愛犬が長生きする秘訣!
公開日:2021/06/10 / 最終更新日:2023/05/30
犬が長生きするための秘訣とは
まず大前提として、
犬も人間も「これを食べれば」「これをすれば」
といった長生きの近道はありません。
日常の小さな「体に良いこと」が積み重なりが、
長生きにつながるのです。
それは、愛犬が病気になったり
シニア犬(老犬)になったりしたとき
「もっと長生きするためにはどうすればいいんだろう?」
と考え始めるのでは遅いということでもあります。
その「小さな体に良いこと」
とはどんなことなのでしょうか?
飼い主さんに注目していただきたいのは、
- 「食事」
- 「環境」
- 「運動」
についてです。
それぞれ詳しく案内していきます。
1、犬が長生きするための「食事」
私たち自身がよく知っていることですが、
食事は体作りの基礎になります。
それは犬にとっても同じこと。
良い食事をしていれば寿命が延びますし、
良くない食事をしていれば長生きはできないでしょう。
近年、犬の平均寿命が伸びていることは、
ドッグフードの歴史と無関係ではありません。
最初はその歴史を振り返ることから始めましょう。
「人間のごはん=犬のごはん」だった時代
ドッグフードの登場は1860年頃、
ロンドン在住のアメリカ人が
犬用ビスケットを作ったのが最初と言われています。
1922年に馬肉の缶詰が発売され、
現在のドライフードは1957年に誕生しました。
実は、今でこそ一般的となった「カリカリ」ですが、
犬と人の歴史を考えれば
歴史の浅いごはんです。
そのドライフードが普及する以前は、
私たちの残飯が犬のごはんでした。
子どもの頃、実家で飼っていた犬が
そうだったという方は少なくないと思います。
犬の家族化、犬の栄養学が進んだ今だからこそ
「良くないこと」と思えますが、
当時はそれが当たり前でした。
しかし残念なことに、
犬の平均寿命が今の半分以下だった理由と
ごはんの質は、無関係とは言えないでしょう。
犬の寿命を延ばした「ドッグフード」
残飯は犬にとって栄養が偏っていただけでなく、
玉ねぎなど犬が食べてはいけない食材が
含まれていたであろうことは、
容易に想像ができます。
その状況が、犬の栄養を考えて作られた
ドッグフードの登場によって大きく変わりました。
お手頃な価格で買えて、
袋から出して与えるだけで済む
ドライフードは飼い主さんにとって革命的だったと思いますし、
犬も以前よりも健康に生きられるようになり、
平均寿命は飛躍的に伸びました。
40年前は犬の平均寿命は
3歳前後でしたが、
今や15歳に届くほどです。
ドッグフードメーカーも
研究を続けて質は高くなり、
最近は「プレミアム」や「ヒューマングレード」
をうたった商品も増えました。
一方で、ふと「なぜドライフードを食べさせているんだろう?」
と考える飼い主さんも増えてきました。
長生きの秘訣は「手作り食」
ベルギーのジェラルド・リッパー獣医師ら研究チームが
「長生きする犬とそうでない犬の違い」
について調査したところ、
食事が関係していることが明らかになりました。
市販フードを食べている犬より、
手作りごはんを食べている犬のほうが
3年近く長生きしていたのです。
研究チームは、
手作りのほうが食材が新鮮で栄養の吸収率が高いこと、
市販フードは高温加熱や成型の際に
栄養が失われる・余計な添加物が入っていることが
原因ではないかと考察しています。
ただし、毎日の食事を手作りにすることはオススメしていません。
犬の栄養は人と違いますので、
しっかり勉強して知識がある人でないと、
逆に不健康な食事を食べさせることになってしまうからです。
最近では新鮮な食材を使って
余計な添加物が入っていない
手作りフードも販売されるようになりました。
解凍するだけで手作りと同じ
新鮮なごはんを食べさせてあげることができます。
長生きにつながる野菜・果物などオススメ食材
「これだけ食べればいい」というものはありませんが、
小さな効果でも長く続けることで、
長生きにつなげられます。
オススメの野菜や果物をいくつか紹介します。
- 野菜:トマト、ブロッコリー、キャベツ、大根
- 果物:りんご、みかん、柿
- その他:鮭、ごま
野菜では、トマトに「リコピン」、
ブロッコリーに「スルフォラファン」という成分が含まれ、
どちらも抗酸化作用が期待できます。
キャベツと大根には「イソチオシアネート」という成分が含まれ、
がんの予防効果が期待されています。
果物では、りんごの皮に「アントシアニン」、
みかんに「クリプトキサンチン」、
柿に「βカロテン(ビタミンA)」が多く含まれ、
それぞれ抗酸化作用が期待できます。
そのほか、鮭に「アスタキサンチン」、
ごまに「ゴマリグナン」が多く含まれ、
抗酸化作用が期待できます。
特にゴマは紫外線による
皮膚の損傷を抑える効果も期待されています。
トッピングやおやつで与える際の適量
いくら健康に良い食材といっても、
与えすぎれば肥満の原因になって逆効果です。
トッピングやおやつとして与える場合は、
1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
2、犬が長生きするための「環境」
ここで言う「環境」とは、
広い意味で「犬の生活」と考えてください。
普段の生活の中でも重要な
- 「部屋」
- 「病気」
- 「ストレス」
について案内していきます。
「室内飼い」から一歩前へ
ちょっと前まで
「犬は庭の犬小屋にいるのが当たり前」でしたが、
今は「室内飼い」が当たり前になりました。
犬の家族化が進んだ結果と言えますが、
犬の健康を考えれば必然とも言えます。
家の外は気温や天候の変化が激しいですし、
事故や感染症のリスクもあります。
具合が悪いときも
気づくのに時間がかかってしまうでしょう。
家の中にいれば、より安全に過ごすことができます。
しかし、家の中にいれば
それでいいというわけでもありません。
家の中でも誤飲事故は起こりますし、
夏は熱中症にも気をつけなければいけません。
しっかり様子を見て、
何かあったときすぐ異変に
気づいてあげられなければ
外にいるのと同じになってしまいます。
「病気」にならなくても動物病院へ
病気になったら動物病院へ行くというのは
多くの飼い主さんにとって
当たり前の話だと思いますが、
大事なのは悪化する前に動物病院へ行くことです。
健康診断はもちろん、
いつもと違う様子でも過信せず診てもらうことで、
問題を早期に発見することができます。
獣医師らの研究では、
不妊去勢手術の有無で
寿命に2年近く(21カ月)
の差が出ることがわかったそうです。
適切な時期に手術を行うことで、
「乳腺腫瘍」や「子宮蓄膿症」
「睾丸の腫瘍」「前立腺のトラブル」「会陰ヘルニア」
といった病気のリスクを減らすことができます。
愛情も過ぎれば「ストレス」に
リッパー獣医師らの研究では、
飼い主さんの接し方についても
言及されています。
独身男性が愛犬に
友人のような接し方をするのに対し、
独身女性は自分の子どものように捉え、
過度な愛情を注ぐ傾向があると述べられています。
これは病気の早期発見につながる
良い面がありつつ、
犬にとってストレスになってしまう可能性があります。
「分離不安」は、犬の問題だけでなく
飼い主さんの問題でもあります。
心当たりがある方は、
適度な距離感で接することが
できるように心掛けてください。
3、犬が長生きするための「運動」
健康でいるためには、犬も
- 「よく食べ」
- 「よく寝て」
- 「よく遊ぶ」
ことが大切です。
長生きの秘訣の最後は、
運動について案内します。
「外に出ること」も散歩の目的
犬の運動といえば
「散歩」が思い浮かぶと思いますが、
毎日できていますか?
チワワなど超小型犬は
「室内運動だけで大丈夫」
と説明するペットショップもあるようですが、
散歩がいらない犬はいません。
散歩は運動になるだけでなく、
匂いを嗅ぐことで
さまざまな刺激にもなっています。
外には家の中にはない発見があり、
それが犬のストレス解消になっているのです。
仕事が忙しくて難しい日は
散歩代行を利用するなど、
無理せず愛犬に運動させてあげましょう。
「肥満」は寿命を縮める
運動はストレス解消になるだけでなく、
肥満予防にもなります。
アメリカのネスレリサーチセンターが行った研究によると、
肥満の犬と正常な犬で
寿命に2年近い差が出たそうです。
肥満は免疫力を下げて
さまざまな病気につながりますし、
関節の負担にもつながります。
変形性関節症など、
特に大型犬で注意が必要です。
健康だから、運動できる
運動は健康のためにするものと考えがちですが、
それは若くて元気なときの話。
病気になってから、
年を取ってからでは
運動はできなくなってしまいます。
動けないことが病気を進行させる
悪循環につながってしまうことも。
運動は健康だからでき、
運動をするから健康でいられるのです。
日常生活が制限されることなく送れる
「健康寿命」を延ばすために、
若いときから適度な運動が
できるようにしてあげてください。
- 愛犬が長生きする秘訣は愛情から
- 手作りごはんを食べている犬は長生きする
- 不妊去勢手術をした犬は長生きする
- 適正体重の犬は長生きする
ギネスブックによると、
世界最長寿の犬は
オーストラリアの「ブルーイー」で、
その寿命は29歳5カ月でした。
日本でも存命犬の最長寿として
ギネスに掲載されていた
雑種の「ぷースケ」が26歳9カ月で大往生したそうです。
愛犬といつまでも元気でいてもらうためにも、
- 「食事」
- 「環境」
- 「運動」
を見直して、
より良い生活が送れるようにしてあげてください。
気負わず、小さなことを長く続けるのが大切です。
PR
「シニア犬」カテゴリーの関連記事
「ドッグフード」カテゴリーの関連記事
「ペットカメラ」カテゴリーの関連記事
「愛犬長生き」カテゴリーの関連記事
「犬の健康寿命」カテゴリーの関連記事
「犬の健康維持」カテゴリーの関連記事