元気がない・動こうとしない
尿道閉塞や腸閉塞は
放置すると
死に至ります。
すぐに手術が必要な状態です。
関連記事
犬が吐く!原因や対処法って?

犬の会陰ヘルニアの原因
会陰ヘルニアは
肛門周辺の筋肉が
弱くなることで
すき間ができて起こります。
その原因として
事故や吠え、
興奮などによる
一時的な腹圧の上昇や
男性ホルモンの影響、
筋力の低下を引き起こす病気
(クッシング症など)などが挙げられます。
未去勢のオス犬に多いのは
男性ホルモンの影響と
考えられていますが、
なぜ男性ホルモンが
肛門周辺の筋肉を
弱くしてしまうのかはわかっていません。

犬の会陰ヘルニアの治療
会陰ヘルニアが疑われる場合は
触診や直腸検査、
X線レントゲン検査や
超音波(エコー)検査などの
画像診断で状態を確認します。
会陰ヘルニアは
軽度で発見できたとしても、
基本的に
自然治癒することはなく
進行していきます。
そのため治療は
脱出した臓器を
元の場所に戻して
穴を閉じる
外科手術を行います。
弱くなった筋肉を縫い集めて
穴を閉じるだけでは
再発の可能性があるため、
医療用のメッシュ材を使って
穴をふさぐ方法が多くなっています。
会陰ヘルニアは
男性ホルモンが影響しているため、
同時に去勢手術を行うことが
予防となり、
再発の可能性を下げることができます。
去勢手術を行う場合は
精巣を覆っていた
「総鞘膜」(そうしょうまく)と呼ばれる膜を
再利用して
穴をふさぐ場合もあります。
高齢犬(老犬)で手術が難しい場合は、
便を柔らかくする薬を使ったり
マッサージをしたりして
状態を維持するための
対症療法を行います。
ただし、
時間がたてばたつほど
状態は悪くなります。
可能な限りは
手術を選択されることをお勧めします。
関連記事
シニア犬(老犬)に多い病気!症状や健康診断の準備は?

まとめ
- 会陰ヘルニアは肛門周囲で起きる臓器の脱出
- 未去勢で中年齢以降のオス犬で多く見られる
- 初期症状は排便障害。進行すると排尿障害も
- 去勢手術は再発予防につながる
会陰ヘルニアは
肛門周囲の
筋肉のすき間から
脂肪や腸などの臓器が脱出してしまう
病気です。
男性ホルモンが
影響していることが多く、
未去勢のオス犬でよく見られます。
基本的に
進行していく病気のため、
外科手術で穴をふさぎます。
同時に
去勢手術も行うことで
再発予防にもつながります。

PR



「シニア犬」カテゴリーの関連記事
「シニア犬の病気」カテゴリーの関連記事
「ペット用品」カテゴリーの関連記事
「介護ハーネス」カテゴリーの関連記事
「犬のうんちの色」カテゴリーの関連記事
「犬のクッシング症候群」カテゴリーの関連記事
「犬のジステンパーウイルス」カテゴリーの関連記事
「犬のてんかん」カテゴリーの関連記事
「犬のぶどう膜炎」カテゴリーの関連記事
「犬のヘルニア」カテゴリーの関連記事
「犬の健康維持」カテゴリーの関連記事