犬がキャットフードを食べても大丈夫?
公開日:2022/10/06 / 最終更新日:2023/05/29
犬がキャットフードを食べてしまったら
犬がキャットフードを食べてしまっても、
すぐ健康に悪影響が
出ることはありません。
いつもと違うごはんに
腸内環境が対応できず、
一時的に下痢になる
可能性はありますが、
中毒症状が起きたり
病気になったりすることは
ないでしょう。
もちろんアレルギーがある場合は
食材の確認が必要です。
なお、
猫がドッグフードを食べてしまった場合は
「プロピレングリコール」という添加物
(ウェットフードで保湿剤として使用されます)
に注意が必要です。
貧血を起こす可能性があり、
ペットフード安全法で
キャットフードに使用することが
禁止されています。
また、食べ続けると
タウリン不足で
失明になる可能性もあります。
犬がキャットフードを食べたがる理由
動物は主に
何を食べるかで
「肉食」「草食」「雑食」に分かれます。
犬はもともと
肉食動物でしたが、
人と密接に生活する中で
炭水化物を含むごはんを食べたほうが
効率的に
エネルギーを得られることに気づき、
肉食寄りの雑食動物に進化しました。
一方、猫は
昔から変わらず肉食動物です。
今でこそ
室内飼いが当たり前になりましたが、
少し前までは
ペットであっても
自由に家を出入りして、
人と適度な距離を
取っていたからです。
そのため、肉食動物の猫が食べる
キャットフードのほうが
ドッグフードより
肉々しいごはんになっています。
犬は雑食動物に
進化したと言っても、
肉に興味がなくなった
わけではありません。
もともと肉食だった犬が
お肉たっぷりのキャットフードを
「美味しそう」と思っても
不思議ではないでしょう。
味を占めて
キャットフードしか
食べなくなってしまうと、
犬に必要な
栄養が摂れずに
不健康な体になってしまう
可能性があります。
犬と猫で必要な栄養素の違い
犬と猫にとって
必要な栄養素の目安として、
一般的に
AAFCO(米国飼料検査官協会)が策定する
総合栄養食の栄養基準が参照されます。
それぞれ比較すると、
以下のような違いがあります。
タンパク質
猫は肉食であるため、
雑食の犬よりも多くの
タンパク質を必要とします。
成長期の猫が30%以上の
タンパク質を必要とするのに対して、
犬は22.5%以上。
成猫が26.0%以上
必要とするのに対して、
成犬は18%以上となっています。
そのため
キャットフード(総合栄養食)に
含まれるタンパク質量は
犬にとって多すぎる傾向があり、
食べ続けると腎臓や
肝臓に負担をかける
可能性があります。
ナトリウム
成長期の猫が
0.2%以上のナトリウムを
必要とするのに対して、
犬は0.3%以上。
成猫が0.2%以上
必要とするのに対して、
成犬は0.08%以上となっています。
そのため、犬が長期的に
キャットフードを食べると
塩分の摂り過ぎになり、
心臓や腎臓に負担をかける
可能性があります(※)
その他
他にもキャットフードでは
ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、
フェニルアラニン、トレオニン、バリン、
リノール酸、α-リノレン酸、EPA+DHA、
カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、
銅、亜鉛、ヨウ素、セレン、ビタミンD、
ビタミンE、ビタミンB2、パントテン酸などが
犬に必要な量を
摂れない可能性があります。
犬にキャットフードを与えることのリスク
偏食に注意
犬にとってキャットフードは
味付けが濃く、
魅力的に感じる
場合があります。
そのため、
一度キャットフードの
味を覚えてしまうと
ドッグフードを食べなくなり、
偏食につながってしまう
可能性がありますので、
試しに与えてみるといったことは
やめましょう。
腎臓への負担
高タンパク・高塩分の
キャットフードを
長期的に摂取することは
犬の腎臓に負担をかけてしまう
場合があります。
腎臓に負担がかかることで、
慢性腎臓病・腎不全になってしまう
可能性もあるので
注意が必要です。
栄養バランス
犬は猫よりも
犬種や成長によって、
体格にばらつきがあります。
犬種・体格よって
必要な栄養素やカロリーは異なるので、
キャットフードを与え続ければ、
栄養バランスが崩れてしまう
恐れがあります。
できるだけ、
その犬種・体格にあった
フードを与えることが
望ましいでしょう。
まとめ
- 犬と猫では必要な栄養が異なります
- 犬にとってキャットフードは高タンパク質・高塩分
- 腎臓や心臓に負担をかける可能性があります
犬に健康的な食べ物は、
栄養がバランス良く摂れるように
配合された
総合栄養食としてのドッグフードです。
必ず愛犬に
最適なフードを
与えるようにしてください。
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