犬のブリーダーって!優良・悪質の違いは?
公開日:2024/11/08 / 最終更新日:2024/11/08
犬のブリーダーとは
犬を繁殖するブリーダーの場合、
英語では
「a dog breeder」となります。
ブリーダーの主な仕事は、
母犬や父犬をお世話し、
交配により
子犬を出生させ、
出生した子犬を販売して
収入を得ることです。
ブリーダーは個人経営が多い
ブリーダーは個人経営が多く、
会社組織で
経営しているケースは
全体の10%以下ほどです。
個人経営の
ブリーダーの中でも
「専門的」と「副業や趣味」で
繁殖に携わる形態が
異なります。
子犬の販売ルート
ブリーダー全体の
8割程度は、
出生した子犬を
ペットショップや
せり市へ卸し、
販売を行っています。
残りの2割程度が、
ブリーダーから直接
飼い主さんに譲渡しています。
ブリーダーになるには
犬の繁殖には
- 「遺伝学」
- 「獣医学」
- 「動物行動学」
など
さまざまな専門知識が
必要です。
これらの知識がないと、
遺伝的リスクが高い
子犬を生み出したり、
健康不安や
情緒の不安定な子犬を
生み出したりしてしまうことが
あるでしょう。
専門知識に基づいて、
遺伝的リスクを排除するための
血統管理や
健全な子犬を生育するための
飼育体制を整える必要があります。
ブリーダーに資格は必要?
日本には
ブリーダーになるための
専門資格はありません。
一定の飼育環境を整え、
開業する地域の
動物愛護センターに
申請することで、
比較的簡単に
始めることができます。
ただし、
申請には
「半年以上の勤務経験」か
「動物関連学校の卒業」などの
要件があります。
血統証の発行団体
監督官庁へ
営業の届出しを行うほか、
血統証を発行するため発行団体に
(血統証明書)
加入する必要があります。
血統証の発行団体は
- 「ジャパン・ケンネル・クラブ(JKC)」
- 「日本警察犬協会(PD)」
- 「日本コリー・クラブ(JCC)」
- 「日本ケンネル・クラブ(NKC)」
- 「日本愛犬協議会(JCA)」
- 「日本社会福祉愛犬協会(KC)」
などがあります。
最も多く利用されている血統証は
JKCです。J
KCの血統証は
日本で唯一の
国際公認血統証明書となり、
最もスタンダードといえます。
関連記事
犬に血統書!必要?発行手続きって?
日本と海外のブリーダーの違い
日本のブリーダーと
海外のブリーダーを比較する場合、
それぞれの国の法令や
ペット福祉に対する考え方が
大幅に異なるため、
単純には比較できません。
イギリス、ドイツ、フランスの場合、
ブリーダーは
専門性の高い職業で、
専門資格が必要です。
開業のハードルにも違いがあり、
イギリス、ドイツ、アメリカでは、
届出ではなく
認可制や許可制であるため、
ブリーダーとして適切かどうかを
行政が判断します。
また、
イギリス、ドイツ、フランス、アメリカでは、
事業者の業法違反は
禁固刑や拘束刑など
重い罰則規制がありますが、
日本の場合、
資格制度もなく
開業も届出しだけでできます。
業法違反の場合も
罰金程度の
軽微な罰則しかありません。
ブリーダーの違いというよりは、
ペット行政によって
ブリーダー業界の環境や
ペット産業にこのような違いが
生じているといえます。
ブリーダーの質の違い
業界環境の違いにより、
ブリーダーの質も
大きく異なります。
これらの
ペット行政が進んでいる国に
共通して言えることは、
ブリーダーは
犬の専門家として
高い地位にあることです。
ブリーダーは
遺伝や出産、
幼齢犬の生育について、
獣医師は
獣医学や健康管理について
それぞれの専門分野を担当して、
同等の立場で連携をとり
健全な子犬を
生み出す努力をします。
一方
日本では
比較的簡単に
ブリーダーを始めるケースもあり、
専門知識や
キャリアの点で
海外のブリーダーに及ばないのが
実状です。
そんななかでも、
優秀なブリーダーは
日本にも存在します。
安心して子犬を迎えるために、
専門知識がある
優秀なブリーダーを選ぶことが
重要となります。
ブリーダーから迎えるメリットとデメリット
子犬を迎える際、
ブリーダーとペットショップ、
保護施設から迎える場合の違いを
考えてみましょう。
それぞれのショップや
施設によって
事情が異なるため、
あくまで
一般論として
主な項目に分けて紹介します。
優良ブリーダー・悪質ブリーダーの見極め方
ブリーダーの評価に
「優良」や「悪質」といった
表現が使われることがありますが、
一概に優良か悪質かの定義は、
極めて難しいといえます。
ここでは、
繁殖を行う上で必要な
専門知識や飼育管理、対応の観点から、
ブリーダーの質を見極めるポイントを
紹介します。
必要な専門知識
- 遺伝学の知識
(毛色の掛け合せ、遺伝性疾患の排除、成長時サイズ予想) - 予防医学
(衛生管理、ワクチンや投薬、定期駆虫、消毒) - 健康管理
(健康診断、食事量管理、体調チェックのしくみ) - 性格形成
(母犬との接触時間、社会化生育環境、お迎えの月齢の管理) - グルーミング
(適切なケアの実施)
これらの専門知識が不足していると、
子犬を迎えた家庭で
問題行動や疾病の可能性が
高まることにつながります。
飼育管理
- 飼育スペースが不潔、臭い
(飼育管理に手が行き届いていない) - 感染症の治療や予防が不備
(衛生管理、健康管理が行き届いていない) - 先天性の欠点がある親犬に繁殖している
(血統管理を行っていない) - 飼育スペースが狭い
(適切運動量、ストレスが無い環境に問題) - 両親犬が汚れている、あるいは十分なケアがされていない
(親犬を見せない)
飼育環境の良し悪しは、
分かりやすい
判断基準になります。
飼育スペースが
明らかに汚れていたり
動物臭があったりする場合は、
不衛生である可能性が
高いことを表しています。
見方を変えると
不衛生な環境は、
世話をする人手が
足りていないとも
考えることができます。
ブリーダーから迎える際は、
犬舎の見学・親犬の確認を行うことで、
後々のトラブルを防ぐ
助になります。
対応
- 複数の子犬と十分な時間過ごして選ぶことができる対応
- 子犬の特徴や飼育の質問に対する根拠が明確な応答
- 飼育に必要な事柄や保証、契約内容の丁寧な説明
繁殖にはプロ意識があっても、
接客が苦手なブリーダーもいるため、
対応だけでの判断は困難です。
ただ、
ファーストコンタクトの対応に
違和感がある場合は、
注意が必要かもしれません。
ブリーダーから子犬を家族に迎えるまでの流れ
ブリーダーから
子犬を迎えるときの流れは、
以下のような手順が
一般的です。
1、希望の犬種をインターネットで検索
通常ブリーダーは、
1~3犬種程度の繁殖を行っています。
質的には
1犬種だけを専門で繁殖している方が
望ましいかもしれません。
検索は
「犬種名 ブリーダー」でヒットします。
掲載されている子犬を見て、
価格などの条件が見合えば
見学の予約を取ります。
2、問い合わせをして訪問の予約を取る
見たい子犬の指定や
希望のタイプを伝え、
日時を調整して
見学の予約を取ります。
その際、
性別や毛色など
できるだけ具体的な希望を伝えて、
複数の子犬を
見せてもらうと良いでしょう。
3、訪問して子犬を見る
訪問した際は、
飼育環境や
専門知識があるかを
確認することが大切です。
お目当ての子犬が
元気に飛び回っているか
痩せすぎていないか、
あるいは、
性格が大人しいかなどを
良く観察しましょう。
4、譲渡契約、支払い
気に入った子犬が見つかれば、
保証内容など
契約条件や付帯費用などを
良く確認して契約します。
トラブルを防ぐためにも
契約書類には、
よく目を通しておきましょう。
5、子犬の受渡し
月齢によっては、
契約当日に
連れて帰れる場合と
適齢になってから
改めて迎えに行くケースがあります。
家庭での準備が揃ってから、
お迎え日を決めましょう。
ブリーダー訪問をする際の注意点
他のブリーダーや
ペットショップを
はしごしないようにしましょう。
優良ブリーダーは、
衛生管理も徹底しているため、
衛生状態が不明な
他の動物施設から、
感染源となるウィルスや
細菌を持ち込まれることを嫌います。
ブリーダー訪問を行う際は、
動物施設に立ち寄らないことが
マナーです。
まとめ
優良なブリーダーを見極めましょう
健康で情緒が安定した
愛らしい家族を迎えるために
優良ブリーダーを見極めることが
重要です。
専門家である
優良なブリーダーを見つけて、
アドバイスを聞いてみると
ドッグライフが
より楽しいものになるかもしれません。
PR
「オンラインレッスン」カテゴリーの関連記事
「犬アレルギー」カテゴリーの関連記事
「犬のブリーダー」カテゴリーの関連記事
「犬の健康維持」カテゴリーの関連記事
「犬の血統書」カテゴリーの関連記事
「犬預かり」カテゴリーの関連記事
「育犬ノイローゼ」カテゴリーの関連記事