犬の乳頭腫!悪性の可能性って?
公開日:2024/08/13 / 最終更新日:2024/08/13
犬の乳頭腫とは
乳頭腫(にゅうとうしゅ)は
英語で「パピローマ」と呼び、
パピローマウイルスによってできる
イボのことを
「乳頭腫」と呼びます。
パピローマウイルスは
動物ごとに
感染するウイルスの型が異なり、
犬には
イヌパピローマウイルスが感染し、
人には
ヒトパピローマウイルスが感染するため
犬から人、
人から犬にうつることは
通常ありません。
乳頭腫はほとんどが
良性の腫瘍で、
自然治癒して
健康に影響ないことが
ほとんどです。
ただし、
口にできるイボ(口腔乳頭腫)は
悪性化して
「扁平上皮癌」(へんぺいじょうひがん)に
進行する可能性があります。
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犬の乳頭腫の症状
犬の乳頭腫は
口の中や口の周り、
目の周りなど
顔でよく見られますが、
首や足など
体のどこにでも発生します。
同時に複数発生することが
少なくありませんので、
一つ見つけたら
他の場所にもできていないか
調べてみましょう。
色は白やピンク、
形状は発生した場所によって
微妙に異なります。
多くは
ざらざらした質感で
カリフラワーのような形をしています。
犬の乳頭腫ができる原因
パピローマウイルスは
皮膚表面にある傷口から侵入し、
表皮の最下層にある
基底細胞に感染すると
その上にある
角化細胞を活性化させて
増殖します。
この増殖によって
皮膚が盛り上がり、
イボの形となります。
感染してから
イボができるまで
1~2カ月ほどと
言われています。
犬の場合、
他の犬との接触で
感染することもありますし、
ウイルスは
環境中での生存能力が高いことから
寝具やオモチャを通じて
感染することもあります。
乳頭腫ができやすい犬
乳頭腫は
どんな犬にも
できる可能性がありますが、
免疫機能が未熟な子犬や
免疫機能が低下したシニア犬(老犬)、
免疫抑制剤や
ステロイドを長期使用している犬、
アトピー性皮膚炎など
皮膚のバリア機能が低下した犬は
ウイルスが侵入・感染しやすく、
できやすくなります。
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非ウイルス性のイボ
シニア犬(老犬)の場合は
非ウイルス性の
イボができることがあり、
体質によっては
イボだらけになってしまうことも
あります。
老化によるものと考えられますが、
明確な原因は
わかっていません。
犬の乳頭腫の危険性
乳頭腫は
基本的に良性で、
皮膚の免疫機能が
ウイルスを攻撃するため
1~2カ月で
自然治癒して取れてしまいます。
口にできる
口腔乳頭腫は悪性化して
「扁平上皮癌」(へんぺいじょうひがん)に
進行する可能性があるため
注意が必要です。
また、
ご家庭で飼い主さんが
「イボ」や「できもの」「しこり」を
乳頭腫だと判断すると
悪性腫瘍を
見過ごしてしまう可能性があり、
注意が必要です。
よく観察し、
以下のような
特徴が見られる場合は
獣医師に相談してください。
- 色が白やピンクではなく黒や紫
- 大きさが1cm以上
- 次第に大きくなる
- 形が大きく変化する
- 3カ月たっても治らない・取れない
悪性腫瘍が疑わしい場合、
病院では
針でサンプルを採取し、
顕微鏡で観察する
「病理組織検査」を行います。
「できもの」や「しこり」ができる
悪性腫瘍には
- 「リンパ腫」
- 「肥満細胞腫」
- 「軟部組織肉腫」
- 「乳腺腫瘍」
などがあり、
口腔内では「扁平上皮癌」や
「メラノーマ(悪性黒色腫)」
などがあります。
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乳腺腫瘍
メスの犬や高齢の犬、
小型犬に発症しやすい病気で、
悪性の乳腺腫瘍を
「乳がん」と言います。
悪性の確率は約50%で、
リンパ節から
胸やお腹へと転移することで
命に関わります。
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メラノーマ(悪性黒色腫)
口にできた黒いできものは
「メラノーマ」(悪性黒色腫)という
口腔腫瘍の可能性があります。
歯肉に発生することが多く、
口唇や頬粘膜、
まれに
舌に発生することもあります。
見た目では
悪性か判断できないため、
早期に診断することが重要です。
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犬の乳頭腫の治療法
乳頭腫は
1~2カ月で自然治癒しますので
通常は動物病院で
治療を行うことはありませんし、
塗り薬のようなものもありません。
糸で縛って
イボ取りをしようとする
飼い主さんもいるようですが、
悪性腫瘍を
見逃す可能性や
失敗して別の問題を起こす
可能性がありますので
お勧めしません。
口の中や周りにできた乳頭腫や
足にできた乳頭腫は
食事や歩行の障害になることが
ありますので、
抗ウイルス剤の投与や
切除手術を
行う場合があります。
具体的には、
以下のようなケースが
想定されます。
- 口の中で数が多い・大きい
場所が悪いなど食事に支障がある - 足にできて歩行に支障がある
- 出血や二次感染などの症状が見られる
- 免疫抑制剤を使用しているため治りが遅い
外科手術ではメスや
レーザーを使った切除、
凍結による
細胞破壊などが行われます。
凍結療法は
麻酔を使用しないため
費用も安く
5000~2万円が目安になりますが、
乳頭腫ができた場所によっては
選択できない場合もあります。
免疫機能を高める
自然治癒は
皮膚の免疫機能によるものですので、
ご家庭では
免疫力を高めてあげることを
意識してください。
具体的には
ブラッシングやシャンプーで
被毛や皮膚を清潔に保ったり、
ストレスのない環境を整えたり、
新鮮な栄養が摂れるごはんを
食べさせてあげたりすることが
大切です。
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犬の乳頭腫を予防する方法
パピローマウイルスは
環境中での生存能力が高く、
ウイルスとの接触を
防ぐこと自体は難しいでしょう。
ただし、
病気や治療薬によって
免疫機能や皮膚のバリア機能が
低下している犬は
感染しやすい状態です。
ドッグランのような
他の犬と接触しやすい場所は
避けましょう。
また、
普段から
免疫力を高めておくことは
パピローマウイルスに限らず、
その他のウイルスや
細菌などの感染予防に
つながります。
まとめ
- 乳頭腫は基本的に良性腫瘍で自然治癒する
- 子犬やシニア犬(老犬)にできやすい
- 悪性が疑われる場合は動物病院へ
- 普段から免疫力を高めることが大切
犬の乳頭腫は通常
1~2カ月で自然治癒しますが、
飼い主さんが
見た目で判断すると
悪性の「できもの」や「しこり」を
見逃す可能性があります。
よく観察して
疑わしい場合は
動物病院で
検査してもらいましょう。
いずれにしても、
日頃から
免疫力を高めることを
意識した生活が大切です。
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