犬のがん!症状や、原因、予防法って?
公開日:2024/04/09 / 最終更新日:2024/04/09
犬の癌(がん)とは
がんは基本的に
細胞の遺伝子の突然変異や
細胞の無秩序な
異常増殖により起こります。
それは
細胞のDNAが傷付けられると
突然変異を起こし(イニシエーション)、
その細胞が
無秩序に増殖していくと
がん発生の
前段階になり(プロモーション)、
そしてさらに
突然変異を繰り返すごとに
悪性化していき(プログレッション)、
がんとなります。
これらの段階は
寿命が延びるごとに
リスクが増えるので、
がんは
高齢の病気とされているのです。
がんは
全身のさまざまな部位に
できる病気です。
がん細胞を
そのまま放置していると、
腫瘍がどんどん大きくなり
周囲組織を圧迫し
増大していきます。
さらに
がん細胞が
血管やリンパ管に浸潤して
全身をめぐることで
全身の臓器に
がん細胞が生着し、
そこでまた
腫瘍を形成して転移となります。
転移場所にもよりますが、
転移を起こすと
さまざまな症状を示し
死に至る病気です。
早期のがんの場合、
症状が分かりづらく、
発見が遅れる場合もあります。
気付いたときには
もう手遅れ、
なんてことにならないためにも、
動物を注意深く
毎日観察することが重要です。
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犬の癌(がん)にかかりやすい
年代・犬種
犬の死因第1位はがん
(腫瘍)だと言われています。
がんは一般的に
高齢犬が
かかりやすい病気です。
近年、
良質なペットフードにより
ペットの寿命が延びてきており、
高齢化が進んで
長寿犬なども
どんどん増えてきましたが、
その反面
がんにかかりやすく
なってきているのです。
かかりやすい好発犬種として、
- ゴールデンレトリーバー
- ラブラドールレトリーバー、
- バーニーズマウンテンドッグ
などの大型犬が多く、
小型犬でも
ダックスフンドが挙げられます。
犬の癌(がん)の種類と代表的な症状
がんは大きく
「上皮性腫瘍」と「非上皮性腫瘍」の
二つに分けられます。
「上皮性腫瘍」は
皮膚や粘膜から発生するがんで、
「癌」と漢字で書く場合は
こちらを指します。
「非上皮性腫瘍」は、
上皮以外にできる
間葉系腫瘍と
独立円形細胞腫瘍と言われる
血液細胞から発生する
腫瘍の総称です。
間葉系腫瘍には
線維腫や脂肪腫などがあります。
独立円形細胞腫瘍には
リンパ腫、肥満細胞腫
などがあります。
以下では
主な部位に発生する
がんの症状を紹介していきます。
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口腔内のがん
口腔内のがんトップ3は
- 悪性黒色腫
- 扁平上皮癌
- 線維肉腫
です。
口腔内のがんは
よだれや出血、食欲減退、
外貌の変化や口臭が認められます。
悪性黒色腫は
転移性が高い腫瘍と
言われています。
扁平上皮癌と線維肉腫は
悪性黒色腫と比べて
転移性は低いものの、
口腔内での発生により
食事が出来なくなり
死亡します。
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皮膚や体のがん
皮膚や体で触って
分かるがんで多いものは
- リンパ腫
- 肥満細胞腫
- 軟部組織肉腫
といったものがあり、
リンパ腫や肥満細胞腫は
進行していくと
多くは
肝臓や脾臓や骨髄に転移し、
最終的に
全身状態の悪化が見られて
死に至ります。
軟部組織肉腫は、
転移性は低い一方で、
どんどん肥大して
周囲組織を圧迫していき、
機能障害を
引き起こしてしまいます。
犬の体を触って
しこりが確認できたら、
皮膚のがんである
可能性があります。
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呼吸器のがん
呼吸器で多い腫瘍は
- 鼻腔の腺癌
- 肺腺癌
- 肺扁平上皮癌
です。
腺癌は進行が早く、
骨が破壊されることで
顔面変形が起こります。
肺腺癌や肺扁平上皮癌は、
初期段階では
あまり症状を示さないものが
多いですが、
末期になると
咳や呼吸が荒くなるなどの
症状が出ます。
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肝臓のがん
肝臓は肝細胞癌が、
脾臓は血管肉腫と言われる
腫瘍が多いです。
肝細胞癌は
食欲不振や体重減少など
明確な症状がありません。
血管肉腫の場合は
出血による
貧血が起こります。
腹腔内に出来る腫瘍は
知らない間に大きくなり
破裂してしまうことが
多々あります。
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消化器のがん
消化器で多いものは
- リンパ腫
- 腸腺癌
- GIST(消化管間質腫瘍)
- 軟部組織肉腫
と言われるものです。
初期症状は
非特異的なものですが
食欲不振や体重減少が見られます。
消化器腫瘍は
放置しておくと
嘔吐や下痢を引き起こし、
最終的には
栄養不足により死亡します。
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膀胱のがん
膀胱腫瘍では
移行上皮癌が多く、
血尿や排尿障害を
引き起こします。
肛門周りで多い腫瘍は
肛門嚢腺癌、肛門周囲腺癌があります。
肛門周囲の癌では
大きくなると
排便困難な状態になり
最終的に
便が出なくなる危険性があります。
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犬の癌(がん)の原因
がんの原因としては
次の五つの要因がある
と言われています。
遺伝的な要因
遺伝的な要因としては
前述している通り
DNAが傷付き
その傷付いたDNAが
増えることにより
がんが発生するというものです。
化学的要因(環境因子、農薬、除草剤、殺虫剤)
化学的要因では
必ずしも特定の
化学物質が原因ということではなく、
リスクが高まるとされています。
例えば
タバコの煙、
いわゆる副流煙(受動喫煙)により
人では
肺がんのリスクが増えるという
データはありますが、
犬においては
確かなデータは出ていません。
一方で、
慢性的に
受動喫煙させられた犬は
劇的に高い確率で
肺腫瘍になるとの
データは存在します。
リンパ腫も
受動喫煙による
暴露時間や量の増加により
リスクが高まるとされています。
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物理的要因(日光、磁場、放射線)
物理的要因において、
動物における放射線治療も
近年増えてきましたが、
がんの発生率は
低いと考えられています。
また、
骨折の治療に使われる
金属製の
インプラントを使用することで
肉腫と言われる
がんの発生を引き起こすと
言われていますが、
こちらも賛否両論のようです。
ホルモン的要因
(エストロジェン、プロジェステロン、
アンドロジェン、テストステロン)
ホルモン的要因として
雌の乳腺癌が有名ですが、
メカニズムは
まだ明らかにされていません。
アンドロジェンが原因の
肛門周囲腺腫と言われる
良性腫瘍の発生は
明確に証明されていますが、
肛門周囲腺癌は
去勢や未去勢の犬でも
発生するので
ホルモンの関係性は
低いとされています。
テストステロンと
前立腺癌の関連性が
立証された報告はありませんが、
前立腺癌は
去勢している犬が
発症しやすいと
仮定されている報告もあります。
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生物的要因(病原性ウイルス)
生物的要因の
病原性ウイルスの中には、
パピローマウイルスという
乳頭腫を作るウイルスが
まれに扁平上皮癌の原因に
なるとの報告もありますが、
確率は低いものです。
猫白血病ウイルス(FeLV)や
猫免疫不全ウイルス(FIV)などは
主に
血液細胞のがんを引き起こすと
言われています。
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犬の癌(がん)の検査・診断方法
がんの診断とは、
まずその腫瘍が何かを
診断することから始まります。
その次に、
全身状態を把握し
がんの進行度を確定するために
血液検査や
画像診断検査機器を用いて
診断します。
細胞診断学検査で
がん細胞と疑うようなものが
認められれば、
いよいよ腫瘍を取り除く検査に
進みます。
病理組織学検査には
腫瘍のみを全部取り除く
切除生検という方法と、
腫瘍の一部を切り取って
検査する方法があり、
切除生検は
腫瘍をすべて切り取るため
全身麻酔が
必要となります。
また、
消化管の腫瘍では
内視鏡により
組織生検する方法があり、
最近では
胸腔鏡や腹腔鏡による
組織生検も行われています。
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犬の癌(がん)の治療法
がんには
- 外科療法
- 放射線療法
- 化学療法
- 免疫療法
- 代替療法
- 温熱療法
など
さまざまな治療法があります。
外科療法
外科療法は
がん治療における
最大効果が期待できる
治療法ですが、
腫瘍が大きくなりすぎて
切除ができない場合や
転移をしている場合は
外科不適とされます。
放射線療法
放射線療法は
生体を傷つけることなく
腫瘍を縮小させる
効果がありますが、
腫瘍の種類によっては
効果が期待できない場合や
再度腫瘍が増大する
場合があります。
そして
放射線治療は
基本的に
全身麻酔を必要とするので、
状態が悪い場合は
放射線治療ができない
場合があります。
化学療法
血液細胞のがんには
第一選択になりますが、
他のがんでは
有効性は低いとされています。
また、
一番知られているであろう
抗がん剤は
全身の正常な細胞にも
影響を及ぼしますが、
分子標的薬は
がん細胞の
分子のみを標的とするので
全身への影響は
少ないため
注目されています。
免疫療法
免疫療法には、
- 特異的免疫療法
- 樹状細胞療法
- がん抗原認識型活性化リンパ球療法
と
- 非特異的免疫療法
- 活性化リンパ球療法
- BRM療法
などがあり、
副作用がほとんどなく
他の治療との
併用が可能なので、
近年では
がんに対する
第4の治療と
呼ばれている分野です。
しかしまだまだ
発展途上なところもあるので、
よく理解してから
治療していただきたいと思います。
温熱療法は
ガンに数本の
電極の針を刺して
加温し
がん細胞を死滅する方法で、
凍結療法は
液体窒素により凍結させて
がん細胞を
死滅させる方法です。
しかし
全てのがんが
凍結療法を行えるわけではないので
十分理解してから
治療を選択してください。
光線力学療法は
光感受性物質と可視光線、
酸素分子の
化学反応により
選択的に
がん組織を死滅させます。
あくまでも
がんに対しての治療は
- 外科療法
- 放射線療法
- 化学療法
がメインとなりますので、
代替療法などは
補助治療であり
メインの治療の
補助をすると
思ってもらうといいでしょう。
犬の癌(がん)の治療薬
一般によく知られている
抗がん剤には
さまざまな種類があります。
種類によっては、
抗がん剤
1種類を処方する
単剤よりも
多剤併用治療が効果的なのです。
アルキル化剤
アルキル化剤は
細胞障害性の抗がん剤で、
アルキル基と呼ばれる
原子のかたまりを
がん細胞のDNAに付着させ、
DNAのコピーが
できないようにします。
アルキル基が結合した状態で
がん細胞が分裂・増殖を
続けようとすると、
DNAがちぎれてしまうため、
がん細胞は死滅してしまいます。
抗腫瘍性抗生剤
この薬は
がん細胞の細胞膜を破壊して
DNAやRNAの複製や
合成を阻害します。
代謝拮抗薬
細胞分裂には
タンパク質などが必要ですが、
この代謝拮抗薬を使うことで、
DNAを合成するのに必要な
酵素の働きを阻害し、
DNA合成ができなくなるようにして
がん細胞の増殖を抑えます。
植物アルカロイド
がんの細胞分裂が行われる時に
DNAが複製され、
複製されたDNAは
微小管という
タンパク質と結合します。
この微小管の働きを阻害する、
微小管阻害剤と呼ばれる薬です。
白金製剤
アルキル化剤などと同様に
DNAの構造に結合して
DNAの複製を阻害したり、
がん細胞の死
(アポトーシス)へ働きかけます。
ホルモン剤の
プレドニゾロンは
副腎皮質ホルモン
(糖質コルチコイド)に似た物質で、
リンパ球を破壊する作用があります。
犬の癌(がん)の治療・手術費用の目安
犬のがんの手術費用は
目安として
10万~15万円程度です。
もちろん費用は
がんの状況や
手術をする病院によって
変わります。
抗がん剤治療は
1回3万円ほどです。
月に2、3回を
最低でも半年から
1年続けますので、
年間70万円ほど、
手術も入れると
トータルで100万円弱かかると
考えていただければよいと思います。
ペット保険は
基本適用されます。
犬の癌(がん)の入院期間の目安
抗がん剤治療が必要なければ
当日~数日で
帰宅することができます。
抗がん剤治療を行う場合は
1週間程度の入院期間を目安に
考えていただければ
よいと思います。
犬の癌(がん)の緩和ケア
がんにかかった犬の
QOL(quality of life)を高める
緩和ケアとして、
漢方の処方や
サプリメントの使用が挙げられます。
また先端医療として
免疫療法もあります。
こちらは発展途上の治療ですので、
専門医に相談するようにしてください。
クリル(オキアミ)由来の
オメガ3脂肪酸と
アスタキサンチンを補給できる
ソフトカプセルタイプのサプリメント。
小型犬や猫でも飲みやすい
直径約8.5ミリの小サイズ。
南極オキアミから得られるオイルを
カプセルにしました。
クリルオイルに含まれるオメガ3脂肪酸は
「リン脂質結合型」で、
従来の魚油に比べ親水性が高く、
体内での消化吸収に優れていると
言われています。
ソフトカプセル入りなので
与える前まで酸化の心配もなく、
新鮮長持ちです。
ナチュラルハーベストプチクリルオイル150粒
犬の癌(がん)に効くサプリメント
オメガ3脂肪酸やアガリクス、
サメ軟骨を含む
サプリメントがいいでしょう。
ただ、
がんに直接効くというより、
あくまで
免疫力を高めるためのものと
考えていただければと思います。
犬の癌(がん)の予防法
がんは確実に
予防できるものではありません。
できる限り
がんのリスクを減らす環境は
作れるかもしれません。
可能であれば
免疫力を高めるような
食事やサプリメントが
推奨されます。
毎日動物の状態を確認し
元気があるか、食欲はあるか、
便・尿の状態はどうかの
チェックをしましょう。
目、耳、口腔内、肛門周囲を
目で見て確認して、
頭から尾の先までの皮膚を
触ってもらい
体に何か腫瘍がないか
獣医さんの気持ちになりながら
日々触っていただきたいと
思います。
胸腔内や腹腔内に出来る
がんに関しては
外からではなかなか
分かるものではありません。
愛犬が高齢になるにつれて、
定期的に
動物病院での画像診断検査を
受診していただきたいと思います。
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犬の癌(がん)に効く食事
がんが進行すると
悪液質
(がん悪液質)と呼ばれる
栄養失調によって
やせた状態になります。
そのため、
食事としては動物性、
特に
魚の脂肪を多く摂取することを
おすすめします。
サプリメントで
オメガ3を含むものを
与えるのも効果的です。
まとめ
犬も高齢化で癌(がん)に注意が必要
犬の
死因第1位のがんは、
犬の高齢化により
さらに増えてきています。
がんは確実に
予防できるものではありません。
免疫力を高めるような
食事やサプリメントを心掛け、
できる限り
がんのリスクを減らす環境を
作るようにしてください。
早期のがんの場合、
症状が分かりづらく、
発見が遅れる場合もあります。
毎日、
愛犬のことを
注意深く見てあげることが大切です。
PR
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