犬の交配!方法から成功確率!料金は?
公開日:2024/06/03 / 最終更新日:2024/08/14
犬の交配を決める前に
犬は交配によって
1回で5~10匹を出産します。
交配を希望する方は、
産まれた子犬の
生涯に責任が持てるかを
考えなければいけません。
あらかじめ
生まれた子犬たちの
新しい家族が決まったとしても、
実際に迎えられるまで
責任があります。
万が一を考え、
すべての子を
育てる覚悟が必要です。
環境省の統計によると
2019度に殺処分された
犬の数は5635匹で、
その内1051匹が
まだ離乳もしていない
幼齢犬です。
生まれて間もない子犬が
殺処分になるのは、
予期せぬ妊娠や
よく考えずに
交配を行ったことが
一因になっています。
将来も見据えて
家庭環境や経済状況を
十分考慮し、
さまざまな状況に対応できる
十分な準備が必要です。
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犬の繁殖は個人で行える?
個人所有の
オスとメスが交尾
(自然交配)をして
子を増やすことは可能です。
しかし
事前のDNA検査や
母体の健康管理、出産、
産まれてきた子のケアなど
正しい知識がないと
できないことが
たくさんあります。
必ず獣医師や
信頼できる
ブリーダーなど
専門家に相談するように
してください。
ただし、
ブリーダーに専門資格はなく、
「動物取扱責任者」が常勤して
「第一種動物取扱業」の登録をすれば
専門的な知識がなくても
開業できてしまいます。
中には
無登録で
営業している場合もありますので、
ブリーダーに相談する場合は
信頼できる相手かどうかを
確認するようにしてください。
個人で
繁殖を行った場合も
無登録でインターネットサイト、
SNSなどを通じて
販売した場合、
無登録営業として
動物愛護管理法違反になります。
(100万円以下の罰金)
対価は
お金に限りませんので、
何らかの謝礼
(金品)を受け取った場合は
無登録営業になる
可能性があります。
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交配・出産の注意点
交配・出産は
さまざまなリスクを伴うため、
普段より
厳密な母体の健康管理が
必要になります。
発情中(ヒート・生理)は
ホルモンの変化により
免疫力が低下しますし、
精神状態や行動にも
変化が現れます。
遠吠えや夜泣きをしたり、
攻撃的になって
噛んだりすることもあります。
飼い主さんが
心に余裕を持って
接してあげてください。
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出産の
主なリスクとしては、
- 新生児の死亡
- 児頭骨盤不均衡による帝王切開
- 大量出血
- 未熟児出産
- 奇形
などが挙げられます。
これらのリスクは
母犬の高年齢(6歳~)や
太り過ぎ、
やせ過ぎなどの体型、
高血糖や高血圧などの
基礎疾患によって
高まる可能性があります。
出産の適正年齢は
2回目の
発情を迎えてから
遅くとも6歳までで、
小型犬だと18~72カ月、
中型犬で20~66カ月、
大型犬で26~60カ月が
目安になります。
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交配前のチェックポイント
リスクを回避するため、
交配を行う前に
母体の健康診断と
先天的な問題の
チェックが必要です。
健康診断では
以下の項目を確認します。
料金は
5000~1万5000円ほどです。
- 血液検査(栄養状態・血糖値・肝機能など)
- ブルセラ症の検査(1回2000~3000円)
- 触診(膝蓋骨脱臼・泉門異常など犬種ごとの先天性疾患の有無)
- 検便(内部寄生虫の有無、1回1000~4000円)
- メスの場合→子宮や産道の異常
- オスの場合→停留睾丸の有無
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さらに
遺伝性疾患のリスクを知るため
DNA検査をしておく
必要があります。
現在わかっている範囲でも
遺伝性と考えられる
犬の疾患や形質は
499の症例があります。
この内、
約50症例は
DNA検査が可能です。
料金は1回
5000~1万8000円が一般的です。
犬種特性によって
特に重要とされる症例については、
交配前に検査をすることで
産まれてくる子の
リスクを知ることができます。
遺伝適性は
生まれてくる子犬の
生涯に責任を持つ上で
とても重要です。
遺伝適性に疑問がある場合は
交配を
進めるべきではありません。
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交配犬の探し方、募集方法
交配を行うには
相手を探して
発情のタイミングを
合わせる必要があります。
発情(ヒート・生理)が来る前に
探しておくといいでしょう。
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探し方として
ブリーダーに相談するか
インターネットなどで
募集する方法があります。
プロに依頼する場合は
原則として
メスの飼い主さんが
ブリーダーのオスに
交配を依頼するのが
一般的です。
生まれてくる子犬は
母親と父親の遺伝的影響を
受けることになりますので、
交配相手は
見た目だけでなく
遺伝適性についても
チェックする必要があります。
ブリーダーの
所有犬だからといって、
必ずしも
遺伝的に望ましいとは
限りません。
管理をしっかり
行っていることが
確認できない場合は
見送るべきかもしれません
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犬の交配料金
交配を
ショップやブリーダーに
依頼する場合、
交配犬所有者に支払う
交配料は
5~10万円ほどが一般的です。
交配料は
着床しない場合や
死産となった場合でも
支払う必要があります。
ただし多くの場合、
着床しなかったときは
次回の発情
(ヒート・生理)の際に
無料または低価格で
リトライできることが多いようです。
血統証明書登録をする場合は
交配証明書
(一胎子登録証明書)が必要で、
オスの所有者が
交配証明書を交付します。
日本では
JKC(ジャパンケネルクラブ)の血統証明書が
スタンダードですが、
他の団体の
血統証明書である場合、
子犬の血統証明書が
発行されないことがあるため、
あらかじめ
確認しておく必要があります。
血統証明書は
生まれた子犬の
犬籍を登録できる制度です。
血統証明書により
純粋犬種であることや
両親からさかのぼって
3代祖の先祖犬が記録されます。
産まれてくる子犬と
その子孫の将来のため、
血統証明書の
登録をお勧めします。
発行団体は多数ありますが、
JKCの証明書は
国際公認血統証明書として
海外でも通用します。
産まれた子犬を登録する際に
- 入会金2000円
- 年会費4000円(1年目)
- 犬舎名登録6600円
- 母犬の名義変更3400円、
- 一胎子登録2200円(子犬1匹ずつ)
が必要となります。
それぞれ現在の料金は
発行団体に
お問い合わせください。
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犬の交配の方法
出産適正年齢になって
交配を実施するタイミングは、
発情
(ヒート・生理)が始まってから
10日前後が目安です。
通常は
6~8カ月周期で
発情が来ますので、
タイミングを逃さないように
観察する必要があります。
わかりやすい変化は
陰部からの出血です。
発情に気付いたら、
動物病院や
依頼するブリーダーに
連絡を取って
膣スメア検査の時期について
相談してください。
成功確率を上げるには、
排卵日を予測して
タイミングよく
交配することが
最も重要です。
膣スメア検査をしたり
陰部の状態などを観察したりして、
排卵日を探りながら
おおむね2~3回行います。
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膣スメア検査
発情
(ヒート・生理)が見られた
10日前後が
交配適期(排卵)となるため、
交配開始を決めるために
膣スメア検査の実施を
お勧めします。
膣スメア検査では、
滅菌綿棒を利用して
膣の粘膜上皮細胞を採取し、
その細胞を染色して
顕微鏡で観察します。
細胞は通常、
核のある細胞
(有核細胞)が多いのですが、
交配適期
(排卵)になるにつれて
核のない細胞
(無核細胞)が増えてきます。
そのタイミングなら
必ず妊娠できる
というわけではありませんが、
可能性を
高めることができますので
行う価値はあります。
交配の方法は、
大きく分けて
以下の三つがあります。
1、自然交配
文字通り、
自然界で行われる
通常の交配方法です。
自然交配は
相性や
オスのコンディションによって
うまくいかないケースがあります。
メス側に
ストレスが生じることもあります。
2、人工交配
人工交配では
オスの精子を採取し、
シリンジや
カテーテルによって
膣内に精子を注入します。
交配の際に
生体間の接触がないため
感染症リスクが少ない方法です。
交配によるストレスも
ほとんどありません。
3、人工授精
レアケースですが、
卵子に精子を注入する
交配方法です。
JKC(ジャパンケネルクラブ)は
2008年から
輸入凍結・低温精液による
人工授精で産まれた子犬の
血統登録を
認めるようになりました。
国内犬も
2013年から
ブルドッグ、
フレンチブルドッグに限った
運用が始まりました。
着床の確認
妊娠から
63日が
出産予定日となります。
最初の交配日を基準に計算して
45日目くらいから
腹部のハリ、
乳首の肥大が見られれば
着床の可能性が
高くなります。
見た目でわかりにくい場合は
エコー検査や
レントゲン検査で確認します。
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不妊の要因
犬も
体質や体調が原因となって
妊娠しにくい場合があります。
体質が原因の場合は
妊娠が難しくなりますが、
体調が原因であれば
問題の改善で
妊娠しやすくなります。
体調で考えられる要因としては
- 「栄養不良」
- 「体型(太りすぎや痩せすぎ)」
- 「ストレス」
などが挙げられます。
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太りすぎや痩せすぎは
着床率が低下するだけでなく、
出産の妨げとなることも
あります。
日頃から
標準的な体型を
維持するようにしてください。
そのほか、
ブルセラ症や
トキソプラズマ症などの
感染症によって
不妊となることがあります。
発情(ヒート・生理)の際は、
他の犬と接触しないよう
外出を避けましょう。
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犬の交配から出産までのケア
妊娠は交配から
30日前後に
超音波検査で確認でき、
見た目的にも
40日ほどで
わかるようになります。
妊娠していれば胎児が
成長していくことになりますから、
母体と胎児に必要な
栄養を摂らせなくてはいけません。
タンパク質や
脂質を多く含み、
カルシウムや葉酸など
妊娠に必要な
ミネラルやビタミンが含まれた
フードを与えることが
必要です。
与える量も、
以下の通り
妊娠の過程で
大きく変化します。
ただし、
着床数によって
栄養過剰で
過大胎児にならないよう、
妊娠後期から
体重推移を見て
コントロールする必要があります。
- 妊娠1週から4週まで:110%
- 妊娠5週から6週まで:140%
- 妊娠期後期:190%
- 授乳期:220%
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生活上の留意点
発情中(ヒート・生理)は
ホルモンの変化により
免疫が低下します。
感染症を避けるため
他の犬との接触や
トリミングは
妊娠の安定期入るまで
控えてください。
交配から
3週目までの妊娠初期は、
受精卵が
子宮に着床をするかどうかの
大切な時期です。
流産しやすい
不安定な期間となりますので、
激しい運動や
ストレスを避けるようにしてください。
冷えも良くありませんので、
室温は
26~27度程度に調整してください。
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出産の手助け
初日の交配から
55日目にレントゲン検査をして
胎児の数、
大きさを確認します。
数を知っておくことで、
出産の終了がわかります。
大きさは、
頭がい骨の大きさと
骨盤の幅を比較することで
正常な自然分娩が
できるかがわかります。
犬種や母体の体格なども
考慮します。
犬の出産は
正常な場合でも
人の手による補助が必要です。
出産にはさまざまな
トラブルの可能性があるため、
目を離さず
異常事態に
備えなければいけません。
母体や胎児に
危険がある場合は
直ちに
帝王切開を行いますので、
獣医師のサポートが必要です。
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子犬のケア
産まれてから
14日程度たつまでは、
とてもナイーブです。
- 「体重の推移」
- 「排便や排尿の状況」
- 「室温管理」
- 「移行抗体や免疫の管理」
など、
厳密に行われていないと
死亡する
リスクが高まります。
特に生後
7日までは排便、
排尿をさせた後の
体重推移を
3時間単位で
モニターしてください。
まとめ
- 交配は子犬の将来を考えて決める
- 遺伝適性を必ずチェックする
- 妊娠はタイミングが重要
- 出産後は母犬と子犬をケアする
愛犬の二世が
誕生することは
とても素晴らしいことですが、
それだけ
責任を持つ命が
増えるということでもあります。
必ず
将来まで
幸せにする覚悟をしてから
交配を行なうようにしてください。
正しい知識で
適切に行えるよう、
必ず
獣医師や信頼できる
ブリーダーなど
専門家に相談することを
お勧めします。
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