犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症)!原因や、症状って?
公開日:2024/10/31 / 最終更新日:2024/10/31
犬のアジソン病で重要な副腎とは
副腎は、
左右の腎臓のすぐ近くに
1つずつ存在する
内分泌組織です。
動物の副腎は
人間のように
腎臓に付着してはおらず、
独立して存在します。
副腎は
「皮質」と「髄質」の
2層構造をもっています。
そして、
副腎皮質からは
グルココルチコイド(コルチゾール)と
ミネラルコルチコイド(アルドステロン)という
2つのホルモンが
分泌されています。
グルココルチコイドは
体をストレスから守ったり、
食欲を増加させたりします。
また、
ミネラルコルチコイドは
体の中の電解質
(ナトリウムやカリウム)のバランスを整える
役割があります。
犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症)とは
アジソン病は
副腎皮質から分泌される
グルココルチコイドと
ミネラルコルチコイドといった
ステロイドホルモンが
不足することによって起きる疾患で、
別名
「副腎皮質機能低下症」ともいわれます。
猫では
非常にまれですが、
犬でしば
しばみられます。
これらのホルモンの
分泌不全が起こると
さまざまな症状が出てきます。
そして、
致死的な症状を
呈することもあります。
余談ですが、
これに対して
クッシング症候群は
副腎からホルモンが
出すぎることが原因となります。
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アジソン病にかかりやすい犬種・年齢
アジソン病は
ほとんどすべての年齢で
発症報告がありますが、
比較的若齢~中高齢
(2カ月齢から12歳齢)での発症が多く、
オスより
メスで多く発症します。
アジソン病の好発品種
以下の犬種が
アジソン病にかかりやすいと
考えられています。
- チワワ
- ゴールデン・レトリバー
- ヨークシャー・テリア
- ロッドワイラー
- ポメラニアン
- スタンダード・プードル
- ベアデット・コリー
- グレート・デーン
- ポーチュギース ウォータードッグ
- ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
犬のアジソン病の症状
臨床症状は
以下の通りです。
「消化器症状」や「泌尿器系疾患」と
判断されてしまうこともあります。
症状の重さは
ストレスの程度や
副腎皮質の予備能力などによって
さまざまです。
- 元気消失
- 下痢
- 嘔吐
- 食欲低下
- 無気力
- 虚弱
- 体重減少
- 多飲多尿
- 震え
- 腹痛
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その他に、
診察台上の身体検査で、
以下のような所見が
得られることもあります。
- 沈鬱
- 衰弱
- 脱水
- 著明な徐脈
- 腹部疼痛
- 低体温
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アジソン病は、
臨床症状に
増悪と寛解の波があり、
ストレス下で時折
症状を起こす傾向があります。
したがって、
アジソン病に罹患している犬が
ストレスのかかる環境に
曝された場合、
臨床症状が
突然発症する
可能性があります。
たとえば、
ホテルやトリミング、
旅行などのイベント後に
症状が発現することもあります。
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犬のアジソン病の検査
この病気の特徴的な症状は
あまりありません。
臨床症状が、
ほかのいろいろな病気でも認められる
症状と重なるからです。
そのため、
診断が
難しい場合がありますが、
ホルモン検査の発達で
診断が容易になりました。
主な検査は大きく
- 「血液検査」
- 「血液化学検査(血糖値や電解質の測定)」
- 「副腎が機能しているかどうかの検査」
の3つになります。
血液検査
血液検査(CBC)では、
白血球数に
変化がみられることもありますが、
アジソン病に
特異的な変化は
ほとんどみられません。
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血液化学検査(血糖値や電解質の測定)
血液化学検査では
電解質測定が最も重要で、
この症例の
約80%ではナトリウム(Na)と
カリウム(K)の両方の異常値が
観察されます。
また、
症例の10%では
ナトリウム(Na)とカリウム(K)のいずれかに
異常値がみられます。
症例の
残り10%では
電解質異常は認められません。
さらに、
- 高窒素血症
- 低血糖
- 低クロール血症
- 高カルシウム血症
も認められることがあります。
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副腎が機能しているかどうかの検査
アジソン病が
疑わしくなれば、
ACTH刺激試験を行います。
ACTH刺激試験とは、
副腎皮質刺激ホルモンをわざと注射し、
注射前後の血液中の
コルチゾールの量の変化により、
副腎が機能しているかどうかの
診断をします。
アジソン病の
診断をするためには、
血液検査で
副腎から出るホルモン
(コルチゾール)を測り、
分泌能力の低下を確認します。
例外がみられることもあります。
その他の検査
高カリウム血症により
心臓の病変がみられる
可能性もあるため、
心電図を測定します。
さらに、
- レントゲン検査
- 超音波検査
も行います。
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犬のアジソン病の治療
犬のアジソン病を治療するには、
足りなくなったホルモンを
飲み薬として補います。
体調がとくに悪い場合は
点滴をします。
重度の低ナトリウム血症や
高カリウム血症により
循環血液量の減少、腎前性高窒素血症、
不整脈が起こると
「アジソンクリーゼ」と呼ばれる
重度のショック状態になります。
この場合には、
すぐに
積極的な治療が必要となります。
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まとめ
犬のアジソン病は症状はさまざまです
犬のアジソン病は、
(副腎皮質機能低下症)
臨床症状が
非常に多様なので、
鑑別診断の対象となる病気が
多数存在します。
そして、
放置すれば、
致死的な経過をたどる
場合もある
恐ろしい病気です。
しかし、
アジソン病
(副腎皮質機能低下症)は、
治療によって
比較的いつもどおりの生活を
送ることができるようになる
病気といわれています。
普段から愛犬の様子を
よく観察することで、
早期発見・早期治療につながります。
この病気だけでなく、
少しでも愛犬の変化や
異常に気がついたら、
速やかに
動物病院へ連絡し、
獣医師と診察方法や
治療方法について
相談しましょう。
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