犬のしつけは楽しく!基本的なしつけって?
公開日:2022/10/18 / 最終更新日:2023/05/29
犬のしつけの基本的な考え方
しつけとは、
愛犬と飼い主さんが
気持ちよく過ごすための
ルール決めです。
無理矢理
言うことを聞かせたり、
犬をコントロールしたりする
ことではありません。
一昔前はしつけにおいて
「犬のリーダーになる」という
上下関係が大切だと
いわれてきましたが、
長年の研究で
「犬はオオカミのような順位付けはしない」
とされ、
今となっては
「犬のリーダーになる」という
考え方は古いものとなりました。
犬のしつけで大切なこと
信頼関係を築く
犬と人の関係作りで大切なのは、
上下関係ではなく
信頼関係です。
よく
「犬と一緒に寝るのはよくない」
といわれますが、
一緒に寝ることが問題ではなく、
犬が1匹では
寝られなくなることが問題です。
たまには
1匹で寝かせることも必要です。
犬の意思を尊重する
応用編ではありますが、
ある程度信頼関係が築け、
お互いの意思が理解できる場合
「犬に選択させる」
ということができます。
散歩を嫌がる犬であれば
「散歩する?」と声をかけ
リードを見せます。
散歩に行きたくないなら
逃げるでしょうし、
行きたいなら
逃げないで近付いてくるでしょう。
散歩の時間だからと
無理に散歩させるのではなく、
犬の気持ちを聞いて
尊重してあげることも大切です。
犬の学習について
基本的に犬は
行動の前後に起こったことを
関連付けて学習します。
犬の学習の仕方は
大きく分けて2つあり
「古典的条件付け」と
「オペラント条件付け」
があります。
古典的条件付け(レスポンデント条件付け)
「古典的条件付け」とは、
ある行動(反応)が、
刺激の呈示により
受動的に引き起こされる
ことをいいます。
有名なのが
「パブロフの犬」
という実験です。
犬に
「ベルの音を聞かせてから食事を与える」
という行動を
繰り返すことによって、
犬は「ベルの音=食事」
と学習します。
そうすると、
ベルの音を聞くだけで
唾液が分泌されるようになります。
オペラント条件付け
「オペラント条件付け」は、
ある行動が「強化」
という機能によって、
能動的に学習されることを
いいます。
代表的な実験では、
レバーを押すと
ごはんが出てくる仕組みの箱に
ネズミを入れ、
ネズミ自身で考え
レバーを操作させる
というものがあります。
「古典的条件付け」と
「オペラント条件付け」の違いは、
受動的か能動的かを
基準に区別されていると
考えれば良いでしょう。
犬の行動には意味があります。
行動の意味を考えながら
愛犬を観察することで、
現在犬の問題行動に困っていても、
なぜそういう行動をするのかが
理解できると思います。
犬のしつけは褒めることが基本
犬のしつけは
「褒めるしつけ」が主流です。
褒めるなかでも
一番簡単なのが、
おやつを使うことです。
しかし、
犬にとってのご褒美は
おやつだけではありません。
愛犬にとっての「ご褒美」を知る
犬のしつけに使うことの多い
ご褒美。
愛犬の好きなものを知ることで、
トレーニングの幅が広がります。
- おやつ
- おもちゃ
- 好きな行動
- 好きな人
- なでられる
- 名前を呼ばれる
- 目が合う
犬によっては、
おやつよりも
ボールが好きな子もいますし、
飼い主さんと目が合うだけで
嬉しい子もいます。
一方、
体を撫でられるのが
好きではない子を
「いい子だね」と撫でても
ご褒美にはなりません。
愛犬の嗜好性を理解して、
それをご褒美として
あげることが大切です。
やってはいけないしつけ方
褒めるのではなく
「叱るしつけ」は、
タイミングや方法が困難です。
小型犬や中型犬に
やってしまいがちなのが、
力で無理やりコントロールすること。
鼻先(マズル)を抑えたり、
仰向けにして
お腹を出させたりすること、
叩く蹴るなどでは恐怖心が先行し、
しつけが入ることはありません。
叱った瞬間は
指示に従ったとしても、
信頼関係は生まれません。
恐怖心を与えることは、
防衛本能としての
攻撃性を引き出してしまう
ことにもつながります。
犬にしつけを始める時期
子犬・成犬に関わらず、
基本的にしつけは
何歳からでもできます。
ただし
「今まで外だったトイレを室内にさせる」
といった覚え直しは、
初めて覚えさせるよりも難しく
時間がかかるため、
根気よく行う必要があります。
犬に必要なしつけ
どこを触られても嫌がらないようにする
- 耳
- 鼻先(マズル)
- 足先
- 尻尾
など、犬にも
触られたくない部分はあります。
しかし散歩から帰って
足を拭くときや、
耳の手入れをするとき、
歯磨きをするときなど、
日常生活で
触れなければいけないときが
あります。
触れることで
病気の早期発見に
つながることもあるので、
全身どこを触っても
- 「嫌がらない」
- 「ストレスがかからない」
ように、
子犬の頃から
全身に触れることで、
刺激に慣れさせることが大切です。
トイレトレーニング
子犬の頃から失敗させない、
成功体験をさせてあげることが、
トイレトレーニング成功の
近道です。
トイレに
コマンドをつけることも有効です。
普段から、
排せつをしている時に
決めた言葉
(ワンツーワンツーなど)を言うことで、
その音を聞くだけで
排せつしたくなります。
クレートトレーニング
クレートトレーニングは、
サークル(ケージ)でも応用できます。
クレートは
ケージやサークルよりも
狭く暗い環境のため、
より大変ではありますが、
災害時など
「もしも」の時のことを考え、
今からトレーニングをしておくことが
大切です。
クレートトレーニング方法 Step.1
- 扉が閉まらないように固定してから、
犬が見ていないときにおやつを入れる - 犬が自分でクレートの中のおやつに
気がつくまでそっとしておく - クレートの中のおやつを見つけて食べたら、
また犬が見ていないうちにおやつを入れる - 1~3の繰り返し
※おやつは音で気付かれないように、
柔らかいものがベターです。
おやつを見つけたからといって、
特別褒める必要はありません。
クレートトレーニング方法 Step.2
- クレートの中に毛布などを入れ「簡単に見つけられるおやつ」と
「毛布に隠した少し見つけにくいおやつ」を
犬に見られないように準備する - 繰り返すことで、少しずつクレートの中にいる時間が増え、
愛犬にとって「クレートはおやつが出てくる不思議な場所」
と学習させる - クレートに慣れたようであれば、扉を付け、
犬が外にいる状態で開けたり閉めたりして見せる - クレートに犬が入った状態でおやつを与えながら、
扉をゆっくり少しだけ閉め、すぐに開ける - 徐々に、扉を閉める割合や時間を延ばす
- 自然とクレートに入るようになったら
「ハウス」などのコマンドを入れる
※大切なのは、
扉が急にしまったり、音が鳴ったりして
「怖がらせないこと」と
「クレートからおやつが湧いて出てくる」と
思わせることです。
飼い主さんがおやつを入れているのが分かると、
飼い主さんがいないと
クレートでの
お留守番できなくなる可能性があります。
散歩
「リーダーウォーク」と呼ばれる
散歩の方法があります。
リードはたるんだ状態で、
犬が飼い主さんの横について
歩く方法です。
初めはおやつを使って
誘導させてあげるといいでしょう。
おいで
「呼び戻し」ともいわれる「おいで」。
「家ではできるけど外だとできない」
という飼い主さんも多いと思いますが、
「おいで」が必要な場面は、
屋外が多いため、
屋外でもできるように
トレーニングが必要です。
協力者にリードを持ってもらい、
離れた場所から名前を呼び、
犬が「行きたい!」
と思っているタイミングで
「おいで」と声をかけ、
リードを離してもらいます。
足元まできたら
大げさなくらいたくさん
褒めてあげましょう。
トリーツを
数回に分けてあげるのもいいですね。
※この時大切なのは、
「飼い主さんのところに行きたいのに行けない」
状況を作ることです。
行きたいのに行けない状況から
「おいで」の言葉の後には
飼い主さんのところに
行くことができるため、
飼い主さんのところに
行けたこと自体がご褒美になります。
アイコンタクト
アイコンタクトができると
コミュニケーションが
とりやすくなり、
しつけもしやすくなります。
待て
お出かけした時や、
うっかり
リードを落としてしまった時などにも
利用できますので、
覚えさせておくといいでしょう。
伏せ
ドッグカフェなどの
外出時に役に立ちます。
飛びつきがちな子の
対応としてもおすすめです。
指示の後は必ず開放の合図「よし」
「開放」は終わりを意味します。
私たちは
ごはんの前に待たせてから
「よし」と言って
解放させますが、
普段はどうでしょうか。
オスワリといって
おやつをあげて
おしまいになっていませんか?
普段から
「指示された行動には終わりがある」
ということを教えることで、
「待て」や「フセ」が
当たり前になっていきます。
※開放のコマンド
(指示語)を決めましょう。
一般的に使われているのは
「よし」や「OK」ですが、
飼い主さんが分かりやすい
コマンドでかまいません。
一つ注意したいのは
「他に似た言葉を使っていないか」
ということです。
犬にとって
紛らわしい言葉がある場合は、
違うコマンドにすることを
おすすめします。
まとめ
- しつけとは、愛犬と飼い主さんが
気持ちよく過ごすためのルールを決めること - 上下関係ではなく、信頼関係を築くことが大切
- 「叱る」より「褒める」しつけを
- 焦らずゆっくり時間をかけて、犬も人間も楽しみながらおこなう
しつけを行う際は、
まずは愛犬のことを理解する必要があります。
遊びを通して
新しいことを少しずつ教えていくこと、
覚えていくことは
喜びであり楽しみになります。
「できないからダメ」
「教えても覚えないから頭が悪い」ではなく
「できたら楽しい」「このやり方ならどう?」といった
気持ちで取り組みましょう。
飼い主さんだけで
しつけを行うことが難しい場合は、
トレーナーに相談し、
一人で
抱え込まないようにしましょう。
犬も人も
楽しく取り組むことが1番です。
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