犬がえんどう豆を食べても大丈夫?

公開日:2022/06/09 / 最終更新日:2023/11/07
えんどう豆とは
エンドウ豆とは、
マメ科エンドウ属の豆です。
食べ方や見た目が
ちょっと違うのですが、
実はさやえんどうや
グリーンピースと同じ植物です。
早採りしたものがさやえんどう、
少し成長したものがグリーンピース、
成熟したものが
えんどう豆といわれます。

えんどう豆に含まれる栄養素
たんぱく質
ほかの多くの豆類と同じように、
えんどう豆には
たんぱく質が含まれています。
たんぱく質は、
人間だけでなく犬にとっても、
丈夫な体作りに必要な栄養です。
しかしたんぱく質は
体内では生成されませんので、
食品などから摂取する
必要があります。
βカロテン
えんどう豆に多く含まれる
βカロテンは、
抗酸化作用がある栄養素です。
免疫力を高めてくれるので、
ガンや心臓病の予防などにも
効果的といわれています。
これは、人間だけでなく
犬にも同様のことです。
また摂取することで、
βカロテンが
ビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、
皮膚のターンオーバーを
調整するなどの役割を持っています。
カリウム
カリウムは、
利尿作用があるほか、
疲労回復にも
良い効果を与えてくれます。
欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、
子犬の中には、
情緒不安や筋麻痺などの
症状がみられたという
報告もされています。
とても大事な成分であることに
間違いはないのですが、
過剰に摂取することで
今度は「高カリウム血症」の
原因になってしまうため、
注意が必要です。
カルシウム
別名「天然の精神安定剤」とも
呼ばれているカルシウムは
骨や歯を丈夫にするだけではなく、
神経や筋肉の活動を
円滑に進むように
サポートをする役割をします。

マグネシウム
マグネシウムは
体内にある
300以上の酵素を助ける
働きを持つミネラルです。
子犬と成犬共に、
100gあたり0.04%~0.3%の
マグネシウムを摂取することが
理想的とされています。
食物繊維
食物繊維には、
便質を改善し
便通を促す不溶性繊維と、
腸内の不要なものを排出する
水溶性繊維があります。
えんどう豆には、
特に不溶性繊維が
多く含まれていて、
これは私たち人間と同様に、
犬にとっても腸内環境を整えてくれる
大切な成分の一つになります。
しかし、本来犬は
食物繊維の消化が苦手です。
そのため、えんどう豆のように
食物繊維が豊富な食品は
消化不良の原因になることがあるので
与え過ぎには注意しましょう。
ナイアシン
ビタミンB群の仲間で、
全身の酵素を助ける
役割をしています。
例として、
皮膚や粘膜の炎症、
神経症状を防ぐことが
挙げられます。
パントテン酸
パントテン酸は糖質や脂質、
たんぱく質の産生に
必要な酵素を助ける
働きがあります。

犬にえんどう豆を与える際の注意点
総合栄養食へのトッピングや
おやつとして与える場合は、
1日の最適カロリー量の
10%以内にしてください。
レクチンの過剰摂取
レクチンは、
植物自身が
草食動物や昆虫から
食べられることを防ぐ
作用があるのですが、
腸内の壁に
くっつきやすいという
性質があります。
過度に摂取すると、
栄養の吸収を阻害したり
下痢や嘔吐の
原因になったりします。

アレルギーの可能性
犬の中には、
いくつかの食材に
アレルギー症状を起こしてしまう
子もいます。
アレルギーがある犬には、
えんどう豆を
食べさせてはいけません。
もし犬が誤って
えんどう豆を食べてしまい、
皮膚にかゆみが出たり、
元気がなくなったりするなどの
症状が見られた場合は、
獣医師に相談するようにしましょう。

生のえんどう豆はNG
生のえんどう豆には、
トリプシン・インヒビターという
犬にとって
毒性の高い物質が入っています。
トリプシン・イヒビターを摂取すると
膵臓のタンパク質の分解酵素である
トリプシンの働きを阻害する
恐れがあります。
そのため、
犬に生のえんどう豆を
食べさせてはいけません。
間違って食べてしまった場合は、
かかりつけの獣医師に
相談して指示に従いましょう。

腎臓疾患を持つ犬は要注意
人でも同様ですが、
えんどう豆に含まれる
プリン体は
腎臓を通って尿酸になります。
この尿酸が多すぎる
と腎臓病を引き起こす
原因となります。
結石になったことがある犬や
腎臓に不安がある犬は、
えんどう豆を多く
食べすぎないように
注意してください。

えんどう豆の与え方
犬はえんどう豆を
食べることができますが、
十分に湯がくことが大切です。
また湯がいたものを
そのまま与えると
消化しきれない
場合がありますので、
細かくカットしたり
すり潰したりしてから
犬に与えるようにしてください。
初めて
犬にえんどう豆を食べさせるときは
少量からはじめ、
アレルギー反応が出ないか、
食べたあとも
しばらくは様子を見るように
してください。

犬はスナップえんどうを食べても大丈夫?
「えんどう」と付く豆といえば
「スナップえんどう」です。
スナップえんどうも
えんどう豆の一種で、
アメリカから導入された品種です。
犬が食べても大丈夫ですが、
通常のえんどう豆と同じく、
茹でるなどして
しっかり火を通し、
細かく切ってから
与えるようにしましょう。

えんどう豆が心臓病の原因になる?
アメリカ食品医薬品局
(Food and Drug Administration)は、
2018年7月に発表した
「FDA investigates cases of canine heart
disease potentially linked to diet」において、
えんどう豆やレンズ豆、
他のマメ科植物
またはジャガイモを主成分とする、
いわゆるグレインフリーの
ペットフードを食べた犬と
心臓病の関連性に疑いがあると
報告しています。
えんどう豆を食べさせると
心臓病になってしまうのではないかと
心配する方もいると思いますが、
えんどう豆と
心臓病の関連性が疑われている
わけではありません。
あくまでグレインフリーの
ドッグフードを長期間食べている犬と
心臓病の関連性が
疑われているという話です。

まとめ
- 抗酸化作用や整腸作用、疲労回復効果などが期待できる
- 生のえんどう豆はNG
- 十分に湯がき、細かくカットしたりすり潰したりして与える
えんどう豆は、
犬が食べても大丈夫な食べ物です。
手作りごはんの材料や
トッピングなどに
取り入れてみてはいかがでしょうか。
栄養豊富なので、
ついついたくさん
食べさせたくなりますが、
過剰摂取は禁物です。
また犬の体質に合う・合わないも
個体差があるので、
相性を見ながら
与えるようにしましょう。

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