犬がマダニに刺された!感染症って?
公開日:2024/11/20 / 最終更新日:2024/11/20
マダニとは
マダニは
ダニの一種で
「吸血」という特徴があります。
マダニは
普段草むらに潜んでおり、
犬に寄生して
吸血するだけでなく、
さまざまな病気を
媒介します。
大人のマダニは
3~4mmですが、
血を吸って満腹になると
10mm近くに成長します。
このお腹いっぱいになったときに
飼い主さんに見つかることが
多いのですが、
この時にはもう
マダニの体の中に潜む病原体が
犬の体内に入り込んでいることが
多いでしょう。
マダニは
一生の中で
20~25日間ほど吸血して
過ごしているといわれ、
残りの期間は
脱皮や産卵をしたり、
寄生の機会を待つために
野外環境で過ごしています。
マダニが媒介する犬の感染症
マダニが媒介する
犬の感染症としては主に
- 「アナプラズマ症」
- 「エールリヒア症」
- 「バベシア症」
- 「ライム病」
の4つが挙げられます。
いずれも
ワクチンは開発されていなかったり、
日本では
承認されていなかったりするため、
定期的な
マダニ予防が、
感染を予防します。
アナプラズマ症
<犬の症状>
アナプラズマ スピーシーズ
(Anaplasma spp.)に属する
細菌によって
引き起こされます。
ヨーロッパや
アメリカで報告されおり、
「発熱」や「食欲不振」「沈鬱」
「下痢」や「跛行(※)」がみられます。
※跛行(はこう)
何かしらが原因で正常な歩行ができない状態のこと
<人への感染>
マダニによって、
人にも感染する可能性があります。
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エールリヒア症
<犬の症状>
エールリヒア ケイニス
(Ehrlichia canis)という細菌によ
り引き起こされます。
症状としては
「発熱」「体重減少」「眼の異常」
「血小板減少」「貧血」などが挙げられます。
<人への感染>
エールリヒア ケイニス
(Ehrlichia canis)自体は
人には病原性はありませんが、
異なるエールリヒア
(Ehrlichia)種は
アメリカにおいて、
人にも病原性があり、
感染する可能性があることが
報告されています。
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バベシア症
<犬の症状>
日本でも発生しており、
「高熱」「赤色尿」「貧血」
「黄疸」がみられます。
<人への感染>
犬に感染するタイプのバベシアは
人には病原性がなく、
感染しないといわれています。
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ライム病
<犬の症状>
日本でも発生しており、
「発熱」「跛行」「無気力」
「多発性関節炎」など
さまざまな症状を起こします。
<人への感染>
ヨーロッパと北アメリカでは
人のマダニ媒介性感染症として
最も一般的です。
人に感染すると、
歩行困難を特徴とする
慢性関節炎を示すといわれています。
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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
上記の他、
犬からの感染例はありませんが
マダニから人に感染する感染症として
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
があります。
この感染経路として
「マダニ→人感染」と
「マダニ→猫→人感染」が
報告されています。
感染すると
命を脅かす恐れがあり、
発熱や消化器症状を示します。
日本での発生事例もあるため
注意が必要です。
マダニの見つけ方・対処法
マダニの見つけ方
マダニ予防を
動物病院から処方される薬で
予防しているときは、
マダニ媒介性疾患の感染リスクを
大幅に低くするため、
基本的には
あまり気にしなくても大丈夫です。
吸血前で
殺虫される前の
小さなダニが付いている
可能性もあるので、
お散歩から帰ってきたときは
部屋に入る前に
ブラッシングしてあげると
良いでしょう。
よく寄生される
- 「脇や股などの柔らかい皮膚の腹部」
- 「耳や口周りなどの柔らかい皮膚の顔面」
辺りを
注意して見てください。
マダニを見つけたときの対処法
マダニは
顔面の一部を
吸血のために特化させていて、
それを犬の皮膚に
強固に突っ込み、
固定して何日も吸血します。
無理やり取ろうとすると
頭部だけ
皮膚に残ることがあるので、
自力で取らず、
病院で取ることを
おすすめします。
マダニの予防法
犬のマダニ予防
動物病院で処方される
マダニ駆除剤を使って
定期的に
予防することが大切です。
- 月に1回垂らすタイプ
- 飲ませるタイプ
さまざまな薬剤が
販売されています。
錠剤を
うまく飲ませられない場合にも、
おやつ感覚で
与えることのできる
チュアブルタイプの薬も
あります。
皮膚が弱く
赤くなる犬の場合は
飲み薬にするなど、
さまざまな体質の子に合わせた
駆虫予防薬があるので、
かかりつけの先生と
相談しながら選んでみてください。
人のマダニ予防
飼い主さんについたマダニが
犬につく可能性もあるので、
屋外での活動が多い場合は
飼い主さん自身も
マダニ予防をおすすめします。
草むらの多い場所に
出るときは
- 「腕」
- 「足」
- 「首」
などの肌の露出を控えて
お散歩するほうがよいでしょう。
屋外での活動後は、
飼い主さんも
シャワーや入浴時に
マダニがいないか
チェックしましょう。
入浴やシャワーで
洗い流すことができます。
ダニが服に付いているときは
ガムテープで閉じ込めて
動けないようにして
ゴミ箱に捨てます。
万が一
飼い主さんが咬まれた場合は、
2週間程度発熱に注意し、
発熱した場合は
医療機関を受診することが
推奨されています。
重症熱性
血小板減少症候群(SFTS)以外の
マダニ媒介性疾患には
治療薬があるので、
マダニに刺されたことを
医師に伝えることも大切です。
まとめ
- マダニは暖かくなると活発になる
- マダニに吸血されると
さまざまな感染症を引き起こす恐れがある - マダニが媒介する感染症は人間に感染するものもある
- 動物病院で定期的に予防することが大切
犬を日常的に
お散歩させている方や、
アウトドアを
一緒に楽しまれている方も
多いでしょう。
犬と暮らす上での楽しみのひとつは、
一緒にさまざまなことを
楽しめることですね。
しかしその分、
マダニ媒介感染症などの
感染症のリスクもあります。
人も犬も
予防できる病気を防いで、
屋外の時間を楽しみましょう。
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