犬のツボって?胃腸や腎臓などに効くツボ!
公開日:2024/11/20 / 最終更新日:2024/11/20
犬のツボを知る前にツボとは
われわれの体には
気や血(けつ)、水(津液・しんえき)
といわれる
生きていくために
必要な物資を運ぶための
「経絡(けいらく)」があります。
経路は
体を巡るルートの違いによって
14種類あります。
その経絡上に
「ツボ」と呼ばれるものが
存在します。
ツボは、
その中を通っている
気・血・津液
の流れを
体表を通じて整えることができる
スポットのことをいい、
ツボに鍼やお灸、
あるいは
指圧などで刺激を加えると、
元気になるのはそのためです。
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犬のツボとは
ツボの数
人間のツボの数は
WHO(世界保健機関)では
361カ所とされています。
ただ、
これには諸説あるといわれ、
実際には
これより多いといわれます。
犬のツボの数は
人間とだいたい同じと
考えてよいでしょう。
例外として、
人間の頭の最頂部に
「百会」(ひゃくえ)という
ツボがありますが、
動物には
同じ百会というツボが
頭以外に
腰にもあります。
これは、
かつて馬や牛といった
大動物に鍼灸を行った名残で、
人間より背の高い牛や
馬の頭に処置をするのが難しく
「腰百会(こしひゃくえ)」というツボが
活用されたという
歴史があるためです。
ツボの感じ方
動物は
ツボを刺激された場合、
おそらく
人間がツボを押されたときの感じ方と
ほぼ同じだろうと思います。
強すぎず弱すぎずという
「程よい強さ」が
ポイントとなります。
顔や足の先端は
感覚が敏感ですので、
力の加減など
実際のツボ押しについては
後述します。
ツボ押しをおすすめしない場合
ツボ押しをする部分に
- 「強い炎症がある」
- 「骨折している」
- 「強い炎症や腫れがある」
- 「腫瘍がある」
といった場合は、
ツボ押しを
控える必要があります。
全身状態が
著しく衰弱している場合も
適しません。
さらに
妊娠中の犬の場合は、
刺激しない方がいい
ツボがあるので、
注意してください。
犬のツボの押し方
強すぎず弱すぎない押圧を
ツボを押すことを
「押圧」と呼びます。
この押圧は、
力の加え具合が
ポイントとなります。
人間に指圧する場合でも、
強すぎず弱すぎずという点が
重要なのですが、
どうしても
人間に指圧する感覚で
犬にすると
強すぎる可能性があります。
目安として、
以下のような力を
加えていただくとよいでしょう。
個々によって
力加減に好みがありますので、
様子を見ながら
調整してみましょう。
- 小型犬
350~500g - 中型犬
500g~1kg - 大型犬
2~3kg
力加減を知るには、
ご家庭にあるキッチンスケールに
指を押し当ててみると
参考になります。
犬のツボ押しのやり方「3-3-3秒法」
- 指の腹を使って3秒くらいの時間をかけ
ゆっくりと力を加えます - 力が加わった状態で3~5秒ほど保ちます
- 3秒ほどの時間をかけて力を徐々に抜いていきます
- 犬の様子を見ながら必要に応じて1~3を繰り返します
One Point
愛犬の表情をよく観察し、
気持ち良さそうであればOKです。
うっとりするところまで到達すれば
文句なしです。
嫌がるようであれば、
力を弱めるか、
中止しましょう。
犬のツボ押しの注意事項・アドバイス
押圧回数の目安
ツボ1カ所につき
5~30回くらいを目安に押圧します。
できるだけ
毎日行うのが効果的です。
ツボの位置に自信がない場合
犬の押圧するツボを、
人間のツボで位置確認してみると
わかりやすいかもしれません。
無理強いはNG
あせらず、ゆっくりと
慣らしましょう。
犬が嫌がっていたり、
怖がっている場合の
無理強いはやめましょう。
押圧する側の体調管理も必要
押圧する側の体調や
感情が指を通じて
犬に伝わることがあります。
リラックスし、
愛情をたくさん込めましょう。
超小型犬の場合
超小型犬で
指の腹で押圧ができない場合は、
綿棒を使って
押してあげると
程よい刺激が得られ便利です。
犬が気持ちいいツボ
では実際に、
愛犬を落ち着かせたり、
リラックスさせたりしたいときの
ツボを紹介します。
ツボの位置を把握しやすく、
かつ実践しやすいツボを
厳選しました。
うまく押したり、
マッサージしてあげたりすると、
気持ち良くなって
寝る犬もいると思います。
緊張している状態を落ち着かせるためのツボ
攅竹(さんちく)
犬にも眉毛が生えており、
その部分が
うっすら盛り上がっています。
その部分が攅竹です。
いわゆる
「麻呂眉」になっている
部分そのものです。
犬と向かい合って
親指で円を描くように
マッサージしてみましょう。
風池(ふうち)
頭の付け根の後ろ
両側のくぼみにあります。
神経の高ぶりを抑え、
心を穏やかにするだけでなく、
自律神経のバランスを整える
効果が期待できます。
指の腹を使って
左右同時に押圧するとよいでしょう。
寝つきが悪いときのツボ
丹田
正確には
ツボではなく
場所を指す言葉です。
犬のおへその下部、
およそ犬のかかとの横幅
3個分あたりを指します。
この部分は
強く押すのではなく、
円を描くようにやさしく
マッサージするのがポイントです。
イライラ対策のツボ
百会(頭百会)
頭頂部の
両耳の先端を結んだ線と、
からだの左右の
中心線が交わった部分です。
ストレスによって
落ち着きがない場合、
自律神経のバランスを
整えることができます。
軽く指圧するほか、
円を描くように
軽くマッサージする方法も
良いでしょう。
注意点は、
犬種によってこの部分の
頭蓋骨に穴が開いている
ケースがあります。
チワワといった
超小型犬にみられることが
時々あるため、
その場合は、
ツボ押しは控えましょう。
犬の病気に効果のあるツボ
犬にツボを使用して
治療を行うことが多いものとして
「腎臓病」や「神経病」「内臓の病気」、
病気ではないものの
何となく調子がすぐれない
「未病」といわれるものや、
健康維持を目的とすることがあります。
自宅でできる
オススメの
犬のツボ押しを
ケースごとに紹介します。
心臓病に有効なツボ
(だんちゅう)
胸骨(のどの下のくぼみから
みぞおちまでの体の中央を通る骨)の下から
1/4の部分にあります。
胸のつかえや
息切れに効果があります。
「3-3-3秒法」で
20回くらいを目安に行います。
神門(しんもん)
犬のツボ「神門」
犬の手首にある
肉球(手根球)の近く、
親指側のくぼみにあります。
心を穏やかにする、
心機能を安定化する
働きがあります。
20秒ほどゆっくり
押圧してみましょう。
呼吸器(気管虚脱や咳など)に有効なツボ
膈兪(かくゆ)
犬には
肋骨が13本ありますが、
後ろから数えて
6本目と7本目の間を
指で背中側にたどっていきます。
背中の中心の
左右のくぼみにあるのが膈兪です。
横隔膜に由来しますので、
呼吸器だけでなく
胃、食道の不調に効果があります。
「3-3-3秒法」で
押圧しましょう。
(だんちゅう)
だんちゅうは、
心臓病だけでなく、
呼吸器疾患にも有効です。
手法は
胸骨の下から
1/4の部分にあるツボを
「3-3-3秒法」で
20回くらいを目安に行いましょう。
腎臓病に有効なツボ
腎兪(じんゆ)
一番後ろの肋骨をたどり、
その中央にある
骨のでっぱりから
3つ後ろのでっぱりがある
骨の左右にくぼんだたところが
腎兪です。
東洋医学の「腎」は
泌尿器としての
腎臓の機能だけでなく、
生命の源となる
「精」と密接な関係があり、
老化予防としても
重要なツボです。
「3-3-3秒法」で押圧しましょう。
湧泉(ゆうせん)
後肢の
一番大きな
肉球の付け根にあります。
「気が泉のように湧く」という字の通り、
腎経という
腎臓に関連する経絡の
始点となるツボです。
腎臓病だけでなく、
後肢の麻痺などにも有効です。
胃腸トラブルに有効なツボ
足三里(あしさんり)
後肢の
ひざ下外側にある出っ張りから
斜め前方の
くぼんだ場所にあるツボです。
松尾芭蕉の
「おくのほそ道」にも記された
足の疲労に良いとされるツボですが、
このツボは
胃と関連の深い
「胃経」という経絡に属するツボです。
5秒程度ゆっくり押圧し、
20回ほど繰り返しましょう。
気海(きかい)
おへそから、
犬の指で
2本分下方にあるツボです。
お腹が痛いときに
よく押さえる場所でもあります。
ツボを直接
押圧するというより、
気海を含めたその周辺を
手で覆って
温めながら軽くさすると
良いでしょう。
強く押圧するのは
好まない犬が多いです。
肩こりに有効なツボ
曲池(きょくち)
肘を曲げた際にできる
しわの外側にあります。
「3-3-3秒法」で
10回ほど繰り返します。
そのほか、
自律神経の安定に有効です。
風池(ふうち)
耳の後方にある
くぼみ(ぼんのくぼ)にあります。
肩と合わせて
首の筋肉が凝ることが多いため
有効です。
左右一対あり、
20秒くらいの時間をかけ
ゆっくり押圧します。
アンチエイジングのツボ
腎兪
前述した
腎臓病に有効なツボ同様のツボです。
一番後ろの肋骨をたどり、
その中央にある
骨のでっぱりから
3つ後ろのでっぱりがある
骨の左右にくぼんだたところを
「3-3-3秒法」で押圧しましょう。
腰百会
腸骨翼(ちょうこつよく)という
骨盤の中で
一番高い位置の骨を
指で確認し、
左右の腸骨翼の中間にあるくぼみが
「腰百会」です。
いくつもの
良い効果があることから
「百会」と呼ばれます。
アンチエイジングのほか、
腰痛や免疫力の向上にも有効です。
「3-3-3秒法」で
10回ほど押圧してみましょう。
気持ち優しめに
ツボを押すと効果的です。
まとめ
犬のツボは健康管理に大切
- ツボは、気・血・津液の流れを体表を通じて
整えることができるスポットのことをいいます - ツボ押しをする部分に炎症や腫瘍、
骨折などがある場合はツボ押しを控えましょう - ツボを押す際は、強すぎず弱すぎずという
「程よい強さ」がポイントです - リラックス効果や病気に効くツボがあります
犬や猫も
医療が発達し
寿命が延びていく中で、
慢性病や
病気ではないものの、
調子のすぐれない
「未病」といわれる状態を
よく見かけます。
できることなら
病気にならずに
長生きしたいと思うはずです。
そんな時に、
ご家庭で少しでも
健康に寄与できる方法として
ツボ押しが
大いに役立つことと思います。
単に
健康増進の手段としてだけでなく、
愛犬と飼い主の
体と心の距離が近付ける
貴重な機会になるでしょう。
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