愛犬の健康は腸から!腸内環境を整えるヒケツって?
公開日:2024/11/06 / 最終更新日:2024/11/06
犬の健康を左右する腸内環境
犬の腸内には
さまざまな種類の
腸内細菌がいますが、
それらはまとめて
「腸内フローラ」と呼ばれます。
腸内フローラを構成する細菌には、
免疫を活性化したり、
過度な炎症反応を抑えたり、
吸収されない栄養成分を分解して
吸収できる物質に変えたりして、
犬に良い影響を与える
細菌がいます。
逆に、
普段は悪さをしませんが
増えすぎると
病気を引き起こす
腸内細菌もいます。
「腸内環境を整える」と聞くと
下痢や便秘の予防といった
イメージがあるかもしれませんが、
腸内環境は
アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患、
肝臓や腎臓の疾患、
さらには
精神疾患にも
関連することがわかっています。
つまり、
腸内環境は
健康と
密接に関わっているのです。
愛犬に
健康でいてもらうためには、
細菌が一定のバランスを保って
存在できるように
腸内環境を
整えてあげることが重要です。
※フローラは植物全体を指す
「植物相」という意味でも使われます。
そこから多様な細菌が集まった
腸内の様子
をお花畑に例えて「腸内フローラ」と
呼ばれるようになりました。
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犬の腸内細菌の種類と特徴
「善玉菌」「悪玉菌」といった
言葉をよく耳にしますが、
実は、
学術的には善玉菌、悪玉菌という分類は
正しくありません。
腸内細菌は悪い菌、良い菌といったふうに
単純に
二分できるものではなく、
善玉菌とされているものでも
増えすぎると
悪い働きをする
可能性がありますし、
悪玉菌とされているものでも
増えすぎなければ
害はありません。
それよりも、
たくさんの種類の細菌が
安定したバランスで
腸内に存在している事が
重要なのです。
ただ、
細菌の中でも
免疫力を高める効果が強かったり、
過剰な炎症を
鎮める働きが強い細菌が存在し、
それらを摂取することは
犬の健康維持にも
つながると考えられます。
口から摂取することで
犬にとって
良い効果を与えてくれる微生物を
「プロバイオティクス」、
有益な細菌の増殖を
促進する効果を持つ成分を
「プレバイオティクス」と総称します。
それぞれ詳しく紹介します。
プロバイオティクス
乳酸菌
発酵によって
糖から乳酸をつくる
嫌気性の微生物の総称です。
乳酸菌から産生された乳酸は、
腸内で
大腸菌などの過剰増殖を防ぎ、
腸内細菌の
バランスを取る働きをします。
ビフィズス菌
ビフィドバクテリウム属に分類される
菌の総称です。
腸内でオリゴ糖などを利用して、
乳酸と乳酸よりも殺菌力の強い
酢酸を産生します。
腸内のpHを低く保つことで、
大腸菌などの過剰増殖を防ぎ、
乳酸菌の増殖を助けます。
プレバイオティクス
難消化性オリゴ糖
動物の消化酵素によって分解されず、
ビフィズス菌等のエサになって
増殖や働きを助けます。
食物繊維の一部
ポリデキストロース、イヌリン等、
一部の食物繊維には
乳酸菌やビフィズス菌増殖促進作用があります。
プロバイオティクスと
プレバイオティクスを混合したものは
シンバイオティクスと呼ばれ、
シンバイオティクスを摂取することで、
プロバイオティクスと
プレバイオティクスの相乗効果が
期待できます。
犬の腸内環境を整えてくれる食べ物
身近な食材にも、
プロバイオティクスや
プレバイオティクスが含まれている
食材があります。
これらを摂取することで、
犬の腸内環境を
整える効果が期待できます。
ただし、
与え過ぎて
犬の栄養バランスが悪くなり、
栄養失調を引き起こしてしまっては
本末転倒です。
これらの食材は、
総合栄養食であるフードに
補助的に与えるのが
良いでしょう。
※1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
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ヨーグルト
ヨーグルトは
乳酸菌や酵母によって
ミルクを発酵させて作る
発酵食品で、
乳酸菌がたくさん含まれています。
スーパー等で
簡単に購入できますが、
人用のヨーグルトを与える場合は、
必ず
砂糖や香料などの
添加物が含まれていない
プレーンタイプを
選ぶようにしましょう。
小型犬は
小さじ1杯程度、
大型犬は
大さじ1杯程度与えるのが
目安です。
一般的に犬は
ヨーグルトが大好きなので、
目を離すと
1パック丸々
食べてしまう事もあります。
一度に大量のヨーグルトを食べると
下痢になる
可能性があるため、
飼い主さんがしっかり管理し、
くれぐれも
与え過ぎには注意しましょう。
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納豆
犬の健康維持に役立つ
機能性成分や食物繊維、
オリゴ糖を豊富に含んでいるため
整腸効果が期待できます。
ただし、
大豆アレルギーを持つ子もいるため
注意が必要です。
初めて与える際は
少量だけ与えて、
体調に変化がないか
様子を見るようにしましょう。
人用のものは
粘りがあるため
与えづらいと思います。
犬用に
フリーズドライタイプが
販売されていますので、
そちらを与えるようにしましょう。
どうしても
人用のものを与えたい場合は、
醤油やからし、
ネギなどのトッピングは
しないように気を付けてください。
これらには
犬にとって
毒となる成分が含まれます。
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オリゴ糖や食物繊維を含む野菜
- キャベツ
- ごぼう
- アスパラガス
- じゃがいも
- トウモロコシ
- 等の野菜や、
- バナナ
- リンゴ
- キウイ
等の果物には
オリゴ糖や食物繊維が
豊富に含まれています。
これらの食材は調理して
犬に消化しやすい形にして
与えます。
ただし、
持病のある犬には
与えない方がいい食材や、
調理方法によっては
犬に良くない影響を与える
可能性があります。
与える際は
かかりつけの
動物病院に相談したり、
専門家が監修したレシピを
参考にしたりしましょう。
ワンちゃんの腸内環境改善に、
まずは
少量ずつ様子を見ながら
試してみてください。
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犬の腸内環境を整えてくれる
成分やサプリメントの選び方
プロバイオティクスや
プレバイオティクスが含まれる
サプリメントは
たくさん市販されていますが、
犬での効果を
きちんと検証したものは
少ないように思えます。
実は、
犬の腸内フローラは
ヒトとは異なり、
ヒトで有効な成分やサプリメントが全て
犬にとっても
有効というわけではないのです。
研究においても、
動物種によって
腸内フローラの構成に
違いがあることがわかっています。
ヒトでは、
ビフィズス菌が
加齢とともに減っていくのですが、
最近の研究では、
犬の腸内には
乳酸桿菌という腸内細菌がいて、
加齢とともに
減っていくことがわかっています。
加齢に伴って
変化する細菌にも、
ヒトと犬では違いがあるのです。
サプリメントを選ぶ際は、
犬用に開発された商品を
選ぶのが安心です。
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生きて腸まで届く乳酸菌
生きたまま腸まで届けることにこだわって、
人間の赤ちゃんでも食べることが出来る
「有胞子性乳酸菌」を配合しています。
気になるその効果ですが、
ペットも人間同様に腸内環境を整えることで、
便通を良くする効果があります。
便通を整える効果以外にも、
免疫力が向上し、
体に悪い雑菌を退治してくれる働きをします。
また、
それと同時に腸内で食べ物が腐敗しないように、
腸内環境を日頃から整えることで
虫歯、歯周病の予防にもつながります。
腸の健康維持に【毎日爽快 植物酵素&乳酸菌】
犬の腸内環境とドッグフードの関連性
犬が食べたドッグフードは、
消化酵素で分解されたものと
分解されないものが
腸内に到達します。
フードは
腸内環境に大きな影響を与え、
腸内フローラにも
変化をもたらします。
研究においても、
フードを変更した1週間後には
腸内フローラを構成する
細菌の割合が変化し始め、
2カ月後には
違いがはっきりと分かるようになりました。
ヒトの食べ物は種類が多く、
食生活を少し変えただけでは
腸内フローラの構成は
変化しないといわれています。
一方、
決まったフードを
食べ続ける犬では、
フードの変更で
腸内フローラの構成も
変化するのです。
腸内環境を整え、
腸内フローラのバランスを保つには
良いフードを選ぶことが
とても重要です。
ただ、
「良いフード」といっても
どのフードが良いかは
犬ごとに異なるもの。
良い素材を使っているフードを
選んであげるのはもちろんですが、
犬の年齢に適したフードの中から
いくつか試してみて、
- 「便が緩くないか」
- 「便秘になっていないか」
- 「毛並みはどうか」
- 「元気はいっぱいか」
等を観察し、
一番良さそうなものを
選んであげるのもいいですね。
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犬の食べ物は
「エサ」と呼ばれていた時代から、
家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ
変わりました。
私たちと同じように、
犬も
栄養バランスの良いごはんを食べることで
健康を維持することができます。
ごはん選びをする際は、
以下の2点を
気を付けていただくといいでしょう。
1、総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は
人間と同じではありません。
そこで生まれたのが
「総合栄養食」と呼ばれる
ごはんです。
おやつなど
「一般食」や「副食」と呼ばれる
ごはんだけ食べていると
体を壊してしまいますので、
「総合栄養食」のごはんを
選ぶようにしましょう。
総合栄養食を食べていても
与える量が少なければ
痩せてしまいますし、
多ければ
太ってしまいます。
パッケージに書かれた食事量は
目安ですので、
ボディ・コンディション・スコアで
「3」の「理想体型」を維持できる量を
与えるようにしてください。
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2、添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて
「カリカリ」と呼ばれる
茶色い豆粒を想像される方も
多いと思いますが、
正しくは
「ドライフード」と呼ばれる
加工食品です。
保存しやすく
食いつきも良いことから
犬のごはんとして
一般的になりましたが、
高温加熱によって
食材本来の栄養が失われ、
添加物も
多く含まれることから
見直しが進んでいます。
新鮮な野菜を
犬や猫に与え続けることで、
様々ながんに罹るリスクを
軽減することが
研究で判明していたり、
市販のドライフードを製造する
工程の1つである
高温加熱処理が、
タンパク質の品質劣化を招き、
熱に弱いビタミンを破壊し、
さらには
発がん性物質を生成してしまうことが、
研究により判明しています。
そこで生まれたのが
素材本来の旨味や香りが楽しめ、
余計な添加物も入っていない
「フレッシュフード」と呼ばれる
新鮮なごはんです。
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まとめ
- 腸内環境を整える食べ物はフードの補助として与える
- 初めて与える食べ物は少量からにして様子を見る
- サプリメントは犬に効果があるものを選ぶ
- 腸内のバランスを保つにはフード選びが重要
犬の健康にとって
腸内環境を整えることは
とても重要ですが、
適度な運動、睡眠、食事、生活環境、
ストレスのない暮らしも
欠けてはならないものです。
愛犬にずっと元気で
長生きしてもらうために、
バランスよく
気を配ってあげるようにしましょう。
どんなに健康に気を付けても、
絶対に病気にならない
ということはありません。
日頃から、
愛犬の様子を
よく観察することで、
異変に
いち早く気付くことができます。
気になることがあれば、
すぐ
獣医師に相談するようにしてください。
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