犬が痩せる!原因は!痩せすぎの判断方法って?
公開日:2024/08/05 / 最終更新日:2024/08/05
犬が痩せる場合に考えられる原因
犬が痩せる場合、
大きく二つの原因が
考えられます。
- 食事や運動など日常生活の問題
- 病気
1、日常生活の問題による体重減少
病気ではなく
日常生活に問題があって
犬が痩せる場合、
原因として以下の
3つが考えられます。
- 摂取カロリーの不足
- 消費カロリーの増加
- 老化による栄養吸収率の低下
1-1、摂取カロリーの不足
食事から摂る
カロリーが足りていなければ、
必然的に
体重が落ちて痩せます。
特に子犬期(成長期)で、
ペットショップや
ブリーダーさんから教わった量を
そのまま与え続け
て栄養が足りていないケースが
よく見られます。
成犬期でも
フードを変えた際に
与える量が不足すると
痩せてしまいます。
パッケージに書かれた量は
あくまで目安です。
犬ごとに
最適なごはんの量、
摂るべきカロリー量に
なっていなければいけません(※)。
私たちと同じく
痩せやすい・太りやすい体質もあれば、
同じ体重でも
運動量が多い犬と少ない犬や
不妊去勢手術の有無などで
食事量は異なります。
平均値としての推奨量ですので、
愛犬に合った量を
与えるようにしましょう。
そのためには、
1ヶ月に1度は体重を測り、
増減を確認し、
理想体型より増えたら
カロリーを減らす、
理想体型から減ったら
カロリーを増やすようにしましょう。
愛犬にとっての
フードの適正量を知るために、
毎日の与えるカロリー量を
計算しましょう。
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1-2、消費カロリーの増加
活動量の多い犬では、
消費カロリーが
摂取カロリーを上回って
体重が落ちてしまう場合があります。
散歩時間やお出かけ回数、
同居動物と遊ぶ時間によって
消費カロリーが増えていないか、
ごはんの量が
足りなくなっていないか、
定期的に確認しましょう。
1-3、老化による栄養吸収率の低下
年を取ると
消化器の機能低下によって
栄養の吸収率が低下し、
食欲旺盛でも
筋肉量や脂肪量が減って
だんだんと痩せていきます。
急激な減少でなければ、
シニア犬(老犬)の体重減少は
避けられない変化と言えます。
2、病気による体重減少
病気が原因で
痩せてしまうこともあります。
病気で痩せる、
痩せるから病気になるという
悪循環に注意が必要です。
犬が痩せるときの原因として
考えられる病気
愛犬が痩せてしまう場合に
ご自宅で病気かどうかを
判断していただく
目安として、
痩せ方を分類しました。
病気のステージによって
分類とは異なる痩せ方、
原因になります。
あくまで
初期段階での
目安としてください。
痩せ方(初期段階)
考えられる原因
- 元気なのに痩せる
寄生虫、膵外分泌不全、消化器疾患 - 食欲があるのに痩せる
寄生虫、膵外分泌不全、消化器疾患、
甲状腺機能亢進症(まれ) - 食欲がなくなって痩せる
あらゆる疾患 - 急に痩せる
糖尿病、寄生虫、膵外分泌不全、
消化器疾患、肝臓病など - 緩やかに痩せる
糖尿病、寄生虫感染、膵外分泌不全、心臓病、
消化器疾患、腎臓病、巨大食道症など - 多尿・頻尿を伴って痩せる
糖尿病、腎臓病 - 脱毛を伴って痩せる
甲状腺機能亢進症(まれ) - 上記を含むあらゆる状態で痩せる
腫瘍性疾患(悪性腫瘍)
各病気の概要
内分泌疾患
- 糖尿病
糖尿病になると
インスリンの分泌量が不足して
食事をエネルギーに
変えることができなくなります。
代わりに体内の
筋肉や脂肪を分解してしまうため、
痩せてしまいます。
ご家庭での
インスリン注射が
必要になります。
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甲状腺機能亢進症
甲状腺が働きすぎて
甲状腺ホルモンが
過剰に分泌される病気で、
全身の代謝が過剰になって
痩せてしまいます。
猫に多く犬ではまれです。
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消化器疾患
- 口腔内疾患
口内炎、歯周病などが原因で
食べる際に痛みを感じたり、
食欲不振になったりして
痩せてしまいます。
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巨大食道症
食道拡張症とも呼ばれ、
食道の機能が低下して
食べたものを胃に送ることができずに
吐いてしまいます。
栄養が摂れずに
痩せてしまいます。
膵外分泌不全(すいがいぶんぴふぜん)
膵臓から消化酵素が分泌されなくなり、
栄養を吸収できずに
痩せてしまいます。
下痢や白っぽい便が見られますが、
食欲には影響しません。
膵炎や遺伝が(ジャーマンシェパードなど)
原因の場合もあります。
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肝臓病
胃腸で分解された栄養は
肝臓を通って全身で利用されます。
そのため
肝臓の機能が低下すると
栄養が摂れずに
痩せてしまいます。
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腎臓病
さまざまな原因によって
腎臓の機能が低下する
「腎不全」が慢性化すると
「慢性腎不全」となります。
初期では
腎臓が濃縮できなくなった尿を
薄めるため
多飲多尿が見られ、
次第に食欲が低下して
痩せていきます。
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寄生虫
鉤虫(こうちゅう)や回虫、
条虫、鞭虫(べんちゅう)、
糞線虫(ふんせんちゅう)などが
体内に寄生して
栄養不良を起こし、
体重減少につながります。
下痢や貧血を伴うこともありますが、
食欲には影響しないことが
少なくありません。
定期的な駆虫で予防できます。
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胃腸炎、大腸炎、炎症性腸疾患(IBD)、
タンパク漏出性腸症など。
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腫瘍性疾患(悪性腫瘍)
悪性腫瘍(いわゆる「がん」)の
刺激によって、
本来はウイルスなどの
病原体を攻撃する「炎症性サイトカイン」が
過剰放出されます。
それによって体全体で炎症が起こり、
急激に体力が失われて
代謝機能も衰えます(栄養不良)。
これが「がん悪液質」と呼ばれる状態で、
足りないエネルギーを補うために
筋肉や脂肪の分解が進んで
痩せてしまいます。
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心臓病
心臓の機能が低下すると
全身に栄養を送ることができず
痩せてしまいます。
老化による機能低下として
起こることも少なくありません。
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犬が痩せる場合に確認すべき症状
犬が痩せる原因を
たくさん紹介しましたが、
飼い主さんとしては
どれくらい緊急度が高いのか
判断しにくいと思います。
以下の症状が見られた場合は、
できるだけ早く
動物病院に行くようにしてください。
- 急に痩せる、痩せすぎ
- 食欲旺盛なのに痩せる
- ごはんを食べない
- 下痢が続く
- 多尿・頻尿、毛が抜けるなどの症状が見られる
1、急に痩せる、痩せすぎ
体重減少の目安として、
普段の体重が
10%減った場合は
何か問題が起きている
可能性があります。
例えば
60kgの人が急に
6kgも痩せたら
病気の心配をしますよね。
しかし
3kgの小型犬が
300g減ったときは
誤差と感じがちです。
300gでも
3kgの子にとっては10%。
急に10%も減るというのは
異常なことだと
考えてください。
2、食欲旺盛なのに痩せる
運動量も食事量も変わらず、
しっかり食べているのに
痩せる場合は、
- 「エネルギーが過剰に消費されている(代謝異常)」
- 「栄養が吸収できていない(栄養不良)」
- 「栄養が奪われている(悪性腫瘍、寄生虫など)」
といった問題が
起きている
可能性が高いです。
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3、ごはんを食べない
普段からよく食べていて
食事を変えたわけでもないのに
急に食べなくなった場合は、
食事ではなく
体に問題があるかもしれません。
具合が悪くて食欲がないのか、
口の中が痛くて
食べられないのか、
原因を調べなくてはいけません。
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4、下痢が続く
下痢は食事の変化や
環境の変化による
ストレスでも見られます。
下痢以外の
症状・変化が見られない場合は
1~2日は
様子を見て大丈夫ですが、
改善しない場合は
消化器疾患や
寄生虫の可能性があります。
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5、多尿・頻尿、毛が抜けるなどの症状が見られる
体重減少だけでなく
頻尿が見られる場合は
糖尿病や腎臓病、
脱毛が見られる場合は
甲状腺機能亢進症の
可能性があります。
いずれにしても
体重が減って
他にも症状があるということは
何か問題が
起きているということです。
なるべく早
く病院へ行ってください。
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犬が痩せているかを体重以外で確認する方法
犬の体重は
犬種によっても
ばらつきが大きいため、
- 「太っている」
- 「ちょうど良い」
- 「痩せている」
の区別は
体重ではなく
体型で確認します。
この体型を
スコア化して
評価できるようにしたものを
BCS(ボディコンディションスコア)と
いいます。
5段階法と9段階法があり、
5段階法では
BCS3が理想の体型です。
9段階法では
BCS4~5が理想の状態ですが、
基本的には
評価基準は同じなので
5段階法についてご
説明します。
これは
お家でも確認できるので、
ぜひ愛犬の体型を
チェックしてみてください。
ボディコンディションスコア(BCS)
BCS1 痩せ
助骨、腰椎、骨盤が容易に見え、
触っても
脂肪がわからない状態。
腰のくびれと
横から見た際の
腹部の吊り上がりが顕著です。
背骨がゴツゴツと
見える場合もあります。
BCS2 やや痩せ
助骨が容易に触れます。
上から見て
腰のくびれが顕著、
横から見て
腹部の吊り上がりも
明瞭な状態です。
BCS3 理想体型
過剰な脂肪の沈着がなく
助骨を触れます。
上から見て
肋骨の後ろに
腰のくびれが見られ、
横から見た際は
腹部の釣り上がりも見られます。
BCS4 やや肥満
脂肪の沈着は
やや多いものの、
肋骨は触れます。
上から見て
腰のくびれはありますが
顕著ではなく、
腹部の釣り上がりは
やや見られる程度の状態です。
BCS5 肥満
助骨は厚い脂肪に覆われて
容易に触れません。
腰椎や尾根部にも
脂肪が沈着しています。
腰のくびれはないか、
ほとんど見られません。
横から見て
腹部の吊り上がりはないか、
むしろ
垂れ下がっている状態です。
犬が痩せる場合に食事の見直しもおすすめ
犬の食べ物は
「エサ」と呼ばれていた時代から、
家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ
変わりました。
私たちと同じように、
犬も
栄養バランスの良いごはんを
食べることで
健康を維持することができます。
ごはん選びをする際は、
以下の
2点を気を付けていただくと
いいでしょう。
1、総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は
人間と同じではありません。
そこで生まれたのが
「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。
おやつなど
「一般食」や「副食」と呼ばれる
ごはんだけ食べていると
体を壊してしまいますので、
「総合栄養食」のごはんを
選ぶようにしましょう。
総合栄養食を食べていても
与える量が少なければ
痩せてしまいますし、
多ければ太ってしまいます。
パッケージに書かれた食事量は
目安ですので、
ボディ・コンディション・スコアで
「3」の「理想体型」を維持できる量を
与えるようにしてください。
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2、添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて
「カリカリ」と呼ばれる茶色い
豆粒を想像される方も
多いと思いますが、
正しくは
「ドライフード」と呼ばれる
加工食品です。
保存しやすく
食いつきも良いことから
犬のごはんとして
一般的になりましたが、
高温加熱によって
食材本来の栄養が失われ、
添加物も
多く含まれることから
見直しが進んでいます。
新鮮な野菜を
犬や猫に与え続けることで、
様々ながんに罹るリスクを
軽減することが
研究で判明していたり、
市販のドライフードを製造する
工程の1つである高温加熱処理が、
タンパク質の
品質劣化を招き、
熱に弱いビタミンを破壊し、
さらには
発がん性物質を
生成してしまうことが、
研究により判明しています。
そこで生まれたのが
素材本来の旨味や
香りが楽しめ、
余計な添加物も入っていない
「フレッシュフード」と呼ばれる
新鮮なごはんです。
実際に
従来のドライタイプのドッグフードよりも、
水分がより多く含まれた
手作り品質のごはんを食べている
犬の方が
寿命が3年も長くなることが
研究により明らかになっています。
新鮮で美味しく、
健康なごはんを選ぶことが
長生きできる秘訣です。
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まとめ
毎日の健康チェックで早期発見・早期治療を
犬は人間の言葉を
話すことができませんので、
異変を感じていても
それをすぐに
伝えることができません。
そのため
見た目にわかるほど
体重が減って元気がなくなり、
さまざまな症状が出てきたときには
重症だったということが
珍しくありません。
言葉ではなくても
犬は何かしらのサインを
出しているはずです。
ちょっとずつ
体重が減っていないか、
見た目で
痩せている兆候がないか、
行動に気になる
変化がないかなど、
飼い主さんが異変に
すぐ気づけるようにしてあげてください。
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