犬にビタミンCは必要なの?
公開日:2022/08/04 / 最終更新日:2023/05/29
犬はビタミンCを体内で作れる
ビタミンは
タンパク質や脂質、
炭水化物のように
エネルギーや
体の材料になることはありませんが
生きていくためには
欠かせない栄養素で、
五大栄養素の一つに数えられます。
ビタミンは全部で13種類あり、
ビタミンCはその中でも
特に有名なビタミンです。
ビタミンCは抗酸化作用があり、
植物に含まれる
鉄分の吸収を高める効果や
免疫力の向上効果が期待できます。
がんの予防効果も期待されており、
胃がん、口腔がん、
肺がんのリスク減少との関係が
報告されています。
私たちはビタミンCを
食事など
体の外から摂らなければいけませんが、
犬を含むほとんどの動物は
体内でビタミンCを
作ることができます。
しかし犬は他の動物と比べて
合成能力が低いため、
生活環境や病気、体重、年齢など
体の状態によって
補給が必要になります。
例えば
飼い主さんが
室内でタバコを吸うなど
日常的に副流煙を吸う犬の場合、
合成能力が追いつかずに
体内のビタミンC濃度が
低下している可能性があります。
ビタミンC不足で起こる症状
ビタミンCが不足した場合に起こる病気として、
「壊血(かいけつ)病」があります。
体の至るところから
出血が起こる病気で、
そもそもビタミンCは
壊血病の研究中に見つかりました。
ただ、人と違って
ビタミンCの合成能力を持つ犬が
壊血病になることは非常にまれです。
犬のビタミンC必要量
犬は体内で
ビタミンCを合成できるため、
総合栄養食の
栄養基準を策定しているAAFCO
(米国飼料検査官協会)は
下限値を設定していません。
つまりドッグフードや
手作りごはんなど
普段の食事に含まれる
ビタミンCが
ゼロであったとしても、
ほとんどの犬は問題になりません。
ただし、ビタミンCは
肝臓で合成されるため、
肝臓疾患の犬は
ビタミンCを
食材やサプリメントなどで
補給する必要があります。
また、タバコの煙や高血圧、肥満は
酸化ストレスを増加させて
体内の抗酸化物質を
消耗枯渇させるため、
抗酸化ビタミンの補給が
必要になります。
抗酸化ビタミンは
ビタミンAとビタミンC、ビタミンEがあり、
まとめて「ビタミンACE」(エース)と
呼ばれます。
なお、犬はβカロテンから
ビタミンAを合成することが可能です。
人間用のサプリメントを与えても大丈夫?
アレルギー成分が
含まれていない限り、
人間用のサプリメントを
犬に与えても問題はありません。
ただしマルチビタミンのように
ビタミンC以外のビタミンや
ミネラルが含まれている場合、
それが過剰摂取につながる
可能性はあります。
ビタミン類ではAAFCO(米国飼料検査官協会)は、
ビタミンDにのみ
上限値を設定しています。
安全性が高いと言われている
ビタミンCも、
過剰摂取のリスクがゼロというわけでは
ありません。
健康に問題がない子であれば
あえて人間用のサプリメントを
与える必要性はありませんので、
与えたい場合は
必ず獣医師に
相談するようにしてください。
犬のビタミンC過剰摂取で起こる問題
水溶性のビタミンCは
過剰摂取しても
尿として体の外に排出されるため、
AAFCO(米国飼料検査官協会)の
栄養基準に上限値は
設定されていません。
食事やサプリメントなどで
ビタミンCを過剰摂取したとしても
問題が起こることは
ほとんどありませんが、
注意点が二つあります。
- シュウ酸カルシウム結石
- 腎障害
1、シュウ酸カルシウム結石のリスク
ビタミンCを過剰に摂取すると
尿として排出される
シュウ酸の量が増加するため、
シュウ酸カルシウム結石の
リスクが高まる可能性があります。
好発犬種や
過去に経験がある犬は注意が必要です。
なお、シュナウザーやプードル、
シーズー、ヨークシャーテリア、
ビションフリーゼ、ラサアプソなどが
シュウ酸カルシウム結石の
好発犬種です。
2、腎障害のリスク
シュウ酸の増加は
腎機能に悪影響を与える
可能性もあります。
人の場合、
サプリメントや高濃度点滴による
過剰摂取が原因と考えられる
腎障害が報告されています。
ビタミンCの高濃度点滴は
がんの治療効果が期待されて
犬でも行われていますが、
現時点で有効性は
証明されていません。
安全性が高くても
リスクがゼロではないという点に
注意が必要です。
ビタミンCを多く含む食べ物
ビタミンCは
犬にとって
必ず摂らなければいけない
ビタミンではありませんが、
食材にどれくらい
入っているのかを知っておくのは
大切なことです。
果物と野菜にわけて
ビタミンCを多く含む食べ物を
紹介しますので、
おやつや手作りごはんを与える際の
参考にしてください。
ビタミンCを多く含む果物
ビタミンCは
キウイや柿、イチゴ、オレンジなどの
フルーツに多く含まれます。
ビタミンCを多く含む野菜
ビタミンCは
ピーマンやブロッコリー、
モロヘイヤ、ほうれん草などの
野菜に多く含まれます。
与える際の注意点
トッピングやおやつとして与える場合は、
1日の最適カロリー量の
10%以内にしてください。
まとめ
- 犬はビタミンCを体内で作れる
- 環境や体の状態次第で不足することも
- 過剰摂取のリスクもゼロではない
- バランスの良い食事が大切
ビタミンCは
私たちにとって
意識して摂りたい
ビタミンの代表格ですが、
犬は体内で作れるため
私たちほど
重要なビタミンではありません。
ただし、生活環境や
体の状態によっては
合成量が少なくなって
補給が必要な場合もあります。
水溶性のビタミンは
過剰摂取のリスクが低いと
言われていますが、
人間用のサプリメントを与えたり
高濃度点滴をしたりした場合、
腎障害を起こす
可能性があります。
食事は愛犬の健康、
寿命に直結するもの。
バランスの良い食生活を
心掛けましょう。
PR
「犬にそうめん」カテゴリーの関連記事
「犬にタケノコ」カテゴリーの関連記事
「犬にチーズ」カテゴリーの関連記事
「犬にチョコレート」カテゴリーの関連記事
「犬にチンゲンサイ」カテゴリーの関連記事
「犬にビタミンC」カテゴリーの関連記事