犬の下痢!原因や病院に連れていくべき症状とは?
公開日:2024/05/14 / 最終更新日:2024/05/14
犬の下痢とは
下痢は
体調変化のサインとして、
飼い主さんが
気づきやすい症状の一つです。
腸の動き
(ぜん動運動)が過剰になったり、
腸の水分吸収が不十分だったり、
逆に
水分分泌が
過剰になったりすることで「軟便」、
そして
「下痢便」になります。
その原因は
さまざまですので、
便の状態を観察したり、
他に症状がないかを
確認したりすることが
重要です。
出血を伴う下痢のほうが
緊急性が高いと
思うかも知れませんが、
必ずしも
そうとは言い切れません。
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様子を見てもいい下痢
以下に該当する場合、
1~2日ほど
様子を見て大丈夫です。
軽度の
急性下痢であれば
2~3日で
症状は良くなります。
腸内細菌叢が乱れてしまい
慢性化する場合もあります。
改善せず、
悪化したり
続いたりする場合は
動物病院へ行くようにしてください。
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食事を変えた
ごはんを
別の商品に変更しただけでなく、
- 「いつもと違う味にした」
- 「トッピングやおやつをいつもより多めに与えた」
- 「急に手作りごはんを与えた」
といった変化で
下痢になる場合があります。
これは
人間のデトックスのように
腸内細菌が
変化することで起こり、
一定期間
慣れさせる期間が必要です。
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消化に悪い食事をした
さつまいもやとうもろこし、
おからなど
食物繊維が多い食材を食べたり、
牛乳や
脂の多い肉類、
揚げ物などを食べたりして
下痢になる場合があります。
食べ物が傷みやすい夏は
食中毒を起こしやすいため
注意が必要です。
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環境の変化があった
ペットホテルに預けたり、
引っ越し、
旅行をしたりといった
場所の変化や、
子どもが生まれたり、
同居動物が増えたりといった
家族の変化、
急に寒くなるなど
季節の変わり目に多い
気温の変化、
トリミングや通院、
来客などのストレスで
下痢になる場合があります。
動物病院に行くべき下痢
以下に該当する場合は、
緊急性が高いため
動物病院へ行くようにしてください。
誤飲・誤食をした
人間の食べ物や薬、
小さなおもちゃなど
家の中で起きることもありますし、
散歩中に
拾い食いをする場合もあります。
消化に悪いだけでなく、
中毒を起こしたり
食道や腸で詰まったりすると
大変危険です。
すぐに来院していただければ
応急処置を行うことができます。
まずは
動物病院に連絡して、
「いつ」「何を」「どれくらい食べたのか」
分かる範囲で伝えてください。
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血が混じっている
血を見ると
びっくりしてしまう
飼い主さんも多いと思いますが、
胃腸炎から寄生虫、腫瘍や
単に肛門が切れただけなど
原因はさまざまです。
血の状態というより、
出血が続いたり、
食欲や
元気が無かったりする場合に
緊急性が高くなります。
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食欲や元気が無い
下痢だけでなく、
食欲や元気が無い、
嘔吐をしている、
体を痒がっている
といった症状が出る場合は、
病気や感染症、
アレルギーの可能性があります。
放っておくと
重篤化するかもしれませんので、
すぐ動物病院に行きましょう。
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犬が下痢をする原因と対処法
下痢は大きく
「小腸性」と「大腸性」の
二つに分けられます。
排便の様子や
糞便の性状などから、
おおよそ判別することが
可能です。
小腸性下痢の場合
小腸に異常があると、
栄養が吸収されず
体重が減っていきます。
便の頻度は
通常と変わらないか
少し多いくらいで、
しぶる症状は
認められません。
食道や胃、十二指腸など
上部消化管に出血があると、
黒い便(タール便)が
排泄されます。
大腸性下痢の場合
大腸性の場合は
水分量の変化で起こるため、
体重の変化は
ほとんど見られません。
便の頻度は増え、
ゼリー状や鮮血を含む便が
排泄されることがあります。
うんちが出ない
しぶりが見られる場合もあります。
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病気が原因の場合
消化器疾患を患っている場合は、
ほとんどの症例で
下痢が起こります。
下痢以外にも
嘔吐や発熱、
食欲不振、体重減少などの
症状が認められることがあります。
内分泌疾患でも下痢が多く、
元気がなくなったり
多飲多尿になったりする
場合もあります。
腫瘍の場合、
胃や小腸など
上部消化管だと黒色便、
肛門や大腸付近だと
鮮血の付着がみられます。
便が固くなったから
問題ないと
安易に判断しないでください。
中には
ポリープのような
腫瘤性病変が存在する
場合もあるため注意が必要です。
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過敏性腸症候群と炎症性腸疾患
過敏性腸症候群(IBS)は、
大腸に原因となる
病気が無いにも関わらず、
下痢や便秘などの症状が
慢性的に続く疾患です。
原因は不明ですが、
ストレスが
関係しているのではないかと
考えられています。
精神安定剤や
食事療法で良くなることがあります。
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犬のストレスサイン!原因や症状、ストレス解消法って?
炎症性腸疾患(IBD)も、
原因不明で下痢や嘔吐、
体重減少が続きます。
免疫反応が
関係しているのではないかと
考えられ、
食事療法で
良くなることがあります。
どちらも
「難治性下痢症」と呼ばれ、
治療が難しい病気です。
最近では、
再生医療など
新しい治療も導入されています。
自宅でできる下痢の対処法や注意点
私たちも
食べ過ぎや
ちょっとしたストレスで
下痢になるように、
犬も
ちょっとしたことで
下痢になる場合があります。
食欲もあり、
普段と変わらず
元気にしているようであれば、
以下のような
対処法を試してみてください。
食事療法
食事を変えたことで
下痢になった場合は、
一定期間のデトックスですので、
慣れさせることが
大切です。
一気に切り替えるのではなく、
元の食事と混ぜながら
慣れさせてあげましょう。
下痢が治るまでは
通常量を与えるのではなく、
量を少なくして回数を増やし、
ドライフードであれば
ふやかしてあげると
お腹への負担が軽減されます。
下痢が続くと
水分が失われてしまうため、
脱水を起こさないように
水分はしっかり
摂取させましょう。
犬用のポカリスエットがベストですが、
一時的であれば
人間用のポカリスエットや
OS-1などの
経口補水液でも大丈夫です。
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人間用のポカリスエットは
糖分が多いため、
長期的に与えてしまうと
肥満や糖尿病の
原因になりますので
注意してください。
あげる目安は「体重 x 10ml」を
1回であげてください。
十分とは言えませんが、
一時的に脱水を防ぐことはできます。
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整腸剤
犬用の乳酸菌製剤が
販売されていますので、
それを整腸剤として
飲ませるといいでしょう。
人間用のものであれば
ビオフェルミンR(耐性乳酸菌整腸剤)、
ビオフェルミンSを
1日2回飲ませても大丈夫です。
1回あたり
小型犬なら1/4錠、
中型犬は1/2錠、
大型犬は1錠を
目安にしてください。
ヨーグルトにも
乳酸菌が含まれますが、
効果は
限定されるかもしれません。
正常なときに
予防や健康維持を目的として
与えるのがいいでしょう。
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絶水・絶食は獣医師の指示で
成犬であれば
お腹を休ませるため、
半日~1日の絶水や
絶食を行うことがあります。
脱水を予防するため
皮下点滴や、
状態が悪い場合は
入院させて静脈点滴を実施します。
悪化させたり
別の問題を起こしたりする
可能性がありますので、
飼い主さんの判断では
行わないようにしてください。
犬に正露丸を与えるのは絶対NG
下痢をしている犬にも
正露丸を
飲ませようとする方がいますが、
絶対にやめてください。
正露丸などの
胃腸薬には
「クレオソート」という
強力な消毒剤が含まれています。
犬に飲ませると
胃壁を荒らして
消化器に
強いダメージを与えてしまったり、
消毒剤を
うまく代謝できずに
中毒状態になってしまう
場合があります。
多頭飼いの場合は、下痢の子を隔離
下痢の原因が
感染症の場合、
同居動物に感染が広がる
可能性があります。
できる限り隔離して、
糞便に近づけないように
してください。
犬の下痢の検査・診断方法
まずは十分に問診を行い、
以下の項目について
確認します。
いま食べているフードや
環境の変化、
排便回数や便の硬さなどの
メモを持参していただけると、
よりスムーズに
診断を進めることができます。
- 下痢は急性か、慢性(3週間以上続く)か
- 食事の変更や盗み食い、異食、過食はあるか
- 異物、薬剤、毒物摂取の可能性はあるか
- 下痢以外の症状の有無(体重減少、食欲低下など)
- 寄生虫など感染の可能性はあるか
- 過去の治療歴
次に身体検査を行い、
犬の状態を見ながら
以下の検査項目を検討します。
- 糞便検査
- 血液検査
- X線検査
- 腹部超音波検査
- 内視鏡検査
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糞便検査
新鮮便を持参していただくと
糞便検査を行うことができ、
感染症の診断に
役立ちます。
数gあれば
充分な検査ができますので、
ラップやビニールなど
水分を吸収しないものに包んで
お持ちください。
まとめ
- 食事や環境の変化による下痢であれば様子見で大丈夫
- 誤飲や下痢以外の症状がある場合はすぐに病院へ
- 食事療法や整腸剤で改善する場合も
下痢は
飼い主さんが気づきやすい
症状です。
ちょっとした変化で
起こりますので、
まずは
他に気になる症状がないか
様子を見て
適切な対処をしましょう。
病気が隠れている
場合もありますので、
他に問題があったり、
長く続く場合は
動物病院へ行くようにしてください。
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