犬が小麦粉を食べても大丈夫!注意点は?

公開日:2024/12/05 / 最終更新日:2025/02/28
犬は小麦粉を食べても大丈夫
小麦粉は
穀物(グレイン)の一種である
小麦を製粉したもので、
犬が食べても
大丈夫な食材です。
最近は
グレインを含まない
「グレインフリー」をうたった
ドッグフードが流行っていますが、
アレルギー症状や
グルテン過敏症を起こす犬でなければ、
避けなければいけない
科学的根拠はありません。
一方で、
犬は
総合栄養食のごはんを食べていれば、
それ以外は
何も食べる必要はありません。
そのため、
おやつとして与える前提での
話となります。
小麦アレルギーの誤解
グレインフリーのドッグフードが
注目されるようになった
理由の一つに
小麦アレルギーへの
不安があるようです。
小麦は
アレルギーを起こしやすいと
誤解してしまう
主な理由として、
以下の2つが挙げられます。
- 誤解1、陽性=食べてはいけない
- 誤解2、犬の小麦アレルギーは多い
誤解1、陽性=食べてはいけない
よく
「アレルギー検査で陽性だったから
◯◯は食べさせられない」と
考える飼い主さんがいますが、
「陽性=アレルゲン」ではありませんので、
実際に
アレルギー症状が出ていなければ
避ける必要はありません。
食の選択肢を狭めることは
飼い主さんにも
犬にも
ストレスになりますし、
不必要な除去は
アレルギー症状を悪化させる
可能性があります。
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誤解2、犬の小麦アレルギーは多い
小麦は
アレルギーを起こしやすいイメージを持つ
飼い主さんも
少なくありませんが、
それも誤解です。
ドイツ・ミュンヘン大学の調査では、
犬のアレルゲン食材として
報告が多かったのは
牛肉、乳製品、鶏肉と続きました。
小麦は4番目です。

犬のアレルゲン食材として報告が多かった食材
小麦アレルギーは
少ないとまでは言えませんが、
アレルギー症状が出ていない
小麦アレルギーを気にするのなら
牛肉、乳製品、鶏肉も同様に
避けなければ
いけなくなってしまいます。
グレインフリーのドッグフードは、
穀物を食べると
アレルギー症状が出る
犬のためのフードなのです。
グルテン過敏症とは
グレインと似た言葉に
「グルテン」(gluten)がありますが、
グルテンは
小麦に含まれる
「グルテニン」と「グリアジン」という
タンパク質が
絡み合ってできたものです。
パンやうどんをこねると
モチモチした生地ができるのは、
グルテンができているためです。
人では
「セリアック病」という
遺伝性の
グルテン不耐症を起こすことがあり、
犬でも
アイリッシュセッターが
セリアック病と似た
「グルテン過敏症」を起こすことが
知られています。
アイリッシュセッターの飼い主さんは
注意してください。

犬は小麦粉を消化できる?
グレインフリーのドッグフードが
流行った
もう一つの理由として、
「犬は肉食だったから小麦粉を消化するのが苦手」
という誤解があります。
確かに
オオカミを祖先に持つ犬は
もともと肉食でしたから(※)、
同じ雑食でも
人と比べれば
「小麦粉を消化するのが苦手」です。
しかし、
犬は進化の過程で
小麦粉を消化する能力を
獲得しました。
進化ですから、
犬にとって
小麦粉の消化は
メリットがあることでした。
※ 最近の研究で、
犬の祖先であるオオカミは
肉だけでなく
植物を主食にすることもあることが
わかってきました。
※「オオカミの多彩な食生活、研究者も驚く」
犬が小麦粉を食べるメリット
犬は肉を食べると
体内でタンパク質を
アミノ酸に分解し、
肝臓でグルコース、尿素窒素、
そして
エネルギーに変換します。
尿素窒素は
タンパク質の老廃物で、
腎臓でろ過して排出されます。
つまり、
肉を食べれば食べるほど
肝臓や腎臓に負担がかかります。
一方、
犬が小麦粉を食べると
体内でデンプン(炭水化物)が
麦芽糖に分解され、
腸で麦芽糖がブドウ糖になって
エネルギーとして利用されます。
タンパク質とは異なる経路で
エネルギーになるため、
炭水化物を摂ることで
肝臓や腎臓の負担を
軽減することにつながったのです。
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犬が小麦粉を食べるデメリット
ドッグフードに含まれる
小麦粉のイメージが
あまり良くない原因の一つに、
「安いドッグフードにかさ増し
食材として使われている」
ということが挙げられます。
特に
ドライフードは
クッキーのように成形する過程で
ツナギとして
小麦粉を利用することがありますが、
その割合を多くすることで
材料費を安くしているのです。
安いから悪いフード、
高いから良いフード
とは言えませんが、
安いフードには必ず
「安い理由」があります。
例えば
パッケージの原材料表示の最初に
小麦粉と書かれているような
ドッグフードは
お薦めしません。
いくら「犬は雑食で小麦粉を消化できる」
と言っても、
肉食寄りの雑食です。
必ず
肉類から始まるフードを
選びましょう。
その他、
デメリットではありませんが
犬が小麦粉を食べる際の注意点を
次で解説します。
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パンやうどんなど加工品は食べても大丈夫?
パン
大好きな食パンや
菓子パンを一切れ、
愛犬にもおすそわけ、
といいたいところですが、
市販されている
人間用のパンを犬に与えることは
やめておきましょう。
私たちが口にするパンは、
小麦粉のほか、
添加物や
食塩などが含まれています。
中には、
玉ねぎやスパイスなど
犬が食べると危険な食材が
使われていることもあります。
犬にパンを与えるなら、
犬用のパンを用意しましょう。
うどん
アレルギーや
与え方に気を付ければ、
犬にうどんを食べさせても
大丈夫です。
しかし、
うどんの原材料は、
小麦粉(薄力粉)、水、塩とシンプルで、
犬に必要な栄養素が
ほとんど含まれていません。
犬にうどんを与えるときは
主食としてではなく、
あくまでも
おやつ程度に
味付けしていないものを
少量だけにしておきましょう。
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クッキー
私たちが口にするクッキーには、
小麦粉のほか、
卵やバター、塩、砂糖など
さまざまな食材が使われています。
卵やバターは
小麦粉同様、
アレルギーに注意する
必要があり、
また
バターや砂糖は
肥満の原因になるため、
人用のクッキーを
犬に与えることは
やめておきましょう。
クッキーを犬に与えるときは、
犬用のクッキーを用意しましょう。
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片栗粉や米粉も少量ならOK
同じ粉でも、
片栗粉や米粉は
犬に与えても良いのでしょうか。
片栗粉は
ジャガイモのでんぷんから、
米粉は
その名の通り
米を製粉したものです。
もちろん、
どちらも
アレルギーなどの心配はあり、
与え過ぎはNGですが、
少量であれば
犬が食べても問題ありません。
小麦粉にアレルギーがある犬に
手作りおやつを作りたいとき、
小麦粉の代わりに
片栗粉や米粉を使うのも
一つの手です。
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まとめ
- アレルギー・肥満の原因となるため、
犬に与えるのはおすすめできない - 犬用のパンやクッキーなどを、少量与える程度にして
ドッグフードの材料にも使われる
小麦粉は、
少量であれば
犬が食べても
問題ない食材です。
とはいえ、
小麦粉は本来、
犬が必要な食べ物ではなく、
また
アレルギーなどの危険もあるため、
積極的に
犬に食べさせる必要はありません。
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