犬にキシリトール!少量でも危険な理由って?
公開日:2023/02/13 / 最終更新日:2023/05/27
犬にキシリトールを与えてはいけない理由
犬がキシリトールを摂取すると
血糖値を制御する
インシュリンが急激に大量放出され
深刻な低血糖に陥ったり、
肝機能の低下が
引き起こされたりしてしまうことが
分かっています。
そのため、
犬がキシリトールを摂取してしまうと
重い中毒症状を引き起こし、
命を落としてしまう
可能性があるため、
絶対に与えてはいけません。
犬のキシリトール中毒とは?
犬がキシリトールを食べた際の症状
キシリトール中毒では
初期症状として
嘔吐や下痢が考えられ、
1時間以内に
発作や昏睡に陥ると考えられます。
また、中毒症状が重い場合は
肝不全になってしまうこともあります。
キシリトールの中毒症状は
10分~30分と
早い段階で発症する確率が高いので、
早急な対応が必要です。
誤飲をしてしまった場合は
食べてしまった量を把握し、
症状が出ていなくても
すぐに動物病院に連絡を取りましょう。
犬がキシリトールを食べた場合の致死量
キシリトールは
犬にとって非常に毒性が強いため、
10kgの犬に対し
1gでも危険とされています。
日本で有名な
キシリトール入りのガムには
一粒約0.5gの
キシリトールが配合されています。
小柄な小型犬の場合、
たった一粒の
ガムを噛んだだけでも
中毒症状を起こしてしまう
恐れがあります。
虫歯予防のガムや
タブレット以外にも、
砂糖よりもカロリーの低い
甘味料として、
シュガーレスをうたう
焼き菓子やピーナッツバターなど、
さまざまな製品に
キシリトールは使われていますので
注意が必要です。
犬がキシリトールを食べてしまった時の
治療や対処法
犬がキシリトールを含むものを
食べてしまったと分かったら、
すぐに動物病院に連絡しましょう。
キシリトールの摂取による
中毒症状は
1時間以内に重篤化してしまう
恐れがあるので、
まずは電話で
病院に連絡し獣医師の指示を受けましょう。
獣医師の判断によっては
病院に向かう前に
嘔吐を促すよう
指示がある可能性があります。
その場合は
獣医師の指示通りに動いてください。
キシリトール以外に犬の歯を守る方法
犬の口内ケアをしようと思ったら
キシリトールを与えるのではなく、
歯磨きをすることをおすすめします。
犬は元々
虫歯にはなりにくいといわれていますが、
歯石や歯周病になってしまうと
麻酔が必要な
治療を受けることになります。
そのため
日頃少しずつ行う
口内ケアはとても大切です。
歯磨きなどを嫌がる犬に
日常的にケアをしていくコツは、
手間を惜しむことです。
今は舐めさせるだけで
口内ケアをしてくれる
商品などもあります。
思いつきで
キシリトールを与えてみるようなことは
決してせず、
自分がかけられる時間と
愛犬に合った
口内ケアを検討してみてください。
犬にはキシリトールはNG!猫には?
犬が摂取すると
中毒症状を起こす危険のある
キシリトールですが、
猫の場合はどうでしょうか?
ハンガリーの研究チームが
犬の致死量と同程度を
猫に投与する実験を行ったところ、
中毒症状は
みられなかったと報告しています。
被験猫6匹に対しての結果ですので
100%安全とは言い切れませんが、
犬と猫では
キシリトールに対する
反応が異なるようです。
こんなものにも入ってる!?
身の回りにある
10のキシリトール含有商品
1、キャンディ、ガム、ミント
「シュガーフリー」と書かれたガムやミント、
そして
キャンディーのほとんどに、
キシリトールが含まれています。
肉球の届くところに置かないように
気をつけましょう。
お菓子が身近なものになる
パーティシーズンは
特に注意を。
バックの中に
お口ケアのガムを忍ばせている人は、
置き場所にも気をつけて。
2、パッケージ菓子
パッケージされた甘いパン、
ケーキ、お菓子、アイスクリーム、
そしてヨーグルトも
キシリトール含有が疑われる商品。
安全を期する飼い主さんなら、
中に何が入っているかわからない
パッケージ商品は
「おすそ分けをしない」と
決めてしまうのが安全で
楽チンなのかもしれませんね。
3、ジャム、シロップ、ピーナッツバター
ジャムやシロップにも、
キシリトールが含まれている
商品があります。
食品では色素やビタミンCの安定化、
練り製品の変質防止などを目的に
配合されるキシリトールは、
はちみつや、はちみつ漬けの梅干しにも
使用されています。
米国在住犬ほど
身近なものではないかもしれませんが、
ピーナッツバターにも
キシリトールが含まれています。
4、プロテイン・バーや健康食品
ダイエットに効果的と謳われる
プロテインバーや
ダイエットフードなどの健康食品には、
カロリーを抑えて
甘みを付加するために
キシリトールを付加することがあります。
5、フレーバー・ウォーターやドリンクパウダー
スーパーやコンビニなどで
よく見かけるようになってきた
フレーバー・ウォーター。
レモン味やグレープフルーツ味が爽やかで、
「水だけ飲むのが苦手」な人にも好評です。
しかし
「美容に良い」「ダイエットにピッタリ」
という売り文句を掲げる商品の多くは、
キシリトールを含んでいます。
綺麗と美味しいは
あなただけのものにして、
愛犬には味はないけれど
美味しいお水をあげるようにしましょう。
6、チョコレート
犬にチョコレートがNGであることは、
皆さんご存知のとおり。
そしてチョコレートには
キシリトールまで含まれている
商品もあります。
大きなNG要素が
二つも揃っているのなら、
「ちょっとだけ」という考えは
捨てた方が良いでしょう。
7、人間向けのデンタルケア商品
美味しい歯磨き粉には
トゲがある。
「虫歯を防ぐガムに含まれるアレだよね」
という認知をされている
キシリトールは、
むし歯予防効果が
長期臨床研究で分かったと言われる甘味料。
歯磨き粉の中に
キシリトールを入れると、
10~12%むし歯の発生が少なくなった
というデータもあります。
むし歯の原因にならず、
虫歯の発生を防ぐ甘味料ですから、
当然のように
デンタルケア用品の多くに
使用されています。
「必ず犬用のデンタルケア商品を使って」
と言われるのは、
こうした理由からです。
8、人間用薬、ビタミン、サプリメント
人間だって、
嫌な薬は美味しく摂取したいもの。
とりわけ子供向けの薬
及び薬用効果があるような商品には、
甘みやフレーバーがついているものも
少なくありません。
自然界に存在するキシリトールは、
こうした薬及び関連商品に
味をつけるのにはピッタリな甘味料。
愛犬が美味しい匂いにつられて
口にすることのないよう、
お薬は肉球のとどかない場所に
しっかりしまっておきましょう。
9、化粧品、ボディケア、ヘアケア商品
キシリトールは
乾燥から肌を守る保湿剤、
また、保香剤として配合されています。
キシリトールを配合した化粧品は、
使用時のべとつきが少ない
という利点もあり、
他の保湿剤と併用することで、
肌荒れ防止効果が期待されるので、
乳液やクリーム、美容液、ローション、
美白クリーム、 基礎化粧品に
配合されているようです。
愛犬のお肌が荒れた時、
あるいは日焼けを防ぐための
日焼け止めなど、
身体に塗布するものは
犬用の商品を選ぶようにしましょう。
10、スポーツウエア、夏の犬服
洋服にまでキシリトール。
キシリトールには
汗に反応して熱を吸収する
効果があるようで、
例えば
ヨネックス社のベリークールや、
ZOOT社のChillout Teeなどにも
使用されています。
犬服でも
クール加工と謳われている商品には、
キシリトール加工が施されている
商品があります。
着ているだけで
害があるわけではありません。
食べたら害があるのかといえば、
キシリトール含有が
どうのこうのという問題ではなく、
洋服を食べること自体が
身体には毒です。いうまでもなく。
まとめ
愛犬にはキシリトールは絶対に与えないで!
- キシリトールは絶対に与えないで
- 誤飲してしまった場合はすぐに動物病院へ
- 犬の口内ケアは歯磨きをしましょう
人間と犬の体の構造は
異なります。
「虫歯予防にいいかもしれない」など、
安易な考えで与えないようにしましょう。
犬に食べさせてはいけないものを把握し、
誤飲などを避ける対策を
行うことも飼い主さんの責任です。
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