新型コロナウイルス!愛犬のために飼い主が知っておくべき事!
公開日:2024/11/07 / 最終更新日:2024/11/07
犬や猫に新型コロナウイルスは感染する?
ウイルスは表面に「鍵」
(スパイクタンパク質)を持ち、
細胞にある「鍵穴」(ウイルスレセプター)に
その鍵をはめることで
吸着・侵入して感染します。
人に感染できるウイルスは
鍵穴が違う
別の動物には
感染することができないため、
例えば
ネココロナウイルス(猫伝染性腹膜炎)が
人に感染することはありません。
そのため当初、
人の新型コロナウイルスは
「犬や猫に感染しない」と
考えられていました。
しかし、
現在まで
世界で数例の
感染報告が出ています。
日本獣医師会も
- 「感染した人と濃厚接触のあった
愛玩動物が感染する可能性は否定できない」 - 「人から猫、猫から猫への
感染の可能性が考えられる」
とコメントしています。
犬や猫に新型コロナウイルスの感染報告事例
【人から動物】への感染報告
香港やベルギーなどの海外では
新型コロナウイルス感染者のペットに
陽性反応出た
という報告がありますが、
香港当局・ベルギー当局は
「人から人にうつる病気であり、
人から犬および猫への感染は一般的ではない」
ことを強調しています。
<人から犬への感染事例>
2020年6月2日、米国農務省(USDA)
国立獣医サービス研究所(NVSL)が、
ニューヨークで
新たに新型コロナウイルスに
犬が感染したという発表がありました。
2020年8月3日には、
日本国内で初めて、
犬2匹がPCR検査の結果、
新型コロナウイルス陽性だったことを
ペット保険会社が公表しました。
米国と日本、
どちらのケースも
飼い主から
感染した疑いがあります。
<人から猫への感染事例>
2020年7月22日には、
イギリスでは初めての
猫の新型コロナウイルスの感染が
確認されました。
前述した
犬の事例同様、
飼い主から感染したと
考えられています。
<感染者はペットとの接触を避けるべき>
新型コロナウイルスが
人から動物への感染は
世界中で少数の報告があり、
いずれも主に
感染した人と密接に接触した動物で
報告されています。
これまでのところ、
今回の犬や猫に加えて、
トラ、ライオンが
新型コロナウイルスの
陽性反応を示しています。
【猫から猫】は感染報告も
米科学誌『サイエンス(Science)』は
2020年4月8日、
新型コロナウイルスは
猫とフェレットに感染しやすく、
犬は感染しにくいという
研究結果を発表しました。
5月13日には
米国医学誌
『The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』が
新型コロナウイルスは
猫から猫への感染は起こり得ると
報告しています。
その報告によると、
3匹の猫に
直接ウイルスを投与し、
それぞれ別の
健康な猫と同居させたところ、
3匹とも
感染が確認され、
さらに
健康な猫たちにも
感染したことが判明しました。
感染が確認された猫は
いずれも体重減少や
味覚・嗅覚障害といった症状は無く、
5日程度の
ウイルス排出期間を経て、
ウイルスの消失が
確認されています。
米獣医師学会は、
今回の研究は
実験室で行われており、
現実の環境で
猫がこれほど容易に感染するのかは
分からないと説明しています。
【動物から人】への感染報告
人からペットに感染した
(ペットからウイルスが検出された)としても、
さらにペットが
人に病気をうつす可能性は
限りなく低いと考えられています。
しかし
2020年5月25日、オランダで
ミンクから
新型コロナウイルスに
感染したとみられる事例がありました。
これに対して26日、
世界保健機関(WHO)は、
動物から人への
新型ウイルス感染として知られる
初事例である可能性を
指摘しています。
関連記事
犬コロナウイルス感染症って?
犬や猫の新型コロナウイルスで飼い主さんにできること
愛犬・愛猫を守るために
飼い主さんにできることは
大きく以下の2つです。
- 感染しないよう対策をする
- 感染に備えての準備をする
1、感染しないよう対策をする
飼い主さんが
新型コロナウイルスに
感染しないことが
ペットのためになります。
新型コロナウイルスの
感染予防として、
厚生労働省では
以下の予防方法を掲げています。
- こまめな手洗い
- 普段の健康管理
- 適度な湿度を保つ
- 部屋の換気を行う
こまめな手洗い
ドアノブや
電車のつり革など
さまざまなものに触れることにより、
自分の手に
ウイルスが付着する
可能性があります。
外出先からの帰宅時や
調理の前後、
食事前など
こまめに手を洗いましょう。
普段の健康管理
普段から、
十分な睡眠と
バランスのよい食事を心がけ、
免疫力を
高めておくことが大切です。
適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると、
のどの粘膜の防御機能が
低下します。
乾燥しやすい室内では
加湿器などを使って、
適切な湿度(50~60%)を
保つといいでしょう。
部屋の換気を行う
換気の悪い密閉空間は
感染拡大のリスクを高める
可能性があるので、
こまめに
部屋の換気を行うことが
望ましいです。
2.感染に備えての準備をする
中国では
住民が避難したエリアの
ペットたちが、
命の危険に曝されるという
痛ましい出来事がありました。
ご自身が感染したときに
冷静に対応するためにも、
以下の2点を
イメージ・相談しておくと
愛犬・愛猫を守る一手になります。
- 「感染したかも?」と思ったときの相談先を知っていますか?
- 飼い主さん以外にペットの世話をできる方はいますか?
感染の恐れがある際の相談先
次の症状がある方は
厚生労働省の
「帰国者・接触者相談センター」に
速やかに電話しましょう。
- 「風邪」の症状、4日以上の発熱
(37.5℃以上、解熱剤を飲み続けざるを得ない状態) - 強いだるさと息苦しさ
以下の方に該当する場合は
上記1、2の状態が
2日続いたら
電話することをおすすめします。
- 65歳以上である
- 糖尿病、心不全または
呼吸器疾患といった基礎疾患がある - 免疫抑制剤、抗がん剤を用いている
- 妊婦である
上記以外にも、
新型コロナウイルス感染者
(もしくは感染疑いの人)と濃厚接触
(目安:2m以内で30分以上の会話など)した方は
速やかに電話しましょう。
電話での相談を踏まえて、
「感染の疑いがある」と
判断された場合には、
新型コロナウイルス感染症患者の
診察ができる
指定病院での受診の調整になります。
ペットの世話をできる方を見つける
新型コロナウイルスは現時点で
「犬や猫に感染しない」と
考えられていますが、
もし飼い主さん自身が
感染してしまった場合は、
ペットとの接触を控えることが
望ましいとされています。
また
感染有無に関わらず、
ペットとのキスといった
濃厚接触には
リスクがあるため、
日頃より注意しましょう。
そのため、
ご自身が感染してしまったときに備えて、
ご家族など、
他に
ペットの世話をしてくれる方がいないか
相談しておきましょう。
ご家族が
自宅でお世話する場合も、
どなたかに預ける場合も、
ペットの体表などを介して
感染伝播させないため、
ペットは
シャンプーすることが
望ましいと考えられています。
シャンプーをする場合は、
お湯が出る勢いを弱くして、
毛に当たったお湯が
ご自身を含む
周りに飛び散らないよう工夫し、
丁寧にお湯で流したあと、
シャンプーをしてください。
シャンプー後、
ペットを拭いたタオルは
一般的な
家庭用洗剤で洗濯しましょう。
お世話する方に
ペットを預かってもらう際には、
キャリーバッグや首輪、
リードなどは、
0.05%に薄めた
家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、
塩素を拭き取るために
もう一度
水拭きしてください。
洗濯や消毒などの注意点や詳細は
厚生労働省が出している
「家庭内でご注意いただきたいこと~8つのポイント~」
を参照ください。
関連記事
犬とのキスは危険なの?キスで感染する病気って?
犬にマスクはNG
愛犬を
新型コロナウイルスから
守るためとはいえ、
犬にマスクをすることは
呼吸を妨げることはもちろん、
犬の体温調節機能まで妨げるため、
かえって
危険にさらすことになります。
暑いとき犬は
口を大きく開け、
舌をだす
「パンティング」という呼吸で
体温調節をしています。
そこにマスクをすると、
体内から
熱を出すことができなくなるため、
熱中症の
リスクが高まります。
現時点で、
犬の新型コロナウイルス感染による
死亡報告はありませんが、
熱中症による
死亡報告は毎年されています。
愛犬を守るためには、
飼い主さん自身が
感染しないことが第一です。
関連記事
犬のパンティング!注意点や、対処法は?
関連記事
犬の熱中症の症状とは?
まとめ
愛犬・愛猫のための新型コロナウイルス対策
不安な状況が続きますが、
今できることは
「感染しない」「感染に備える」の2点です。
飼い主さん自身が
感染しないよう、
不要不急の外出を控えることは
大事です。
しかし
犬の散歩も大事ですので、
「密集」「密閉」「密接」の
3密に気をつけて
愛犬との散歩を忘れずに。
特に
「小型犬だから散歩はいらない」
ということはありません。
緊急事態宣言中でも
散歩は問題ないとされています。
お散歩時間以外は
愛犬・愛猫との時間を楽しみましょう。
関連記事
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