犬がくるくる回る!理由や病気の可能性は?

公開日:2024/10/29 / 最終更新日:2025/02/17
犬がくるくる回り続けるのはなぜ?
犬がくるくる回る理由は
大きく「病気」か
「犬の習性にもとづく正常な行動」かに
分けることができます。
病気の場合は
いずれも早期の検査・治療が
必要になりますので、
「いつもと違う」という
異変を感じた場合は
動物病院へ
行くようにしてください。
具体的には
以下のような理由が
考えられます。
それぞれ
詳しく解説します。
1、病気が原因
- 1-1、脳神経の問題(前庭疾患、認知症、脳腫瘍など)
- 1-2、肛門腺の問題
- 1-3、皮膚疾患(アレルギーや皮膚の痒み・痛み)
- 1-4、耳の感染症
- 1-5、視覚障害
2、犬の習性
- 2-1、退屈やストレス
- 2-2、飼い主さんの注意を引くため
- 2-3、ベッドメイキング
- 2-4、遊び・満足感
- 2-5、トイレ(排泄)の準備
1-1、病気:脳神経の問題
脳神経の問題によって
くるくる回ることがあります。
考えられる病気として
- 「前庭疾患」
- 「認知症(アルツハイマー)」
- 「脳腫瘍」
- 「てんかん」
- 「感染症(脳炎、狂犬病など)」
- 「水頭症」
- 「脳卒中」
などが挙げられます。
これらの病気によって
脳神経の信号が乱れたり、
機能不全を起こしたり、
血液供給が不足したり、
脳内の物理的な圧力が上昇したりして
犬のバランス感覚や
制御機能が混乱し、
旋回運動として
現れることがあります。
関連記事
犬の前庭疾患!症状や治療法って?
関連記事
犬の水頭症!症状や見分け方って?
1-2、肛門腺の問題
肛門腺が詰まると犬は
お尻の不快感によって
しっぽを追いかけるような
旋回運動を
見せることがあります。
ご自宅で
肛門絞りを行う際は、
関連記事を参考にしてください。
1-3、皮膚疾患
アレルギー反応
(食物アレルギーやアトピーなど)や
感染症(細菌、真菌、寄生虫)、
病気や怪我による痒み・痛みで
特定の場所を舐めたり
噛んだりすることがあり、
くるくる回る
旋回行動に見える場合もあります。
関連記事
犬のアレルギー!検査で何がわかるの?
関連記事
犬のアレルギー!症状や原因って?
関連記事
犬が痒がる原因!
関連記事
北海道外で寄生虫が定着?愛犬の「エキノコックス」予防!
1-4、耳の感染症
耳ダニの寄生による不快感で
犬が頭を振ったり
耳を掻いたりすると
くるくる回っているように
見える場合があります。
外耳炎が悪化して
中耳炎、内耳炎と進行すると
平衡感覚に影響(前庭疾患)が出て
旋回運動をする場合もあります。
関連記事
犬の前庭疾患!症状や治療法って?
1-5、視覚障害
視力の低下や
目の痛みによって
犬は混乱し、
くるくると回る
旋回行動を示すことがあります。
考えられる病気として
- 「白内障」
- 「緑内障」
- 「網膜剥離」
- 「進行性網膜萎縮症(PRA)」
などが挙げられます。
- 関連記事
犬の白内障!原因や症状、治療法って?
関連記事
犬の緑内障!症状や原因、治療法って?
関連記事
犬の網膜剥離!原因や症状、治療法って?

2-1、退屈やストレス
運動不足や
何らかのストレスによって
くるくる回る
旋回運動を示すことがあります。
動物園で
シロクマが目的を持たずに
ぐるぐる回る
「常同行動」と同様で、
ストレスサイン
(カーミングシグナル)の一種です。
異常行動と
呼ばれることもありますが、
異常なのは行動ではなく
行動を引き起こしている
環境です。
何が原因なのか
飼い主さんが把握することが
難しい場合もありますので、
行動学専門の獣医師や
ドッグトレーナーなど
専門家に
相談することをお勧めします。
関連記事
犬のストレスサイン!原因や症状、ストレス解消法って?
関連記事
犬のカーミングシグナルって?
2-2、飼い主さんの注意を引くため
飼い主さんの
注意を引くために
くるくる回ることがあります。
この場合、
犬は本能としてくるくる回る
行動をしているというより、
過去に
くるくる回る様子を見て
飼い主さんが喜んだ
(何かしらの反応をした)ことがあり、
「くるくる回れば反応してくれる」と
学習した
可能性が高いでしょう。
2-3、ベッドメイキング
犬は
寝ようとしている場所を
くるくる回ったり、
足で掻いたりすることがあります。
これは
野生の犬が
草を踏み固めて寝床を作る
本能的な行動の
名残りと考えられます。
飼い主さんからすると
しばしば
整っていないように見えることが
あるかもしれませんが、
回ったり掻いたりする
行動そのものに
満足感を覚えるのでしょう。
2-4、遊び・満足感
自分のしっぽを追いかけて
くるくる回る行動は、
子犬など
若い犬でよく見られます。
また、
嬉しいことがあった時に
喜びや満足感を
表現する行動の一つとして
くるくると回ることもあります。
関連記事
犬がうれしょんをするのはなんで?
2-5、トイレの準備
犬は
うんちをするための場所を
見つけたり、
排泄のリズムを取ったりするために
くるくる回ることがあります。
本能的なもので、
地面を踏み固めて
排泄しやすくしたり、
天敵に見つからない
安全な場所であるかを
確認したりする
目的があります。
ただし、
いつもしないのに執拗に
くるくる回る場合は
体に何かしらの問題が
起きている可能性に
注意してください。

犬がくるくる回る場合の注意点・チェックポイント
犬がくるくる回っている場合、
飼い主さんは
以下の点に
注意してください。
- いつもの行動か、いつもとは違う行動か
- 繰り返す頻度や回り続ける時間
- 他に変わった様子はないか
- 特定の場所や時間など回る条件はあるか
- 生活の質を下げていないか
犬は
意味もなく回ることはなく、
必ず
理由があって
くるくる回っています。
ストレスや何
かへの不快感、
体の不調などがないかを
チェックしましょう。
喜びを表現するための
行動だとしても、
他人や
犬自身に危険が及ぶ場合
(吠える、興奮して攻撃的になる、
何かにぶつかるなど)は
止めさせたほうがいいでしょう。
いつもと違うと感じたり、
病的な場合
(真っ直ぐ歩けない、倒れてしまうなど)は
動物病院へ
行くようにしてください。
その際、
実際にくるくる回る様子を
動画で撮影しておくと
診察がスムーズになります。
叱って止めさせたほうがいい?
くるくる回る行動を
叱って止めさせたとしても
根本的な原因が
解決されていなければ
犬は余計に
ストレスを溜めてしまったり、
回れば
飼い主さんがかまってくれると
間違った学習をしてしまう
可能性があります。
体の不調を訴える
サインだったとしたら
病気の発見を
遅らせることにもなってしまいます。
必ず
原因を突き止めて
それを解決し、
止めさせるようにしましょう。
もちろん
喜びを表現するだけで
飼い主さんにも
他人にも
犬にも
問題がないのであれば
止めさせる必要はありません。
いずれにしても、
気になる場合は
行動学専門の獣医師や
ドッグトレーナーなど
専門家に相談することを
お勧めします。
関連記事
犬の問題行動ってなぜ起こるの?
犬が右回り、もしくは左回りばかりするのはなぜ?
多くの犬は
好みや習慣によって
どちらか一方に
回る癖があるかもしれません。
しかし、
明らかに普段とは異なる方向に
回るようになったり、
一方に異常な回転をする場合は
「前庭疾患」や「脳腫瘍」「脳炎」
「脳卒中」など
「1-1、脳神経の問題」で挙げた
神経系の問題が
起きている可能性があります。

まとめ
- 習性や病気でくるくる回っている可能性がある
- 急に回るようになった場合は注意
- 叱って止めさせるのではなく原因を探る
- 他にも異変が見られる場合は動物病院へ
犬がくるくる回る理由は
大きく「習性」と「病気」に
分けられます。
習性では、
遊び心やストレス解消、
排泄前の儀式などがあり、
病気では
前庭疾患や認知症、脳腫瘍など
神経系の問題が考えられます。
犬が頻繁に
旋回運動をしたり、
一方向にだけ
回ったりするなど
異変と感じる場合は、
早めに
動物病院に行くようにしましょう。

スポンサーリンク



「犬がくるくる回る」カテゴリーの関連記事
「犬がしっぽを追いかける」カテゴリーの関連記事
「犬がふらつく」カテゴリーの関連記事
「犬がよろける」カテゴリーの関連記事
「犬が仮病」カテゴリーの関連記事
「犬が大きな音で吠える」カテゴリーの関連記事
「犬が陰部をなめる」カテゴリーの関連記事
「犬のてんかん」カテゴリーの関連記事
「犬のボディーランゲージ」カテゴリーの関連記事
「犬の分離不安」カテゴリーの関連記事
「犬の外耳炎」カテゴリーの関連記事