犬のマイボーム腺腫(腺炎)!原因や放置するリスクとは?

公開日:2025/03/18 / 最終更新日:2025/03/19
犬のマイボーム腺腫(腺炎)とは
マイボーム腺とは
まぶたに複数ある器官で、
目の表面を覆う油分を
分泌することで
涙の蒸発を防いでいます。
このマイボーム腺が
腫瘍化してできた
イボのような突起物のことを
マイボーム腺腫と呼び、
マイボーム腺が
炎症を起こした状態のことを
マイボーム腺炎(ものもらい)と
呼びます。
マイボーム腺炎は
原因によって
霰粒腫(さんりゅうしゅ)と
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)に分かれ、
霰粒腫が
マイボーム腺の
閉塞によって起きる炎症で、
麦粒腫が
細菌感染によって起きる
炎症です。
一般的に
目の周りにできた炎症は
「ものもらい」と呼ばれますが、
厳密には
ものもらいは
麦粒腫のことを指します。
マイボーム腺炎は
犬種や年齢に限らず
どの犬でも起こりますが、
マイボーム腺腫は
眼瞼腫瘍の一つで、
シニア犬(老犬)の老化現象として
よく見られます。
マイボーム腺腫のほとんどは
良性で
特に治療を行わなくても
自然に消えてしまいます。

犬のマイボーム腺腫(腺炎)の症状
マイボーム腺炎では
まぶたの縁(ふち)が
赤く腫れ上がり、
目を開けづらそうにしたり、
涙目になったり
目やにが多く見られたりします。
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犬にとって
視界の悪さ、異物感、痒みなどがあり、
目を足で掻いたり
床などにこすり付けたりして
二次感染が起こり、
結膜炎や角膜炎を
併発する場合もあります。
マイボーム腺腫は
まぶたの外側にでき、
視界をさえぎらなければ
特に問題になりません。
まぶたの内側にできると
眼球に当たり続けることで
角膜炎を起こすことがあります。
マイボーム腺炎と同様に
視界の悪さ、
異物感につながれば
犬のストレスになり、
目を足で掻いたり
床などにこすり付けたりして
二次感染が起こります。
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犬のマイボーム腺腫(腺炎)の原因
マイボーム腺炎は
麦粒腫であれば
急性の細菌感染、
霰粒腫であれば
慢性的な
マイボーム腺の閉塞によって生じます。
マイボーム腺が閉塞すると
油分が溜まって
炎症を起こします。
目にできるイボは、
非常にまれですが
- 皮脂腺癌
- 肥満細胞腫
- メラノーマ(悪性黒色腫)
- 扁平上皮癌
の可能性もあります。
見た目だけで
良性か悪性かを判断することは
できませんので、
放置せずに
獣医師に
相談するようにしてください。
悪性腫瘍で進行してしまうと
眼球摘出が必要になる
可能性もあります。
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犬のマイボーム腺腫(腺炎)の治療
同じマイボーム腺炎でも
麦粒腫と霰粒腫では
原因が異なるため、
治療方法も異なります。
飼い主さんが
市販されている
目薬で治そうとしても、
見立てが間違っていれば
治療が遅れて
治りが悪くなる場合もあります。
必ず
動物病院で
検査を受けるようにしてください。
麦粒腫は
細菌感染が原因で起こるため、
目薬として
抗生物質を投与することで
すぐに良くなります。
霰粒腫の場合は
慢性的な
マイボーム腺の閉塞が原因ですので、
腫れている部分を切開して
滞留している油分を
取り除かなければいけません。
まぶたを温めることで
詰まりを解消できる
場合もあります。
マイボーム腺腫は
ほとんどが良性で
自然と消えてしまいますが、
まぶたの内側など
できた場所が悪かったり
大きくなったりすると
犬が嫌がって掻いてしまい
二次感染に
(結膜炎や角膜炎など)
つながりますので
切除手術を行います。
悪性腫瘍が疑われる場合は
組織診をして
確定診断を行います。
マイボーム腺腫の手術
切除手術は
切開かレーザーで行います。
おとなしい子で
すぐに切除できてしまう場合は
麻酔を使わなかったり
点眼麻酔に
とどめる場合もありますが、
基本的には
全身麻酔で手術を行います。
取れた腫瘍は
病理組織検査を行って
良性か悪性かを
正確に診断します。
手術費用は
病院によって異なりますが、
検査から
術後の目薬まで含めて
5~15万円が
目安になります。
犬のマイボーム腺腫の予後
マイボーム腺腫
は再発することが多く、
切除手術を行う場合は
取り残しのないように
慎重に行います。
マイボーム腺腫自体は
良性であることが
ほとんどですので、
二次感染などが起きなければ
予後は良好です。

まとめ
- マイボーム腺腫はシニア犬に多い良性の眼瞼腫瘍
- マイボーム腺炎は麦粒腫と霰粒腫に区別される
- まれに悪性腫瘍の場合もあるため放置するのはNG
- 再発も多いため早期に適切な治療を行うことが大切
マイボーム腺炎(麦粒腫・霰粒腫)や
マイボーム腺腫は、
マイボーム腺で起こる病気です。
それぞれ原因も
治療法も異なり、
見た目で判断することは
できません。
まれに
悪性腫瘍の場合もあり、
放置すると
治りが悪くなりますので
早期に
適切な治療を行うことが
大切です。
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