犬のフィラリア症!原因や症状!治療方法って?
公開日:2024/06/04 / 最終更新日:2024/06/04
犬のフィラリア症とは
フィラリアとは
「犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)」
とも呼ばれる、
犬の心臓に寄生する
寄生虫(線虫)のことです。
感染した犬は
無症状の場合もありますが、
慢性的に
心不全と同じような症状がみられたり、
血尿や呼吸困難など
急性症状が現れ
死に至るケースもある
恐ろしい病気です。
地域にもよりますが、
蚊の発生する時期には
最も注意が必要です。
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感染経路
蚊が
フィラリアに感染した犬を
吸血することで、
蚊の体内に
フィラリアの赤ちゃんである
「ミクロフィラリア」が
取り込まれます。
ミクロフィラリアは
蚊の体内で成長し、
1カ月ほどで幼虫となり、
蚊が他の犬を
吸血した際に感染します。
幼虫は
全身の筋肉や
脂肪のすき間などで成長し(2カ月ほど)、
静脈を通って
最終的に右心房、
肺動脈へと行き着きます。
そして成虫は
ミクロフィラリア(幼虫)を産み、
全身の血管を流れ、
蚊に吸血されて
また別の犬へと
移動していくわけです。
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フィラリア症にかかりやすい犬種・年代
すべての犬種、年代において
フィラリア症に感染する
可能性があり、
室内飼育よりも
室外飼育の犬の方
が感染リスクが
4~5倍になるという
データがあります。
犬のフィラリアの初期症状
フィラリアの成虫が
心臓に寄生した場合、
寄生した数によって異なりますが、
初期はほとんどが
無症状です。
寄生から数年経って、
症状が出てくる場合が
多いです。
まず、
最初のシグナルとして現れるのは
- 「慢性的な咳」
- 「元気がない」
- 「散歩を嫌がる」
です。
フィラリアは
心臓と肺動脈に寄生するので、
心不全と同じような
症状が現れます。
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犬の心臓病!初期~末期症状とは?
犬のフィラリアの末期症状
初期症状を放置していると、
- 「食欲不振」
- 「多臓器不全」
- 「腹水(お腹に水が溜まる)」
- 「末梢の浮腫(むくみ)」
など、
重篤な症状と
なっていきます。
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また、
成虫が
本来の寄生場所から
後大静脈へと移動すると
「大静脈症候群」といわれる
急性症状が現れることもあります。
この場合
- 「血尿(赤色尿)」
- 「元気消失」
- 「呼吸困難」
などがみられ、
適切な処置が遅れると、
数時間から数日で
死に至る恐れがあります。
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人や猫への犬のフィラリア症の感染リスク
犬を最終宿主としていますが、
実は蚊に刺された時に
人や猫にも感染します。
でも心配する必要はありません。
人ではほとんどの場合、
侵入してきた幼虫は
成虫になることなく
死にます。
しかし、
最近では
猫への感染も
無視できないように
なってきました。
極まれに、
猫でも成虫まで成長し、
心臓に寄生する
例があるようです。
感染が確認された猫のうち、
約4割は
完全室内飼いだった
という報告もあり、
突然死の
原因となっています。
正しい知識を持ち、
決まられた期間
しっかりと投薬をしていれば、
ぼぼ100%
予防できる病気です。
犬のフィラリア症の予防方法
予防薬を投与する
「フィラリア予防薬は
月に1回やるもの」
という
認識はあるかと思いますが
「投薬から1カ月間
フィラリアに感染しない」と
勘違いしている方が
多いように思います。
予防薬は
成虫にはほとんど
効果がありません。
先述したとおり
予防薬を投与したとしても
蚊に刺されることで
幼虫が体に入ってきます。
その幼虫は
約2カ月ほどで
成虫になるため、
成長する前に駆除するのが、
予防薬の役目です。
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投薬頻度や時期
簡単に言うと、
蚊が出はじめてから
1カ月後に
投薬を開始するというのが
原則です。
例えば東京では
4月から11月が
蚊の活動時期です。
そのため、
4月に感染した幼虫は
5月にまとめて
退治すればいいのです。
6月まで遅らせると、
成虫になっている
可能性があるので
遅すぎます。
また、
12月にはもう
蚊を見ないからと
投薬をやめるのもNGです。
11月に投薬しても、
その後に蚊に刺された場合、
感染している可能性があります。
12月に飲ませて
終了というのが
正しい予防の仕方です。
地域・気候よって
蚊の活動期間は異なるため、
獣医師とよく相談して
投薬期間を決めてください。
犬のフィラリア症の予防薬の種類
最近では
選択の幅が広がり、
以下のような
さまざまなタイプの
予防薬があります。
- 錠剤タイプ
- チュアブルタイプ
- 滴下タイプ
- 注射タイプ
上記の予防薬タイプにも
ノミ・ダニも一緒に駆除したり、
1年間
効果が持続したりするものもあり、
ライフスタイルに合わせて
選択することが可能です。
金額は
病院や体重によって
異なりますが、
ノミ・ダニ予防と合わせても
月に数千円です。
簡単に予防できる病気で、
愛するペットを
苦しませぬようにしましょう。
犬のフィラリア症検査の必要性
フィラリアが
寄生していると知らずに
予防薬を投与すると、
ショックを起こす
場合があるため、
毎年、
フィラリア予防薬を処方する前に、
フィラリアに感染していないか
検査する必要があります。
成虫の産んだ
ミクロフィラリアが
血管に多量にいる時に、
予防薬で殺すと
死骸に対して
アレルギー症状を起こす場合が
あるのです。
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「毎年、きちんと飲ませているから
検査は必要ないのでは?」
という声もありますが
- 「飲み忘れ」
- 「飲ませたつもりが吐き出していた」
- 「正しい期間飲ませていなかった」
ということもありますので、
検査は必要です。
また、
根本的な理由として
フィラリア予防薬は
「要指示薬」に指定されていて、
処方には
「獣医師の診断(検査)」が必要です。
獣医師の判断には、
命を預かる責任が伴うので
「きちんと飲ませた」
という情報だけで、
薬を処方することはできません。
犬のフィラリア症の検査・診断方法
レントゲン検査
心臓の中に
原虫がいるかを確認します。
所要時間は
10~15分ほどです。
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超音波検査
こちらも
超音波を当てることで、
心臓の中に
原虫がいるか確認します。
抗原検査(血液検査)
薬を処方する時に
行う検査で、
早期発見が望めます。
所要時間は
5分ほどです。
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犬のフィラリア症の治療法
治療法は
症状によって
変わってきます。
どれも
一長一短で
選択が難しいですが、
要は
予防をしっかり行って
フィラリアに感染させない
ということが大切であることを
念頭に置きましょう。
温存療法
比較的症状が軽い場合は、
既に寄生している成虫の数より
増えないよう
通常の予防を行い、
成虫が寿命
(約5年)で死んでいくのを待つ
「温存療法」を行います。
しかし
前述した通り、
フィラリア陽性の犬に、
ミクロフィラリアを退治する
薬を投与するのは危険です。
そこで、
あとから入ってきた
幼虫のみをやっつける
マイルドな予防薬を
通常の期間だけ
毎年投与します。
短期的には
リスクの少ない治療法ですが、
フィラリアが
心臓に寄生し続けているので、
心臓へのダメージは
少なからずあり、
いつ大静脈症候群が
発症するかもわからないので、
爆弾をかかえたまま
過ごすこととなります。
予防薬を一年中投与
もう少し
積極的な治療は、
成虫にも
多少影響がある予防薬を
成虫が死ぬまで
一年中投与する方法です。
そうすることで
成虫の寿命を
2~3年に縮めることができます。
抗生剤を使って
ミクロフィラリアの数を減らし、
アレルギーの可能性を下げてから
予防薬を投与します。
ヒ素の投与
成虫を直ちに駆除する薬
(ヒ素)もありますが、
体への負担が大きく、
一気に大量の成虫が死ぬことで、
血管がつまる
恐れがあるので、
あまりおすすめできません。
大静脈症候群を発症した場合
悠長に
フィラリアの寿命を
待ってはいられないので、
外科的に除去することになります。
(外科的成虫吊り出し術)
首の血管から
細長い鉗子を入れ、
フィラリアを心臓から
盲目的に取り出します。
これは
麻酔下での処置になりますので、
具合が悪い子に
麻酔をかけるリスク、
心臓に器具を挿入する
リスクを伴います。
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まとめ
犬のフィラリア症は予防ケアが大切!
- フィラリアとは「犬糸状虫」とも呼ばれる寄生虫のことです
- フィラリアは蚊を媒介して犬に寄生します
- 感染した犬は無症状なケースや
急性症状が現れ死に至るケースもあります - 予防をしっかり行い、
フィラリアに感染させないということが大切です
毎年フィラリアをはじめ、
予防の大切さを訴えていますが、
いまだ認識の甘い方がいます。
特に
「予防したことないけど感染したことない」
という方には
警告です。
たまたま
「感染しなかった」のではなく、
地域の方たちがしっかりと
予防を
行ってくれていたおかげで
フィラリアをもった蚊に
刺されずに済んだのです。
月に一度、
とても簡単な
予防を怠ったがために
愛犬を
苦しませることに
ならないようにしましょう。
また、
フィラリア陽性犬に
してしまうということは、
愛犬を苦しめるだけでなく、
蚊を介して
フィラリアを
まき散らす存在にしてしまう
ということだとも
理解しておいて
いただければと思います。
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